岩石
チャート
京都府京都市左京区鞍馬貴船町大岩
非売品.サイズは75㎜×60㎜×20㎜の箱にピタリと入る大きさです.
チャート Chert
(分類) 堆積岩.
(時代) 古生代石炭紀~中生代ジュラ紀.
(地層) 丹波帯Ⅱ型の地層群.雲ケ畑ユニット.泥質岩~混在
岩層.
(主成分) 石英.
(色) 堆積した環境にもよるが,白色・灰白色・青灰色・緑灰色・
赤色・赤褐色・褐色・暗褐色・淡緑色・緑色・暗緑色・灰黒
色・黒色など.
二酸化珪素を成分として持っている放散虫やカイメン動物などの殻や骨片などが堆積してできた岩石.石英を主成分として含むため劈開は無く,非常に硬いが,硬さが揃っているため研磨や成形は案外楽な方.
いつも深成岩や変成岩ばかりなので,今回は堆積岩にしました.チャートの中では色が淡い方の標本を選びました.
現場は京都市北区の北方に横たわる十三石山(標高495.3m)の東に流れる雲ケ畑川で北区と左京区鞍馬貴船町と境界が接する.東の夜泣峠から発する栗夜叉谷の出合から,府道61号を少し北上したところに大岩があった.
当時は道幅が大岩付近でやや狭く,大岩の一部を削る工事をしていたようです.何かの記事で知って急遽行った覚えがあります.筆者が訪問したときはすでに終わっていて,真新しい落石防止の金網が設置してありました.
大岩.
たぶん2005年頃に撮影.当時はデジカメは出ていましたが,画素数が少ない割に高価で,この画像はフィルムカメラで写しました.その写真をデジカメで再度撮影して多少の変更を加えて掲載しました.右下は当時筆者が駆っていた原付バイクです.
下から見上げるような大岩で,工事で削られたものの新鮮な面が観察できました.原付で来てバカチョンカメラしかもっていなかった.大岩の手前に草地が見える場所に削り取ったチャートの破片が山ほど転がっていました.上の標本はそこからサンプリングしました.
それから長年放置状態にしていましたが,ここ数年で岩石判定の必要性を感じて,ホコリの溜まった箱から引きずり出して,大岩のチャートを成形しなおしました.
ラベルが出てきませんでしたが,裏面に赤マジックで「京都市大岩」と書いていたので,産地は分かりました.そこから75㎜×60㎜×20㎜の箱に合うように成形しました.ハンマーを角に当てるとけっこう火花が散って,はじめの方の成形は難儀でした.
割っていくと標本のサイズがある程度決まってくるので,そこからは楽でした.持ったときに鋭い断口で指先を切らないように,角をハンマーの先で潰して,はじめのような標本になりました.
割った木っ端で一部を研磨しましたが,微細な化石等は母岩が透明なためなのか,はっきりわかりませんでした.淡い緑色の起源はどうも緑泥石のようでした.近くに熱源は無いよう(鞍馬石の産地が北東約数キロメートルにありますが)で変成は受けていないようです.