顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真146
―カルシライト―
産地:Vispi quarry, San Venanzo, Termi province, Umbria, Italy.(非売品)
Kalsilite カルシライト
[組成] K[AlSiO4]
[結晶] 六方晶系.自形は六角柱状・長柱状・六角板状など.
一見した感じでは針状に見える.
[色] 無色・白色・灰色・淡褐色など.
[光沢] ガラス光沢~油脂光沢..
[モース硬度] 2
[比重] 2.60~2.62
[条痕] 白色.
[名称] 化学組成より.カリウム(K), アルミニウム(al),珪素(si)
より.
[原産地] Kamengo(Chameng crater), Gomba, Central region,
Uganda.
日頃より顕微鏡のおいてある店舗に持ってきて,顕微鏡下で更新用の写真を撮っています.それがある程度の量になってきました.これからちょくちょく更新できると思います.
今回はカルシライトにしました.以前に同じ産地のウィルヘンダーソン沸石を紹介しました.今回は母岩に針状についているカルシライトの別標本を用意し,顕微鏡下で観察しました.用意した別標本は空隙があるものの,沸石などの肉眼的な鉱物はほぼ含まれておらず,わずかに黄色味を帯びた弗素燐灰石を伴った標本です.母岩はヴェナンゾ岩(Venanzite)という高カリウムの火山岩で,白榴石にカルシライト,橄欖石,メリライトを主とするそうだ.
カルシライトは準長石の霞石に似た鉱物で,組成的には霞石のナトリウム(Na)をカリウム(K)に置換した鉱物に相当するようで,結晶も六角柱状や板状になり,やや脂ぎった光沢をしています.
比較的大きな柱状結晶の拡大です.中央の淡黄色は燐灰石のようで,紫外線灯下でオレンジ色に蛍光しました.カルシライトはその周囲についている粒状の部分でした.購入時についていた矢印で指示された部分がココで,周囲にコロッとした六角短柱状のカルシライトが伴っていました.
こちらも長さ2㎜前後の大きさのカルシライトの拡大です.売り手が「沸石は入っていないよ」と言っていたが,写真の右端に少し写っているのはウィルヘンダーソン沸石で,以前の標本よりリッチでした.
こちらは板状のカルシライトです.上の方に映っている灰黄色粒状はメリライトのようでした.