きのうに引き続いて
本日も2点,掲載します.
いくつかの研磨した石63
岡山県美作市勝英鉱山の硫化鉱を一面研磨してみました.
標本は60mm×45mm×20mmの箱に入るサイズです.
美作土居駅の北方直距離約13.3㎞の谷にある鉱山で,1906年ごろに
発見され,終戦一時休山ののち戦後しばらくまで操業されていたそうで
す.東西性の谷の南岸に鉱床があって,夜久野岩類の斑糲岩質岩や,
角閃岩が林道沿いに露出しています.上の石は転石で,切ったらどうい
う感じになるのか気になり磨ってみることにしました.
工業用砥石で荒削りし,中途半端に柔らかい青砥で仕上げしました.
灰白色―白色のやや粗い石英脈中に粒状ないし小塊状をなす黄鉄鉱
に,少量の黄銅鉱(黄銅色金属光沢部)をともなっています.褐色部は
酸化被膜で,下部の灰緑色部は緑泥石類でした.
この鉱床では,黄鉄鉱・黄銅鉱に少量の閃亜鉛鉱・磁硫鉄鉱などの
鉱石鉱物があり,脈石に石英・方解石・緑簾石・緑泥石,二次鉱物に
褐鉄鉱・孔雀石・水亜鉛銅鉱・石膏・珪孔雀石などが見られました.
兵庫県川辺郡猪名川町民田鉱山の鉱石を一面研磨してみました.
標本は68mm×55mm×13mmくらいの大きさです.
日生中央駅の北方にある鉱床のものです.もともと鉱石鉱物が
少ない雑鉱山で,ようやく入手したものです.内部にどういう鉱物が
含まれているかを見るために切断し,一面研磨してみました.
母岩が珪化しているため硬いかと思いましたが,金属を多く含む
ので案外簡単に磨れてくれました.仕上げは青砥で少し磨った後で
ウエスで擦りつけました.光沢が出てくれました.
灰緑色部が緑泥石を含む石英で,黄銅色部は黄銅鉱,そのほかの
黒色部は閃亜鉛鉱,少量の鉛灰色金属光沢で粒状をなす方鉛鉱も
含んでいました.
研磨面で無い面は二次鉱物が若干吹いていて,孔雀石や青鉛鉱
がついていました.
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