露頭めぐり
小峠の坪旧坑
兵庫県丹波篠山市
今日は滝探しに行ってきました.古い鉱山跡に滝の横を突いた様なところが多数あって,そういうところを探しに行きました.小峠は丹波大山から山南町阿草に抜けるお地蔵さんのある峠で,明治の中期ごろに新峠を切って切通の峠にしたときに,峠の南北に坑を穿ち試掘されたという話があって,近くに山中鉱山と金山鉱山と小峠の坪旧坑と水坂の旧坑と呼ばれる坑口が知られていました.
峠の頂上なので,滝は無いので峠の北にあるという「小峠の坪旧坑」を確認しに行きました.峠から篠山側に少し戻って,切通の壁が切れたところから山に入りました.古い峠道が若干残っていて,この道は切通の壁のところで途切れていました.杉林の中を下り谷に出ると北側に支流が延びる二股に出ました.北の枝谷の上流にズリのような下草の無い斜面が見えて,そこに向かいました.
近づくと単なる斜面でしたが,隣りの谷に鉄焼けが少し見えたので,谷を少し上ると,マウンド地形になっていて,ここがズリでした.
鋪のある谷.
遠目で見ると,写真左側がズリのように見えました.
谷をそのまま上ると,平坦地があって,ここがズリでした.
ズリの上の杉の木は周囲の山腹にあるものよりもかなり太く,年月を感じさせられました.正面に見える杉の木の裏に坑口がありました.
北側の坑口.天盤が崩れたのか,少し先まで陥没していました.
南側の坑口です.こちらも凹地のようになっていました.
こことは別の支流に,もう一つ坑口があって,こちらも入口は崩れていました.当地は珪岩中の熱水鉱床で,方鉛鉱・磁硫鉄鉱・閃亜鉛鉱・黄銅鉱などの鉱物が古い文献に記載されていました.今回は見られませんでしたが,母岩は強く変質しているらしく,諸所に黄鉄鉱の小さなレンズが見られました.黄鉄鉱のレンズの周囲は肉眼でもわかるような白雲母がまとわりついていて,分解したところは桝石になっていました.
道まで戻って,滝探しに向かいました.