いくつかの研磨した石107
京都府南丹市美山町江和 民ヶ谷鉱山の層状マンガン鉱を一面
研磨してみました.この標本は13年ほど前に林道の入口に原付を
おいてから,しばらくあるいて訪問した時にサンプリングした標本で
す.現場は由良川と佐々里川の出合の西約3㎞のところの谷にあ
りました.坑口が上の方にあるようでしたが,先行者の割り跡を参
考にしながらの訪問でした.サンプルは2つ.上の標本と,子芋サ
イズのチョコレート鉱でした.
(研磨)標本の裏側が一面に酸化被膜の二酸化マンガンで覆われて
いましたので,この面を一面研磨することにしました.一週間以上前
から削り始めたのですが,やはり珪岩とパイロクスマンガン石の部
分が硬く,時間がかかってしまいました.二酸化マンガンの被膜の
一部が残ってしまうのもアリかと思って残しました.右端にある層状
炭マンの部分が一番軟らかく,先に左側の珪岩部分を磨ってから
層状炭マンの方に移りました.
層状炭マンは軟らかいのでこちらで左右の高さを調整しました.
層状炭マンとパイロクスマンガン石の境界にテフロ橄欖石やアレガ
ニー石を含んでいるのも,磨っている途中で気づきました.仕上げ
は青砥でしました.
(以下,顕微鏡写真です)
パイロクスマンガン石との境界付近.黒色は二酸化マンガン.
層状炭マンとテフロ橄欖石の脈との境界.淡いあずき色の斑点の
ような部分はアレガニー石.黒色は二酸化マンガン.真鍮色の部
分は黄鉄鉱.
層状炭マンの部分です.内部に放散虫がいるような模様が入って
いるような感じですが,ここでは触れません.
テフロ橄欖石(青緑色)からなる部分.黒色は二酸化マンガン.
磨っている途中に黄褐色の脈状のものが現れて,研磨して
いない部分を顕微鏡で確認したところ満礬石榴石でした.
その右側に菱マンガン鉱(淡いピンク色),さらに外側にパイ
ロクスマンガン石です.
各部の説明はこのようになりました.
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