岩石
ダン橄欖岩(ダナイト)
長野県下伊那郡大鹿村鹿塩 樺沢小屋前塩川露頭
(非売品)
サイズ:73㎜×60㎜×33㎜.重量約306g.
Dunite ダン橄欖岩(ダナイト)
中生代ジュラ紀三波川帯(変成時期は白亜紀)に伴われる超塩基性岩体.入沢井岩体.90%以上を橄欖石で占める超塩基性岩.
構成鉱物:橄欖石・スピネル類(磁鉄鉱・クロムスピネルなど).
10年くらい前にサンプリングした標本を成形しなおした標本です.暗緑色でやや脂ぎったガラス光沢を呈する橄欖石で占められている岩石です.暗色なのは磁鉄鉱やクロムスピネルなどの黒っぽい鉱物が集合しているためで,これらが少ないところは黄緑色や灰青色を呈していました.
灰青色を呈するものはマンガン鉱床でよくみられるテフロ橄欖石に外観がそっくりで,それより脂ぎった感がありました.
現場は度重なる土木工事等でどうなっているのかわかりませんが,当時は橄欖岩の露頭のすぐ上流側に異剥輝石岩の露頭があって,5㎝~8㎝くらいの大きさの劈開が観察できました.
現場の川原には緑色岩も多数あって,緑簾石・緑泥石・石英を主とした集合で,一部に川海苔状のスティルプノメレンがへばりついたようなものや,灰赤紫色ガラス光沢を呈する苦土斧石なども見られました.
下流に少し進んだところの川中の露頭は,これも土木工事等でどうなっているかわかりませんが,異剥輝石岩の間隙のようなところに,アワルワ鉱やワイラウ鉱のようなニッケル鉄の鉱物が見られました.
そのしばらく後に2度ほど訪問しましたが,土木工事の影響で近寄れませんでした.その現場のかなり下流の堰堤のところに降りてみましたが,緑色岩や結晶片岩ばかりでダナイトはほとんどありませんでした.
成形はもとの大きさが拳くらいの大きさで,かなりの重さがありました.これを75㎜×60㎜×20㎜の箱に入れるために成形しました.橄欖岩をいろいろな方向に切っている蛇紋石の脈があって,そこからパラパラ割れるためうまく成形し辛かった.白いハンマー傷ができやすいので,慎重に割りましたがやはり多少のハンマー傷はついてしまいました.