いくつかの研磨した石92
京都府京都市北区松鷗山町金閣寺鉱山のチョコレート鉱を一面研磨して
みました.13年くらい前にサンプリングしたものです.鉱山名が面白いの
で磨ってみようと思ったのですが,どういう経緯でこの名前になってのか
不思議でならない.寺社の金閣寺とは関係は無い.(非売品)
鉱山はお寺の北西に3㎞ほど行った原谷の奥にありました.この鉱山の
存在は知人のAO氏より褐鉄鉱の塊が出たということを伺った.原谷なら原
付で楽に見に行けるので,過去2度ほど訪問した.
団地の奥に延びる南北性の谷を民家が切たところからすぐで,団地のペ
ットの散歩コースになっているらしい.坑口は谷に入ってから右岸にあり,
けっこうな奥行きがあったように思う.ズリなどはほとんど無く,わずかに谷
川に引っかかった石がみられた程度でした.
サンプルは2つで一つは上にあげたチョコレート鉱.もう一つは,同様の
チョコレート鉱に緑色の鮮やかな緑マンガン鉱を伴っていた.一部を知人
に供与したことがあり,そのまた一部をアクリルの中に封入されて戻ってき
た.サンプルは2つと云いましたが,もとは一つの石で割って分けたに過ぎ
ません.
上の石はもともと丸っこくて安定性に欠けるため,二酸化マンガンの酸化
被膜が一面についている裏面を一面研磨しました.
これが表面の写真です.黒色に見える部分はハウスマン鉱で少量の
菱マンガン鉱とパイロクロアイトだったのか褐色の染みのように見えるフ
ァイトクネヒト鉱?が一面についています.表面に光を反射しているよう
に見えるのは滋賀石様鉱物とのこと.これに関しては当方もよくわかりま
せん.
(研磨)見た目がチョコレート鉱なので,石英などの硬い鉱物は入っていな
いように思えましたので,工業用砥石で一気に磨り上げました.黒色の
ハウスマン鉱の部分が最も硬いようで,周りの菱マンガン鉱の部分が先
に摩耗していました.仕上げは青砥でしました.撮影用に粗目のもので
磨っていて,本当の仕上げはこれからです.
(以下,顕微鏡写真)
やはり磨ってみないとわからないことがあるらしく,あとから表面の白い
部分を顕微鏡で確認すると白色の鉱物は重晶石であるらしい.石英もそ
れなりに入っていて,準石墨(非晶質に近い炭素物質)を伴っていました.
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