滝めぐり
新笠取橋上流の渓流瀑と三宝鉱山
京都府京都市伏見区醍醐
前回の高塚山から下ってきて,横嶺峠から西笠取へ行く道の初めに出会う谷に架かる橋が新笠取橋です.マンガン鉱山が上流にあって,2005年ごろに初めて訪問しました.当初は記録を残していないうえ,画像も無く,小さなサンプルが2~3個あるかないかでした.それから,転石からサンプルを得たときに周囲に滝があったような記憶があって,それも確認するために今回,高塚山とセットで訪問しました.
谷の上流に向かって左側に径があって,そこから入りました.
谷は新笠取橋の丁度真下で二股に別れていて,上流に向かって左の谷に入りました.
倒木の多い谷で,目測で0.5mくらいの小瀑がいくつか続きました.目測1mくらいのナメ滝風の小瀑を向かって左側から巻いた先に落差1mくらいのナメ滝風の滝がありました.
ナメ滝風の滝.落差は1mくらいですが,長さは5~6mくらいでした.水量があればそれなりの滝に見えるだろう.
ここを越えると少し谷間が狭くなり,奥に目測2mくらいの小瀑が現れました.
目測2mくらいの小瀑.段瀑のようになっていましたが,水量が僅少でどこまでが流路なのかはっきりしませんでした.
上流の2つの小瀑の間から西の尾根の斜面を見上げると,大岩の下の方に坑口が口を開けていました.
三宝鉱山の坑口.ほかにもいくつかあるらしいのですが,急斜面な上,落ち葉でズルズル滑るので登っていません.坑口の対岸に畳1畳くらいの広さの平地があったような記憶がありましたが,大水で流れたのか普通の河原になっていました.
拡大するとこんな感じでした.鉱石は谷を遡上しているときも探しながら登ってきたのですが,あるのは風化した頁岩や白っぽいチャートが殆どでした.マンガン鉱は表面が酸化して二酸化マンガンになっているので,黒くて重い石を探します.結局下っている間もマンガン鉱はありませんでした.
次に橋から上流に向かって右の谷に入りました.
入口に2段で1mくらいの小瀑がありました.これより上流にも段瀑があって,谷が狭まると滝は見づらくなりました.
3つくらい小瀑を過ぎた上で杣道が無くなりました.これより上はヤブになっていて,今回は入りませんでした.
この滝の上の方.東の尾根にマンガン鉱山があったところのような大岩が南に向かって張り出していました.谷に落ちている石は黒っぽいチャートで,こちらでも開鑿していないか調べましたが,坑口は見つかりませんでした.鉱石もありませんでした.
駐車地点に戻って,新笠取橋の下流にも行ってみました.橋の下流は滝を見間違える落差のある堰堤があって,その下が少し転石が多くありました.多くが白色のチャートや頁岩でしたが,一つだけマンガン鉱がありました.
割ってみたところこんな感じでした.黒色部は二酸化マンガンの酸化被膜で,淡いピンク色部が菱マンガン鉱でした.鉱石としては炭マンで,三宝鉱山の主要鉱石鉱物と思われる.
このあと,蒸し暑いので帰途に就きました.
以下は新笠取橋上流の渓流瀑の図です.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.