大阪ショーが何事もなく
終わりました.
仕入れの分を除いて
今回の入手した標本は5点で,
そのうち2点は海外産で,
顕微鏡写真シリーズのほうに
回しました.
宮崎県延岡市北方町槇峰鉱山東坑鉱床の含銅硫化鉄鉱.(N社にて購入)
学生の頃に鹿児島本線で熊本駅まで行って,レンタカーを借りて山越えし
五ヶ瀬川付近の現場に行っていました.延岡市内に宿を取ることも多く,
いつか行くつもりでいました.当時は主に見立や嘉納・土呂久に行っていま
した.延岡市内の宿に戻るときに寄ればよかったのですが,前を通るころに
日没していて,ついに行きませんでした.今から思えば実に惜しいことをした
と回想するのですが,今行こうと思ったらと財布の中と相談しても買った方が
安いため,今回ようやくいいサイズの標本に出会え購入しました.
九州の含銅硫化鉄鉱床は全く行っていないわけではなく,福間の清滝鉱山
や久留米の高良鉱山・若宮の脇田鉱山・上陽の横山鉱山などは行きました.
基本的にガリ鉱で黄鉄鉱が含有が多いもので,銅分に富んだものは余り
ありませんでした.
上の標本は槇峰鉱山東坑鉱床のもので,古くは日平鉱山と呼ばれた鉱床
の標本です.中央左手に黄銅鉱を多く含むためか黄色っぽくなった部分が
見られます.中央付近にギラついて見える部分は,割れ目に近くやや結晶
粒が大きくなった黄鉄鉱です.ほかに少量の黒色の閃亜鉛鉱などを伴って
います.
岡山県高梁市成羽町坂本 吉岡鉱山の方鉛鉱.(N社にて購入)
吹屋の里として観光地化された有名な鉱山のものです.昭和
30年頃の標本とのことで,元ラベルには黄銅鉱の記載がありま
したが,現物を見て錆びて黒くなったのか肉眼では判別できませ
んでした.持ってみると石は小さいのに相当重く,これが鉱石だ
ったというのが実感します.
吉岡鉱山へは観光も含めて何度か訪れましたが,鉱石になる
ような石はほとんど見られませんでした.最近になって新しく道標
が整備され,それに導かれるまま第3通銅坑のズリ堆積地を見に
行ったことがあり,この時に母岩が単斜輝石(灰鉄輝石)であること
を知りました.灰鉄輝石からなるスカルンのようで,笹畝坑の説明
板には輝岩とありました.
現場で鉱石を探すのを半ば諦め,今回いい感じの標本がありま
したので,購入しました.
標本全体に霞がかって見える部分は鉛の分解物で,硫酸鉛鉱か
白鉛鉱のようです.黄銅鉱がラベルにありましたが,よくわかりませ
んでした.方鉛鉱は母岩を切るような感じで脈状に入っているのが
観察できました.ほか少量の珪灰鉄鉱などを伴っています.
長崎県長崎市西海町松ノ迫 村松鉱山のブラウン鉱(会館コーナーで購入)
長崎市の北部に当たる旧琴海町にあった長崎帯の結晶片岩中の
層状マンガン鉱床のブラウン鉱です.ここも学生の頃に何度か探し
に行ったところです.西彼杵の方に探索に行くときは戸根鉱山に寄る
ことが多く,ブラウン鉱の結晶があるとついつい長居してしまい,寄れ
なくなっていました.村松鉱山へは2度ほど探しに行きましたが,坑口
が県道の脇に佇んでいるほかは鉱石のようなものは全く見られません
でした.(坑口はグーグルのストリートビューで確認することができます)
現在は坑口の向いにアパートができているそうですが,筆者の行った
ころは更地でした.当然鉱石のようなものはなく,坑口をフィルムカメラ
で収めることくらいしかできませんでした.当時はデジカメみたいなもの
がようやく出回り始めたころで,カネが無かったこのころは主にフィルム
カメラでした.当時の写真を探しているのですが,九州から引き揚げて
くるときに噴出したのか見当たりませんでした.
今回ようやく当地の鉱石鉱物の標本に出会えたため購入しました.
ちなみに見た目黒い鉱物なのでショーの最後のほうまで残っていまし
た.
標本は黒色―帯青黒色金属光沢部が塊状のブラウン鉱です.結晶
片岩中のもので一部に残っています.白色に見える部分はマンガン白
泥石か石英です.
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