いくつかの研磨した石112
栃木県鹿沼市引田片山 引田鉱山本坑の黄銅鉱―黄鉄鉱―閃亜鉛鉱石英脈を一面研磨してみました.7~8年前の池袋ショーでサンプル購入した石です.現場にはいったことがありませんが,知人から伺ったら墓地の裏から登って行くところという.上の写真にも下の方に写っているが黒色の頁岩を切る脈のようで,やや肉眼的な黄鉄鉱や黄銅鉱,閃亜鉛鉱などが含まれていました.
研磨面では無い面の拡大です.黄色が黄銅鉱.黒色が閃亜鉛鉱.白色―灰白色半透明が石英.褐色は酸化被膜です.
(研磨)脈の部分が比較的広範囲に占めていました.脈の部分に金属鉱物が濃集していましたので,柔らかいと踏み一気に工業砥石で磨り上げました.その後は青砥に代えて,仕上げは愛宕砥石でしました.
部位の説明はこんな感じです.
その2
群馬県利根郡みなかみ町阿能川 阿能川鉱山の黒鉱を一面研磨してみました.数年前の京都ショーでK社でサンプル購入しました.黒鉱をいろいろ販売していたらとりあえず買っておくという風にしていました.黒くて重いキレイな石ではありませんが,いろいろな金属が溶け込んでいて,一面研磨するといろいろな顔を見せてくれるので面白い石です.この石は箱に入れたときに座りが非常に悪かったため,内部を覗くのも兼ねて一面研磨してみました.
研磨面以外の面の拡大です.白色―灰白色部が重晶石,真鍮色が黄鉄鉱.黄色―橙色は水酸化鉄?による着色です.
(研磨)白色部は重晶石がかなりの部分を占めているようでしたので,簡単に磨れると思い一気に磨り上げました.予想通り硬い鉱物は含まれていませんでしたので,青砥で仕上げると感じ良くなりました.
部位の説明はこんな感じになりました.前述の引田鉱山,この阿能川鉱山も当方は行っていないので詳しくは書けません.ただ磨ったら面白うそうなので手を出しました.
その3
宮城県加美郡加美町宮崎鉱山の閃亜鉛鉱―重晶石を一面研磨してみました.この標本はいつごろかは覚えてませんが,東北の方と交換か何かをして入手したものだったと思います.塊状鉱を希望していたのですが,結晶の生えているものがあったからとかでした.資料を漁ってみると石膏・ボヤマン(ボヤマンガン)・鉛亜鉛を広く稼業していたようで,上の写真の石から黒鉱のようです.巷には透石膏が出回ってるようです.軟らかいはずと踏んで研磨してみました.
こちらは研磨面以外の部分です.
(研磨)重晶石主体のように見えたので,前述のとおり力任せに一気に削りとりました.やや透明感があり鼈甲亜鉛の気(ケ)がある閃亜鉛鉱が自形結晶が埋まっているのか,研磨剤に引っかかってポロポロとれて穴になってしまう.上の写真の中央の黄色い部分は鼈甲亜鉛の取れた跡の穴です.どこまで磨ろうかと思案しましたが,上の状態でやめました.仕上げに青砥と愛宕砥石を使用したのですが,思った感じの光沢が出てくれませんでした.別な手を考えてやってみようと思っています.
各部位の説明はこんな感じになりました.前述通り赤褐色部は鼈甲亜鉛が抜けた跡の凹みに水酸化鉄が被ったものです.
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