顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真151
―アルミナ石―
産地:Fort Hill cliff(NewHaven cliffs), Lewes, East Sussex, England, UK.
(非売品)
Aluminite アルミナ石(礬土石)
[組成] Al3+2[(OH)4|SO4]・7H2O
[結晶] 単斜晶系.自形は単斜柱状ないし微細な針状.
多く塊状・ノジュール状・仏頭状・繊維状集合な
などになる.
[色] 無色・白色・灰色・灰白色など.水酸化鉄などの
影響で黄色っぽくなることがある.
[光沢] 絹糸光沢~土状光沢.
[モース硬度] 1―1.5
[比重] 1.7~1.794
[劈開] 無し.
[条痕] 白色.
[原産地] Halle(Saale), Saxony-Anhalt, Germany.
毎日寒くて,積雪で山にも行けませんので,標本の整理を兼ねて,掃除やラベルの書き換えをしています.今回はアルミナ石にしました.Webで検索すると工業製品ばかり引っかかってきて,含水硫酸アルミニウムのこの鉱物はほとんどありませんでした.画像も数枚くらいしかありませんでした.顕微鏡下で眺めていて,思った以上に軽く感じることや,舌が若干吸い付く以外は,なんの特徴もない白い塊でしたが,顕微鏡撮影しました.
顕微鏡下で拡大しては見たものの.観察意欲のそそらない白い塊状でした.一部に繊維状の晶癖がみられました.
標本の産地はUKのフォートヒルと呼ばれる丘に接する海岸(ニューヘイブンビーチ)沿いの白亜の断崖の一部の露頭だそうで,仏頭状の集合やノジュール状の集合で産しているようです.
本邦からは生野層群の凝灰岩から出たような記述がありましたが,リストに掲載があるものの現物は見たことがありません.火山の噴気孔や熱水変質物からいろいろ産出がありそうですが,見てくれが白色の塊状なので,分析してみようと思わないのかもしれません.