鉱物の顕微鏡写真35 ―ローソン石―
産地:Reed Stasion, Tiburon peninsula, Marin Co., Califoenia, USA.
(原産地標本,非売品)
Lausonite ローソン石
組成:CaAl2[(OH)2|Si2O7]・H2O 直方晶系
色:無色・白色・灰色・灰白色・青色・青白色・桃白色・淡緑色(含クロム種)
ガラス光沢—油脂光沢.
結晶は短柱状で条線がある.
比重:3.09
モース硬度:7.5(6になっている文献もある)
劈開:[010]および[001]に完全.
条痕:白色.
蛍光性:無し.
主に広域変成岩に見られる鉱物で,どこでも見られそうですが,ほとんど
市場に出回っていないように思う.組成的には灰長石にH2Oを付けたような
もので,もっと普通にありそうな気がする.
藍閃石ないしクロス閃石を主とする青色片岩相の結晶片岩中に産出する,
と多くの文献で見られるが,現場で実質よく判らない.
外観のよく似た種に曹長石があり,点紋片岩中などでは曹長石との見分
けがほぼできない.上の標本は原産地のもので,カルシウムをストロンチウ
ムで置換した糸魚川石に色彩が似ている.原産地のものもストロンチウム
を含んでいるのかもしれない.青色の部分は藍閃石(Glaucophane)です.
(以下 顕微鏡写真です)
青白い部分がローソン石.
青白い部分がローソン石.帯緑青色繊維状部が藍閃石.灰緑色部が
透緑閃石.
帯青白色半透明部がローソン石.青緑色繊維状部が藍閃石.
緑灰色葉片が集合した部分は緑泥石.
こちらはローソン石がほぼついていない藍閃石からなる部分です.
以下は国産のものです.どの文献にも掲載のある江丹別峠の標本
で,この産地以外の標本を探しましたが,見つかりませんでした.
三重県の雨淵川に行った時のものもありましたが,肉眼では曹長石
との判別ができず,江丹別峠のものだけを写真に撮りました.
北海道幌加内町江丹別峠のローソン石.(以下拡大写真)
灰白色―帯黄白色の部分がローソン石とのこと.
ちょっと結晶のしっかり見える藍閃石がありました.周囲の灰白色―
白色部はローソン石.