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Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
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北摂のマンガン山で

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  先日,北摂のマンガン山に行ってきました.今の時期は北部は積雪があるために山に入れないので,身近なところにしました.どうしても遠いところが優先になってしまい,近くが探せないので今回は近場にしました.

  国道173号線から旧道に入り,尾根に沿って入る林道から尾根に取りつきました.少し登るとよく管理されたひと気のある小屋の前に出て,それより先は九十九折れの廃道寸前の径を登っていきました.

  登りは大したことがなく,尾根に上ると平坦になりました.土を取ったような掘り跡か造成したのか,扁平な尾根で,灌木が生えているのと倒木がある以外は下草もなく,比較的歩きやすい.

 

 

 

 

 扁平な尾根を北上していき,鼻のあたりで一軒の廃屋に突き当たった.道は廃屋の横を通り尾根を直接下っているようで,かなり急.

 尾根の鼻の地面が少し黒ずんでいるので,よく見るとマンガンの貯鉱が残っていました.坑口は付近や西側の斜面にはありそうにないので,小屋の方に廻ってみると,廃屋から南に並んで坑口がありました.坑口の前は大した鉱石やズリもなく,ほかの坑口を探しにいきました.廃道の分岐から少し下ったところに,崩土で中が見えない坑口と,小屋の横の坑口の直下と思われる林道のカット面のところに坑口がありました.(下の写真)

 

 

  サンプルが少しほしいので,さっきの尾根の鼻まで戻り探してみた.貯鉱のような跡は表面的なもののようで,斜度40度くらいある斜面に引っかかっている鉱石を探した.結構多くの雑木の根っこに引っかかっていて,拳より少し大きめのものが得られました.多くが割れ目に沿って二酸化マンガンが鉱染しており,標本で残せるような石は少ししかありませんでした.

  鉱石はばら輝石(Rhodonite)が主体で粒が細かく色も薄い傾向があった.それらに伴って満礬石榴石(Spessartine)がよく見られた.これも細粒で肉眼ではっきりとわかるものは少ない.またばら輝石中にレンズ状をなしてテフロ橄欖石(Tephroite)と菱マンガン鉱(Rhodochrosite)を主とする部分があり,ここに閃マンガン鉱(Alabandite) を含んでいた.閃マンガン鉱に伴って少量の方鉛鉱(Galena),閃亜鉛鉱(Alabandite),黄銅鉱(Chalcopyrite)などの微粒も入っていた.熱変成をかなり受けているのに,菱マンガン鉱に伴ってカリオピライト(Caryopilite)が入っているのを見つけた.鉄マンガン鉱床から産するものに比べて,かなり色が淡い.持っていたリュックが重くなってきたので,切り上げた.帰りは来たときと違う経路をたどってみたが,結局同じ場所に出た.尾根筋を直行した方が早いようだ.

 

  帰り際に羽束川の上流の川原で遊んできました.大水でずいぶん荒れているようで,いろいろな岩石が見られました.細粒花崗岩・流紋岩・同質溶結凝灰岩・凝灰角礫岩・砂岩・層状チャート・赤白チャート・頁岩・砂岩ホルンフェルス・泥質ホルンフェルス・蝋石化した流紋岩などがありました.

 

 

 

 

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