いくつかの研磨した石111
京都府船井郡京丹波町長瀬 川谷鉱山の炭マンを一面研磨してみました.以前にも少し触れましたが,京丹波町長瀬にある龍王の滝の手前にある鉱山です.上の標本は13年ほど前に原付で駆っていた時にサンプリングしたものです.当時は鉱山名は判らず龍王の滝旧坑としていました.上の石は成形時に出た木っ端の一部で,これを一面研磨用に残していました.一見,パイロクスマンガン石のようですが,菱マンガン鉱も入っているようです.
(研磨)パイロクスマンガン石主体のように見えましたので,非常に硬いことを承知で磨り始めました.予想に反して案外軟らかく,比較的短時間で磨り上がりました.当初は前述のようにパイロクスマンガン石主体と思っていましたが,菱マンガン鉱が以外に多くここに硫化鉱物がたくさん入っていることに気づきました.仕上げは青砥でしました.
(以下,顕微鏡写真)
上の写真の中央の黒い筋より下の曇りかがった部分の拡大です.よく見ると黄鉄鉱などの硫化物が鉱染しています.
上の写真の一番下の部分の目視で黒い筋に見える部分の拡大です.二酸化マンガンの染みと思っていたのですが,黄銅鉱や閃亜鉛鉱などの硫化鉱物の集合でした.
こちらは研磨石中央の黒い筋の部分の拡大です.黒い線に囲まれた白っぽいところは菱マンガン鉱で,あとで熱水脈が切ったようで研磨面以外の部分の観察で,閃亜鉛鉱や磁硫鉄鉱を含んでいました.
その部分の拡大写真です.研磨面以外での顕微鏡観察で,中央の灰褐色部は閃亜鉛鉱であることが判りました.橙色の筋は満礬石榴石のようです.