鉱物の顕微鏡写真26 ―鉄パイロスマライト―
産地:Nordmark Odal field, Filipstad, Varmland, Sweden.
(非売品)
Pyrosmalite-Fe 鉄パイロスマライト
組成:(Fe,Mn)8[(OH,Cl)10|Si6O15] 三方晶系
Mn>Feはマンガンパイロスマライト(Pyrosmalite-Fe)
色:赤褐色・茶褐色・黄褐色・灰色・帯黒緑色ガラス光沢.
モース硬度:4.5
比重:3.06-3.09
劈開:[0001]に良好.
次は鉄パイロスマライトにしました.Mn>Feのマンガンパイロスマライト
は本邦でも見つかっていて,どこかに鉄の多いものも出そうですが,
今のところ見つかっていません.鉄の多い種類も..と思って探している
と出遭った標本です.
上の黄褐色―茶褐色部が鉄パイロスマライトです.標本の産地周辺は
いくつかの資料によると,多少変質を受けた流紋岩・デイサイトからなり,
花崗岩・花崗閃緑岩・閃長岩―モンゾニ岩が貫入しているという.
資料にはありませんでしたが,おそらく接触鉱床と思われる.鉄の鉱物
のほかマンガンもあるらしい.
以下,顕微鏡写真.
スカルンに出る灰礬石榴石のような部分が,鉄パイロスマライト
です.一部に六角柱状の柱面が観察できました.
母岩の部分も顕微鏡写真を撮ってみました.
母岩の大部分は単斜輝石のようで,強く磁石を引き寄せることから
磁鉄鉱が鉱染しているようです.ほか帯紅真鍮色金属光沢を呈する
磁硫鉄鉱や,暗色に見える半透明の石英,細かい黄銅鉱を伴って
いました.
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