鉱物の顕微鏡写真40
―グラフトン石・紅燐石―
産地は同上.画像内に記入しました.(非売品)
Graftonite グラフトン石
組成:(Fe,Mn,Ca)3[PO4]2 単斜晶系
色:帯紅褐色・淡褐色・サーモンピンク色・暗褐色絹糸光沢.
モース硬度:5
比重:3.67-3.79
劈開:[010]完全
条痕:淡桃色.
名称は原産地のMelvin Mountain, Grafton, New Hampshire, USA.
に因む.
Sarcopside 紅燐石(サーコプサイド)
組成:(Fe,Fe,Mg)3[PO4]2 単斜晶系
色:灰桃色・淡赤色・緑色・ラベンダー色・青色絹糸光沢.
モース硬度:4
比重:3.64-3.73
劈開:[100],[001]良好
条痕:白色.
以前にも少し触れましたが,雪入山の燐酸塩鉱物を幾つも入手した時にはよくわからなかった鉱物です.その後に名古屋か大阪で入手した標本に両方とも入っているようなことがラベルにあった標本を入手しました.両者は同じ鉄の無水燐酸塩鉱物で,よく似ている上に一緒に出てくるという,肉眼的にも判別できない鉱物の様でした.
海外には判別できる標本があるかも..という安易な期待でいろいろ探しては見たのですが,稀産鉱物である上に標本自体が少ないようで,上の標本はようやく入手しました.入手はしたもののどの部分がグラフトン石で紅燐石なのかは肉眼では全く区別ができませんでした.
なんとか雰囲気だけでもと,顕微鏡観察をして撮影しました.母岩は灰褐色―黄褐色粗粒の石英ないし長石で石英―長石中のペグマタイトより産したようです.
(以下,顕微鏡写真)
桃色の部分も褐色の部分も拡大すると全体的に入っていて共存はしているようです.二枚目の写真の中央の黒色部は藍鉄鉱でした.
さて国産の標本ですが,前述のとおり茨城県かすみがうら市雪入山の標本です.過去の名古屋か大阪で購入したものと記憶しています.ラベルにはグラフトン石,紅燐石ともに入っているような記載でした.(非売品)
矢印の先の鉄礬石榴石のような部分らしい.(非売品です)
サーモンピンク色の部分も褐色の部分も共存しているように見えました.母岩自体は白雲母と白色の長石,灰白色の石英からなるペグマタイトで,黒色皮膜状や粉末状に見える藍鉄鉱や,緑色皮膜状の二次鉱物などを伴っていました.
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