顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真143
―マンダリーノ石―
産地:De Lamar mine, De Lamar mining district, Owehee county, Idaho,USA.
(非売品)
Mandarinoite マンダリーノ石
[組成] Fe3+2Se4+3O9・(6-X)H2O (X=0.0~1.0)
[結晶] 単斜晶系.単斜柱状・薄い長板状.放射状・半球
状・イガグリ状・ブドウ状・皮膜状などになる.
[色] 黄白色・黄灰色・黄色・黄褐色・淡緑色・灰緑色・
暗灰緑色・緑青色・青色など.
[光沢] ガラス光沢~樹脂光沢.
[モース硬度] 2.5
[比重] 2.93~3.04
[劈開] 無し.
[条痕] 淡緑色.
[名称] カナダの鉱物学者,
Josef Anthony Mandarino(1929-2007)に因む.
[原産地] Virgen de Surumi mine, Pakjake canyon,
Chayanta province, Potosi, Bolivia.
セレンの酸化物は本邦では馴染みが少なく,よくわからずに購入した標本の一つです.
標本の産地はアメリカ大陸の西海岸に近い,オレゴン州と西の境界に接している付近にある,De Lamar moutain(標高1900m)の山頂近くに位置し,鉱床は北西斜面にありました.1916年に開発されて,1977年まで露天掘りで稼業されたという.鉱床は熱水鉱床で,金銀鉱を対象に採鉱され,ナウマン鉱や硫セレン銀鉱などのセレン鉱物を産しているそうです.
母岩の白色部はカオリンなどの粘土鉱物の集合で,左上の方の黒色部は黒く錆びた塩化銀鉱でした.
もともと小さなサンプルでしたので,拡大しても結晶が拝めるわけでもありませんでした.原産地のペルーのほうでは,目に映える美しい結晶群が産出されているようです.