岩石
黒雲母花崗岩
京都府南丹市園部町南八田福龍寺
(非売品)
サイズ:75㎜×60㎜×20㎜の箱にピッタリ入るサイズ.
Biotite granite 黒雲母花崗岩
深成岩.中生代白亜紀後期貫入.天引花崗岩.
(構成) カリ長石(淡紅色)・曹長石(白色・または灰曹長石)・灰色(石英)
黒雲母(黒色鱗片状)
(副成分) ジルコン・磁鉄鉱
数年前に石友に教えてもらって,現場を見に行ったときにサンプリングした標本です.八田方面から大河内方面に抜ける小さな峠の入り口の北側に小さな沢があって,これを登っていくと石切場のような跡があった.
ゼンリン地図やグーグルマップで地名を確認すると,上記のような地名になりました.
地質図を見ると,国道372号の八田の峠の南側に東西数キロメートル南北300m内外でレンズ状で貫入している珪長岩体がありその周りにある岩体が,この沢の上流にあたるらしい.八田の峠やレンズ状岩体の周りは丹波Ⅱ型の堆積岩で,瑠璃渓の入り口付近から有馬層群の流紋岩ないし流紋岩質凝灰岩の分布域になっていました.
丹波Ⅱ型の堆積岩類に花崗岩が貫入してそのあとにレンズ状の珪長岩が貫入したように読み取れました.
現場で石切場を見て,付近に落ちている岩石を見ると結構風化していました.下流まで戻ってその辺に転がっている転石よりサンプリングしました.
一部がミアロリティックになった部分があって,ここはボロボロで成形時にそぎ落としました.なるべく粒のそろった均質な部分を残したいので,脆い部分はすべて落としました.
それ繰り返しているとだいたいの大きさが決まってきて,最後に箱のサイズに合わせて成形しました.見てくれのいい感じの標本になりました.ラベルを作り,通し番号を振ってリストに書き加えました.
構成は主に淡紅色ないし紅色のカリ長石で占めていて,それの半分の量比で白色の曹長石(あるいは灰曹長石)が観察できます.灰色―灰白色ガラス光沢部は石英.黒色で鱗片状ないし点々で入っているのは黒雲母です.一部の黒雲母の周囲が赤茶けた部分があって,鉄分による錆びと判断しました.
また,標本の裏面に鮮赤色のハロがあって中心に変種ジルコンが2粒ついていました.