ここのところ店の都合でご無沙汰してた穴探しを再開しました。採集自体は何度か行きましたが、いずれも知人のお伴でした。先月、岡山の某銅山へ炎天下の中強行軍で行き、金生・金谷・磯部旭日とまわりました。暑さに勝てず短時間しか見て回れず、早々に退散した。
お盆は久々に連休をとり、県境付近へ赴くことが出来ました。懲りずに同じところに行って小一時間ズリを徘徊した。斑銅鉱や四面銅鉱類はよく見つかりました。
帰りに、備前に穴探しをした。美作土居から南下して、長閑な集落をいくつか経て細長い谷の林道をつめた。奥に2つの滝とダムがあるが、穴はもっと手前だった。
苔むした林道の脇に佇む坑口。
半分以上、ごみが詰められ内部が見えない。
ズリは向かいの川原に少し見られる。棘の生えた「痛い草」が2本あり、引っかからないよう巻いて下りる。
石の表面をみると見慣れた焼けが。金属とマンガンの両方の焼けがあり、
前者はペーパーカルサイトを伴った、黄鉄鉱や細かい黄銅鉱などの硫化の脈や鉱染部だった。
マンガンは、非常に堅く火花が飛び散る。内部をみると灰鉄輝石―ヨハンセン輝石系の鉱物が炭マンを取り囲んでいた。堅いはずだ。
ピンク色系の鉱物は菱マンガン鉱とばら輝石あるいはパイロクスマンガン石があり、他の鉱物は汚い色をしたテフロ橄欖石があった。
割れ目に非晶質のネオトス石が出来ていて、ここが弱い所為かこの裂罅に沿って割れてしまい成形し辛い。
川原のズリも日陰になっていないのでここも暑く早くも退散した。帰路にいくつか候補地があったが、下道を駆使して帰るため時間を考えてこの日は2か所で帰ることになった。
先月、お伴で回った銅山でのサンプルで、黄銅鉱の結晶が出てきた。黄銅鉱を錆させず表面の吹き出物を除去するのには苦労したが、何とかなった。
結晶はルーペサイズだが顕微鏡で除くとなかなかの物だった。
表面の黄色は黄銅鉱。周りの鋼灰色はすべて四面銅鉱の結晶。写真上部の吹き出物におおわれている褐色部は褐錫鉱―モースン鉱系の鉱物。
吹き出物は、珪孔雀石か含銅アロフェンと思われる。この石の裏に四面銅鉱の脈と、吹き出物として孔雀石とラング石?が付いていた。