露頭めぐり
新井崎海岸
京都府与謝郡伊根町新井
前回の続きです.
間人の立岩を辞して,経ヶ岬方面に行きました.終始暑くて外へ出る気も起らず,蒲入漁港の先から海岸線をだらだら走りました.蝙蝠岳の東麓にある新井崎まで来たところ,道の横に集塊岩の露頭があったので寄ってみました.
露頭はこの石碑の横にありました.
露頭.道を作ったときに削ったと思われる.露頭は普通風化してボロボロのことが多いのですが,当地はかなりしっかりしていました.
拡大するとこんな感じで,しっかりとした露頭で,周囲に転石が無いか探したところ1個だけあったのでサンプリングしました.
安山岩.露頭を構成する岩石は主に安山岩の様でした.空隙がよく目立ち,なにかが溶け去ったもののようです.
これの裏面を一面研磨しました.
研磨後の裏面.
粒がある程度揃っていましたので,磨り易かった.磨っているうちに気づいたのですが,内部にほかの岩片を捕獲しているらしく,岩片の境界が熱で変成してできたような鉱物が少量見られました.
以下は,顕微鏡下での観察です.
単斜輝石と橄欖石・斜長石を含んでいました.
橄欖石.一部にノジュールになったところがあって,細かい橄欖石を含んでいました.
単斜輝石?.単斜輝石の外周に反応物のような鉱物ができていました.緑簾石か?
安山岩の表面にある複数の孔は,この菱鉄鉱が抜けた穴のようです.橙色部が菱鉄鉱です.未研磨の面を改めて確認したところ,空隙内に残っているものが少しあり,真っ黒になっていました.菱鉄鉱は風化すると黒くなりやすいので,空隙を充填する鉱物はこの菱鉄鉱のようです.
斜長石.斑晶として含まれる鉱物の中では2㎜大ではあるが,一番大きく目立つ大きさで含まれていました.
このあと,伊根湾の方へ抜けて帰りました.