研磨石
いくつかの研磨した石301
三重県津市河内(字)峠の砂質ホルンフェルスを一面研磨しました.数回前の露頭めぐりで紹介した現場の転石の一部です.酸化被膜をハンマーで斫ったところ内部より磁硫鉄鉱が出てきました.成形して出た木っ端を一面研磨にしました.
(研磨)風化面の水酸化鉄がこびりついた面を研磨面にしました.二次鉱物のついている部分は軟らかいので,少し磨ると内部が出てきました.暗色の部分は細かい緑泥石のようで,軟らかいので早く平滑にすることができました.
仕上げは青砥で十分光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
緑泥石が濃集した部分の研磨は早かったですが,珪化した部分はなかなか先に進みませんでした.反射で光って見えるのは磁硫鉄鉱.
磁硫鉄鉱(Pyrrhotite).母岩の中央を切る太い石英脈から少し離れたところまで,石英脈の盤際と関係なくふんだんに含まれていました.含まれている量は少ないのですが,磁石をけっこう引き寄せます.
黄銅鉱(Chalcopyrite). 磁硫鉄鉱より量が少なかったのですが,少しありました.成形したサンプルにはあまり含まれていませんでした.黄銅色金属光沢部が黄銅鉱で,一部に磁硫鉄鉱を伴っています.