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滋賀県湖西の鉱山1

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鉱山リスト

 

 

 

 

 

 

滋賀県湖西の鉱山1

 

 

 鉱山リストシリーズです.京都府を中心に府下と隣接する地方の鉱山を掲載しています.鉱山史の資料を探求していて蒐集したものです.今回は高島市域です.

 中生代の丹波帯の延長で非常にマンガン鉱床が多い地域です.マンガン以外に多少の鉛亜鉛や鉄鉱・亜炭・青砥・硯石などの鉱床が報告されています.

文献は湖西の鉱山3の後半に纏めて記載します.

 

マキノ鉱山  滋賀県高島市マキノ町(鉄鉱.海津大崎の先端付近にあった.昭和39年から手掘で採鉱し半年ほどで休山した.山元に多量にあった珪灰鉄鉱を磁鉄鉱と誤認したと思われる.)

金掘鉱山  滋賀県高島市マキノ町(銀銅鉄鉱.文政3年7月に辻屋伊兵衛が稼業したという古い鉱山.明治元年に加賀藩が金山検分を行ったという.明治12年頃まで稼業されていたらしい.(字)清水山というところにあるらしいが,文献では追跡できなかった.マキノ鉱山と同一かもしれない.)

在原鉱山  滋賀県高島市マキノ町(マンガン鉱.炭マンを産したらしい.)

生見鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱)

熊川鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱.自在坊鉱山ともいう.昭和9年頃より稼業され,終戦で休山,戦後しばらくまで稼業されたらしい)

保坂鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱.二酸化マンガンを稼業したらしい.)

角川鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱.二酸化マンガンを稼業していたらしい.)

川上鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱.昭和9年ごろに生産量の記載があり,このころに稼業されていた模様.

篠原鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱,炭マンを稼業したらしい)

途中谷鉱山  滋賀県高島市今津町(マンガン鉱.明治の初めの稼業らしい)

第三多賀鉱山 滋賀県高島市今津町(マンガン鉱,ほか詳細不明)

高面鉱山  滋賀県高島市安曇川町(マンガン鉱.高面山を取り囲むように旧坑が点在したらしい.高倉鉱山ともいう)

高島鉱山  滋賀県高島市(旧高島町)(マンガン鉱.入部谷越の入口付近にあった.明治28年に「武曽鉱山」と称して稼業された.戦後,昭和33年頃まで稼業されたという.)

黒谷試掘坑  滋賀県高島市(旧高島町)(鉛亜鉛鉱,詳細不明)

黒谷炭鉱  滋賀県高島市(旧高島町)(亜炭,詳細不明)

高島水尾炭鉱 滋賀県高島市(旧高島町)(亜炭,昭和9年ごろの開発という) 

百福鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.百里ヶ嶽の東麓にあった.戦前―戦後にかけて稼業された.昭和25年頃に福井県中畑鉱山の支山として操業されたらしい.昭和29年に空中索道が完成しその後しばらく稼業された.)

高島第二鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.柳谷鉱山ともいう.昭和35年ごろに稼業していたという)

熊谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱)

荒谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.地質図幅に詳細が記載されていた.昭和37年ごろの稼業という)

乗鞍鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和32年頃の稼業という)

尾曾越鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和25年―34年ごろまで稼業されたという.何度か探索に行ったが,鉱石の類はほとんど見られない)

東山鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和11年ごろに開発されたという.昭和26年に再開され,昭和35年ごろまで稼業されたという)

立戸鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和11年頃に稼業されていたという.北川の西岸に崩れた坑口を県道から仰ぎ見ることができる.川原に貯鉱の跡があった.ウィゼル石を産することで割と有名.立都鉱山とも書く.)

曇洞谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.第一雲戸鉱山の一部だそうだ.)

熊畑鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.第一雲戸鉱山ともいう.バウムクーヘン状のカリオピライトやパーセッテンス石を産した)

金彦鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.福井県の中畑鉱山の支山として稼業されたらしい)

和佐谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.詳細不明.)

針畑鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.貧弱な炭マンが少し見られた)

第二主有谷鉱山 滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和28年頃の開発という)

第三主有谷鉱山 滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.二酸化マンガンを稼業という)

御宮前鉱山 滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.入部谷越の西方付近にあった.本坑鉱床(主に二酸化マンガン),東部鉱床(二酸化マンガン),栄鉱床(炭マン)などがあった.昭和14年頃より開発された.昭和39年に休山したいう.唯一,栄鉱床が炭マンで,ばら輝石やテフロ石を主とし,閃亜鉛鉱や方鉛鉱・黄銅鉱・磁硫鉄鉱などの硫化物を多量に含む鉱石を産した)

高島炭鉱  滋賀県高島市朽木(亜炭.安曇川の東岸に隣接するところにあったらしい.)

柏鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.炭マンを産したらしい)

主有谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和12年頃より38年まで稼業されたという.炭マンと二酸化マンガンを稼業.)

第五主有谷鉱山 滋賀県高島市朽木(マンガン鉱)

大野鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.オグラスの大野側の登山道入り口の奥にある.金属を多く含む炭マンを産したという.坑口の前にトラックの荷台を利用した漏斗があったという)

植谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.大野鉱山と同一か?)

天岩鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.栃生の変電所の向い付近にあるという)

八幡谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和10年ごろの稼業という.)

村井鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.炭マンを稼業したという)

源田谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.栃生の変電所の向い,野営場の奥にあったという.)

満栄鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.)

三国鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.)

翁谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.市後谷山と経ヶ嶽の登山道に近いところにあるらしい.)

大徳鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.生杉から久多川合に向かう県道の脇に開坑.上下に2つの坑口があるが,鉱石らしいものは全く見られない.隣の神社の裏に立派な層状チャートが観察できる坑道があり,貧弱な二酸化マンガン鉱が見られた.平良鉱山ともいう.)

八田鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱,昭和34年から38年ごろまで稼業されたという)

新八田鉱山 滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和37年頃の稼業という)

小川鉱山  滋賀県高島市朽木(生杉から久多川合に向かう県道沿いにあるキャンプ場の谷の奥にあった.足場は急勾配で危険だが立派な竜頭の残る坑口がある.)

足谷鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和10年から11年ごろの稼業らしい)

萱原鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.昭和10年から11年ごろの稼業という.同年の生産量の記載があった.)

朽木鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.こういう名称の鉱山がしんどい.調べる範囲が広すぎる)

旭鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱.)

西浦鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱)

棚橋鉱山  滋賀県高島市朽木(マンガン鉱)

 

これらのほか,硯石谷の硯石山が,百里ヶ嶽の南尾根に砥石山,三国峠の南尾根にも砥石山があった.

 

大徳鉱山.神社の裏にあった坑道.立入坑道かもしれない.

 

2につづく.

 

 

 

以下,この地域の鉱山で産した鉱物の画像です.

アフテンスク鉱(Akhtenskite).御宮前鉱山本坑鉱床.(非売品).表面のギラギラした黒色部.

 

方鉛鉱(Galena).御宮前鉱山栄鉱床.(非売品).比較的粗粒なばら輝石からなる集合より磁硫鉄鉱や黄銅鉱・黄鉄鉱などとともに産した.

 

黄鉄鉱(Pyrite).小川鉱山.(非売品).低品位のパイロクスマンガン石からなる集合を切る石英脈中のもの.小さいながらも自形結晶をしている.

 

ハウスマン鉱(Hausmannite).(非売品).立戸鉱山.研磨石シリーズより転載.黒色粒状部がハウスマン鉱.

 

菱マンガン鉱(Rhodochrosite).(非売品).主有谷鉱山.灰白色―灰色で層状をなす菱マンガン鉱からなる集合です.現場に行っても鉱石は見つけられず,上の石は購入品です.

アレガニー石(Alleghanyite). (非売品).荒谷鉱山.帯紫桃色―桃褐色塊状部がアレガニー石です.淡紅色―桃白色部は菱マンガン鉱.灰緑色―青緑色部はテフロ石.黒色部は二酸化マンガンによる染みや酸化被膜.

 

パイロクスマンガン石(Pyroxmangite).(非売品).鮮やかなピンク色部がパイロクスマンガン石.灰白色―淡いピンク色部は菱マンガン鉱.黒色は二酸化マンガンによる染み.購入品)

パイロクスマンガン石(Pyroxmangite).(非売品).源田谷鉱山.鮮やかなピンク色がパイロクスマンガン石.周囲の白色部は主に石英からなる珪岩の一部.

 

 

 

 


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