顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真156
産地:Yellow Cat group, Yellow Cat mining district, Grand county, Utah, USA,
(非売品).
Zippeite チッペ石(ジッペアイト)
[組成] K3[(UO2)4|OH|O3|(SO4)2]・3H2O
[結晶] 単斜晶系.自形は板状・長板状.見た目は粒状のものや皮
膜状・ロゼット状などの集合になる.
[色] 淡黄色・鮮黄色・緑黄色・黄橙色・橙色・赤橙色・紫褐色な
ど.
[光沢] 亜ガラス光沢~絹糸光沢.
[モース硬度] 2
[比重] 3.66~3.70
[劈開] {010}1方向に完全.
[条痕] 白色・黄色など.
[蛍光] 短波紫外線および長波紫外線灯下で黄緑色に蛍光.
[放射能] あり.
[名称] オーストリアの鉱物学者
František Xaver Maximilian Zippe(1791-1863)
に因む.
[原産地] Elias mine, Jáchymov, Karlovy Vary district,
Karlavy Vary region, Czech republic.
ウィラ石の次はチッペ石にしました.見た目黄色い粉末のような鉱物で,いかにも放射能が出ていそうな鉱物です.カリウム(K)を主成分とするウラニル基を含む含水硫酸塩鉱物です.この標本は購入品で,手持ちの閃ウラン鉱を放出した後で,なにか替えは無いモノかと思って,探していた時に見つけた標本です.
石は小さいですが,石英や石膏などからなる母岩上に,鮮やかな黄色が目に惹くウランの華が一面に付いていました.ほかに多少のメタヘウェット石や淡い黄色で粉末状のシュレッキンジャー石を伴っていました.
結晶は長板状でロゼット状に集合した結晶の写真Web上でよく見られますが,この標本はおもに六角板状に近い板状をしています.
本邦にもいくつかの産地が知られていますが,顕微鏡的で標本を目にしたことは今までありませんでした.