昨日に引き続いて
3点掲載します.
いくつかの研磨した石64
●京都府南丹市日吉町玉岩鉱山小和谷坑のマンガン鉱を
一面研磨してみました.標本の大きさ約62mm×41mm×18mm.
研磨する石を今回は色で選んでみました.鮮やかなピンク色が
1色では面白くありませんでしたので,珪岩の部分が少し入っている
ものを選びました.
この石は切断機を使用せず,ハンマーで小割し平坦な場所を見つけ
てその面を磨りました.珪岩はかなり硬かったですが,何とか磨れてく
れました.仕上げは青砥でしました.
左から右に向かって集合中の珪酸分が少なくなっていっています.
●大阪府箕面市外院 谷山谷のマンガン旧坑の炭マンを
磨ってみました.標本は75mm×60mm×20mmの箱に
入るサイズです.
箕面市東部にあった豊川村に豊川鉱山と云うマンガン山が
あって,これのことかと思いましたが,確実であるという証拠が
無く,マンガン旧坑にしました.
地籍を調べてみると,谷山谷を境にして如意谷と外院に分
かれていました.坑口は谷山谷を東西に並ぶようにあり,
主要な坑口は外院側に,崩土で閉口した坑口は如意谷側に
ありました.
鉱石は基本的に少なくサンプル程度でした.上の石は成形
したときに出た割カスを切断して磨ってみました.
炭酸塩が多い所為か簡単に削れてくれました.仕上げは
一面研磨したチャートでしました.
濃桃色―灰桃色部が菱マンガン鉱で,一部にばら輝石を
伴っていました.淡黄色部は多少結晶粒が荒くなった菱マ
ンガン鉱に黄銅色金属光沢の黄銅鉱を伴っています.
ほかの黒色部は二酸化マンガンの酸化被膜です.
●広島県庄原市西城町平子鉱山のデーナ石を含む石を
一面研磨してみました.
デーナ石を普通に産するということで有名な鉱山ですが,
デーナ石以外の標本を見たことが無く,硫砒鉄鉱を含ん
でいる標本を探し購入しました.上の石はその石を成形
したときに出た石です.
デーナ石と石英以外は軟らかく,平滑にするのが大変で
した.この集合中で一番軟らかいのが,無色のホタル石で,
顕微鏡で拡大すると,明らかに周囲の石よりも摩耗して,
凹みができてしまいました.母岩の灰緑色部は灰鉄輝石
かと思っていましたが,磨ってみると緑泥石のようで,仕上
げの段階で光沢が出てくれませんでした.
光沢が出てくれたはデーナ石,石英,黄銅鉱,硫砒鉄鉱
でした.
デーナ石に伴って無色のフェナク石があるそうですが,仕上げ
た後に顕微鏡で観察しましたが,よくわかりませんでした.
京都亀岡で天然鉱石の販売ならミネラルショップたんくら