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いくつかの研磨した石300

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研磨石

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくつかの研磨した石300

 産地:京都府舞鶴市別所暮谷 舞鶴鉱山暮谷坑(非売品)

Locality: Kuretani adit, Maizuru Cu mine, Kuretani, Bessho, Maizuru city, Tango old county, Kyoto prefecture, Kinki region, Japan.

重量:1082g.サイズ121㎜×92㎜×50㎜

 

 

 

 

  ようやく300号まで行きました.しばらく研磨石シリーズが中断していたのは,この石を磨っていたのもあってようやく更新できました.

  去年の8月末に古い段ボールの底から出てきて,大きさがあったので,小割せずに時間がかかってもいいからと,手磨りで一面研磨をし始めました.

  一気に磨ると腱鞘炎になりそうなので,裏で休憩中を利用してちょこちょこ磨っていました.中央に裂罅が走っていて機械を使用すると,ここからパシパシ破片が出ては凹部ができて大変なため,機械は使用せずに手磨りしました.

  

 

(研磨)サイズが大きいので,ある程度までは酸化被膜を小ハンマーで斫り取りました.凹部に酸化被膜がまだ残っていましたが,研磨中に取れるだろうと思って,その面を研磨し始めました.角が鋭角になっている部分が先に磨り切れて,徐々に平滑になってきました.未研磨の凹部はしつこく残って,中央の裂罅の部分が手磨りの振動でこれもパシパシ割れていきました.

 そのたびに研磨をやり直して地道にやっていくと上のようになりました.下の方に灰白色―暗灰色の石英脈が出てきて,ここが硬いので最後まで残りました.

 端の石英脈が硬いので,中央の裂罅の部分がどうしても凹部になるために,端にある石英脈だけを先に削り取ってから高さを合わせました.

 磨っていくと,母岩の緑色岩と硫化鉄鉱の境界付近に閃亜鉛鉱を含んでいるのが判りました.黒色あるいは鉄黒色の黒っぽい閃亜鉛鉱で光が通る感じはほとんど無く,ただ黒い筋になって,一部が金属光沢をしているのだけは判りました.黒色の閃亜鉛鉱の脈は緑色岩からと硫化鉄鉱の境界から少し,硫化鉄鉱側にあって,幅最大5㎜の脈をなしています.黒色の閃亜鉛鉱の脈は黄鉄鉱の割れ目を充填する感じで入っています.脈は一部が母岩の緑色岩に接していて,黄鉄鉱が緑色岩側に鉱染している部分も見られました.

 硫化鉄鉱の端のほうは結晶粒が粗く,層状含銅硫化鉄鉱床にみられるようなガリ鉱のような感じになっています.そこから少し離れた塊状部に微細な黄色みの強い黄銅鉱がポツポツ入っていて,その近くに幅の狭い石英脈が網状で入っていました.画像の中央より左下の部分に,断裂したように緑色岩の一部が挟まっています.

 仕上げはサイズが大きいので,青砥でしました.中央の裂罅の部分が少し凹んでいて,ここを別の砥石を使用して研磨しました.中央の凹みは取るために色々な砥石を試して研磨しましたが,そのたびにパラパラと粉状のものが出て,凹部が広がるので,ここでやめておきました.

 

(以下,観察です)

 研磨しているうちに上記のように閃亜鉛鉱がでてきました.粒は小さいですが黄銅鉱も含まれていて,一応銅鉱石と呼べるものだろうと思っています.低品位ですが.

 

 母岩の緑色岩に沿っている部分に閃亜鉛鉱が集合して脈になっています.母岩は緑色岩と書きましたが,別の石に母岩ばかりの石があって,そちらを観察したところ,片理性に富んだ岩石で,緑泥石が緑色の起源になっているようです.輝石の粒の跡のようなものも入っているので,斑糲岩質ではあるのだろうと思います.

 

 

 


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