先月に行った大阪北部の旧坑の鉱石の一部を切断してみました.緑色岩中に芋状をなす硫化の塊で,見た目は黄鉄鉱だけの石でしたが切断すると閃亜鉛鉱や磁硫鉄鉱を含んでいました.旧坑はアンテナの立っている高岳と虎口と郭のはっきり残っている城山との鞍部西側の谷に開いていて,傍にイノシシの罠が置いてありました.初めて行ったときに同様の産状の黄銅鉱を見つけていて,先月に異極鉱を見つけました.亜鉛の初成鉱物があるはずですが,あまりないので不思議に思っていましたが,芋状鉱石の一部に入っていました.
表面は優先的に錆びて分解した磁硫鉄鉱後の褐鉄鉱に覆われていて,切断して研磨してやっと上記のような断面になりました.肉眼で判別できるのは磁硫鉄鉱・黄鉄鉱・閃亜鉛鉱の3種類で,粒間にほかの鉱物も含んでいそうですがよくわかりません.そもそもズリには鉱石らしい石はほとんど落ちておらず,鉱石質の石にたどり着くのは困難でした.
銅の鉱物5
大阪府豊能町桐山鉱山の黄銅鉱.ずいぶん苦労して得た石です.一庫ダムの東側に位置する高代寺山から派生する尾根の突端近くにあった鉱山です.兵庫県との県境から僅かに大阪府側に入ったところにあって,一庫ダム湖周回県道の脇から入る道がついていました.
沢沿いに幾つか坑口があり,ズリも大量にありましたが採集意欲のそそるような石は無く,山吹きした後に残るカラミだらけが見つかりました.
鉱石質の石は上の写真の標本一つだけで,ほかは変質した緑色岩の上にうっすらと緑色の二次鉱物が吹いているものやみすぼらしい青鉛鉱が少量見られる程度でした.
標本は閃緑岩質の岩石が変質して蝋石質になった岩石に鉱染している貧弱なもので,少量の硫砒鉄鉱を伴っています.ほかに少量の閃亜鉛鉱と貧弱な方鉛鉱が見られこういう石の高品位部を採掘したものと思われます.
谷沿いにかなり大きなズリがあって,左岸側に深そうな竪坑とズリの頂上付近に狸掘の穴がたくさん開いた露頭にでます.尾根は昔に神社があったと思われる土台(金高神社?)があって,町のプラントが見える岩峰まで小径がついていました.北進すると林道にでて眼下に巨大な団地が見えていました.ここまで上がっていると鉱石もなく(もともとありませんが)来た道を戻るしかないようです.
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