先日,AOさんの石の華で樺阪鉱山の二次鉱物が大量に出展されていた.基本的に二次鉱物は興味が無いので購入を見送ろうと思ったが,お客さんに聞かれたら答えられないので,二つ三つほどは判定できるように幾つかは購入した.
樺阪鉱山は多可の妙見山の西側にあり,比較的最近までやっていた鉱山で,各種多様な二次鉱物を産した.多可の妙見山を中心に数十(数百とも)ほどの旧坑(遺跡地図では間歩表記)があった.脈石に菱マンガン鉱と牡蠣殻状方解石があり,主要鉱石鉱物に黄銅鉱・黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・磁硫鉄鉱などが見られた.最近は全くこのあたりには行っていないので,現況がどうなっているのかは分からない.
最近になってようやくスパンゴル石とウッドワード石が分かるようになった.どちらも銅の硫酸塩鉱物で,見た目は良くわからない.
スパンゴル石とウッドワード石の母岩.中心部を拡大したのが下の二枚の写真.
母岩はやや新鮮で,肉眼サイズの石膏の良晶がよく見られる.石膏のついている石の傍にいる青色は多くがサーピエリ石で,鉱物の組み合わせは単純.
デヴィル石も近くにいるというが色の濃さ加減では何とも言えない.スパンゴル石の周辺には石膏は無く,少量のサーピエリ石が近くについているだけのもの.
双眼顕微鏡ではすでに限界の大きさで結晶の集合体をなす.盤際に白色の粘土を伴っていて掃除するとき注意しないと粘土と一緒にとれてしまう.乾くと粘土の粉末が飛散し石の表面とかにまとわりついてくるので始末が悪い.
画像の中心付近についている雲母のような六角薄板状結晶がスパンゴル石とのこと.真珠光沢から絹糸光沢を呈する.
さらにウッドワード石がすぐ隣りに結晶群をなしている.
Woodwardite ウッドワード石.上の写真のスパンゴル石群晶のすぐ傍についているもの.
こちらも双眼顕微鏡下での写真でデジカメでは限界だったが,結晶がスパンゴル石よりも若干大きいようでこちらはややはっきりとした結晶が写ってくれた.よく似た結晶だが明らかに色が濃い.スパンゴル石は白色に近い青色だったがこちらは帯緑青色.光沢がやや強いように思われる.
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