いくつかの研磨した石114
滋賀県東近江市蛭谷町朝日谷鉱山の菱マンガン鉱を一面研磨してみました.今はおそらく積雪で入れないと思います.鈴鹿山脈の西側に位置する層状マンガン鉱床のものです.上の標本は自分の標本用に成形していたら一番いい部分がそぎ落とされてしまった.色彩が鮮やかでしたので,研磨用にまわしました.
(研磨)色が随分と鮮やかだったためばら輝石の混入も考えて,すり始めました.はじめは工業砥石で荒磨きしたのですが,思った以上に軟らかく,途中で塩酸で確認したところ全体から発泡しましたので菱マンガン鉱からなっていることがわかりました.仕上げは青砥でしましたが思った光沢が出てくれず,手元にある研磨チャートでも試してみましたが,こちらもうまくいっていません.なにかほかの方法を考えようと思っています.
(以下 顕微鏡写真)
菱マンガン鉱が角礫状になった部分です.鮮やかなピンク色は光源の違いで白っぽくなってしまいました.
こちらも角礫状の部分.
あとから切ったと思われる脈の拡大.母岩と同じ菱マンガン鉱と思われる.
肉眼では硫砒鉄鉱?と判断した硫化物です.かなり小さなもので付近に細かい石英を伴っていました.
こちらは閃亜鉛鉱.かなり小さいですが劈開と金属光沢で何とかわかりました.これらのほか石英脈中に菱マンガン鉱と黄鉄鉱を伴うものや方鉛鉱を含むばら輝石などがありました.鉱脈自体を見ていないので,何とも言えませんが一部に鉱脈鉱床があるのかもしれません.