蛍光鉱物
柱石(スカポライト)
先日,掃除したときに部屋の隅に置いている古いタンブルなどを入れている箱を覗いたら,500円玉より少し大きいくらいのラピスのタンブルが入っていました.層状に青いシミのはいったもので,黄鉄鉱が半ば錆びて,黒くなっていました.その一部に,粒の粗い方解石が充填している箇所があって,粒状の青金石(5㎜くらい)がポツンと一つ入っていました.全体に黄鉄鉱が多く,黒ずんで近い将来に硫酸鉄を吹いて,ぼろぼろになってくるのが見えてました.
どーせ腐って廃棄処分になるのなら,一部についている粗い方解石を酸でエッチングしてみようと思い立った.一部だけ浸けて方解石だけ溶かすのは無理なので,青金石の状態が悪くなるのを前提にして,希塩酸でゆっくり処理をし始めました.時折,引き上げて状態を確認して重曹で中和させて,再び別の希塩酸に浸けました.
真ん中の方解石が半分くらいになったところで引き上げました.あまりやりすぎると母岩がぼろぼろになってくるためです.再び重曹で中和させて,よく水洗いし,風乾させました.
こんな感じになりました.はじめに粗い方解石状についていた青金石は右上の方にいびつな結晶として残っています.
真ん中の白色で大きいのが酸でエッチングして残した方解石です.その上に褐色の粒が黄鉄鉱です.よく風乾させてから,顕微鏡下で観察したところ,黄色淡柱状をなす柱石がたくさん入っていました.これを試しに短波紫外線灯を照射したところ,2種類の蛍光を示しました.
肉眼的には青白いところも黄色く蛍光する部分も柱石に見えるのですが,微量成分の違いなのか,異なる蛍光をしました.真ん中の赤いところは酸でエッチングして残った方解石です.マンガンが含まれているのか,赤く蛍光していました.
暗く黒く映っているのは青金石と藍方石(アウイン)です.手間はかかりましたが,柱石の結晶が出てきたので,残そうと思っています.