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兵庫県の中瀬鉱山の珪ニッケル鉱?です.5年ほど前のAOさんの「石の花」で当日に話題に上がっていましたので,参考に購入したものです.1960年代に坑内で採取されたものだそうで,ニッケルの分解物のような緑色の鉱物が母岩に染まっています.内部の金属鉱物は「不明」と元ラベルに記載されていましたので,裏側を試しに磨ってみました.
裏面を磨ってみました.全体的に石英質で磨りあげるのに時間がかかりました.手持ちの砥石では歯が立たず,最近になって購入した「大村砥」と#120の合成砥石で荒削りしました.そのあとに刃物用の砥石で中削りし,最後にいつも使っている青砥と黄土色の砥石で仕上げました.以下は顕微鏡写真です.
珪ニッケル鉱?を多く含む部分.
硫化物を多く含む部分.
空隙を埋める粘土中に,ブロシャン銅鉱のような二次鉱物を伴っている.
硫化物の拡大写真.
元ラベル通り珪ニッケル鉱と思っていましたが,磨っているうちに緑色部は「クロム白雲母」のような気がしてきました.母岩は熱水でかなり変質しており,層理があるのかはっきりしませんが,おそらく結晶片岩のようです.長野県の金鶏鉱山のクロム白雲母を含む母岩を以前に磨ったことがあり,似たような硫化物を伴っていました.標本の珪ニッケル鉱ですが,ルーペでよく観察してみると劈開があるようで,白雲母かもしれません.すべてがそうとは言い切れませんが,そんな感じがします.ほかに肌色の不定形塊状をなす苦灰石や無色で劈開のある方解石などを伴っています.
母岩中の硫化物の方ですが,研磨面以外の部分を良く観察すると針状の鉱物ではなく,板状の鉱物のようで,部分的に黄鉄鉱を伴っていました.磨った面だけを見ると針ニッケル鉱のように見えます.磁硫鉄鉱のことがありますので,磁力を見たところ,ネオジム磁石にはほとんど反応がありませんでした.四面銅鉱以外の硫化物に黄銅鉱・閃亜鉛鉱などがありました.見た目針ニッケル鉱?かなと思われる硫化物に心当たりがなく,元ラベルのままおいています.
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