ようやく70回まできました.
今回は3点紹介します.
いくつかの研磨した石70
その1
ストックを整理したときに出てきた重晶石を一面研磨して
みました.京都府南丹市大和谷鉱山の重晶石です.聴き慣れ
ない鉱山名ですが,船岡鉱山のことで,大阪管区鉱区一覧に
記載された名称です.
丹波Ⅱ型の堆積岩中に胚胎した黒鉱鉱床で,主に二次
鉱物が多産することで有名になっています.
上の石は十年以上前に台風通過後に現場がどうなって
いるかを確認しに行ったときに見つけた石です.ほぼ重晶石
からなり,表面に薄く水酸化鉄の染みが覆っていました.
洗ってもうまく汚れが落ちませんので,軟らかいことを前
堤に一面研磨してみました.
やはり軟らかく白色の粉がたくさん出ました.途中で黒色
の汁が出てきましたので,表面を確認すると一部に黄銅鉱を
伴っていました.
その2
京都府京都市北区 吉兆鉱山護法谷鉱床のテフロ橄欖石と
パイロクスマンガン石を伴う石を一面研磨してみました.
15年以上前に,初めて当地を訪問した時にサンプリングした
ものです.ほとんど熱変成を受けていない層状マンガン鉱床で
都会に近く観察しやすいため良く知られた鉱床です.
テフロ橄欖石を含むためかなり硬いと思って磨ってみました.
菱マンガン鉱をたくさん含んでいたため案外早く磨れてくれ
ました.下は表面の写真です.
その3
以前にパイロクスマンガン石の研磨石を紹介した京都府
京都市右京区鍋浦鉱山の別の標本を一面研磨してみました.
簡単に磨れてくれると思って試してみたのですが,一部に
石英脈が挟まっていて,その部分だけが妙に盛り上がってし
まい,何度か磨りなおしました.仕上げは青砥でしました.
以下は表面の写真です.
磨り上げた後に念のためネオジム磁石で確認したところ,
磁力がある部分がありました.ルーペで詳しく確認したところ
ヤコブス鉱を含んでいました.
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