Quantcast
Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

船坂峠南谷の雑鉱

$
0
0

石の話

 

 

 

 

 

 

 

 

船坂峠南谷の雑鉱

 以前にサンプリングした石を整理していたところ,船坂峠南谷の石が出てきました.船坂峠の南に面する谷で,谷の名前が無く,仮称にしています.そのうち閃亜鉛鉱や硫砒鉄鉱を含む石があったので,成型して標本として残すことにしました.画像は成形して顕微鏡撮影しました.

 

 15年くらい前より六甲山系の谷に入って,鉱山のありそうなところを探していました.ほとんどが明治以降の鉱山で,旧幕時代には有馬温泉の「かなやま騒動」などがあって,なかなか鉱山開発に至らなかった.古いのは帝釈鉱山(長谷鉱山)くらいで,文献が殆ど見当たりませんでした.それらの一つに船坂鉱山があって,戦時中―戦後に稼業していたそうで,これを探すためにいろいろ探していました.船坂峠の南谷は坑道のようなものは無く,転石でいくつか見られました.

 黒雲母が緑泥石化した花崗岩がちょくちょくあって,一部に著しくグライゼン化したものもありました.その一部に硫化鉱物が鉱染したものがあって,これらをサンプリングして,ほかの産地にも行っていたので,整理番号を石の背にマジックで記入して土嚢袋に放り込みました.それからしばらく放置状態になっていました.

 以下は成形して標本にした際に顕微鏡撮影しました.

当初は硫砒鉄鉱と思っていました.一部を欠かして分析したところ,砒鉄鉱でした.長板状で結晶の形がおかしいとずっと思っていたのですが,ようやく判明しました.2枚目は欠かした部分.

 

こちらは花崗岩中に鉱染状にはいっている石英の空隙にあった黄銅鉱です.かなり小さいものですが,一部が自形になっていました.黒くなっているのは錆びです.

 

こちらは黄鉄鉱です.表面が酸化して褐色に被膜に覆われていました.黒っぽい部分は緑泥石類.白色―灰白色は石英です.

 

閃亜鉛鉱.現場ではじめに気づいた鉱物です.肉眼では真っ黒ですが,強い光源で撮影したところ,赤味がかっていました.画像の右端にやや脂ぎったガラス光沢のホタル石を友案っていました.

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

Trending Articles