Quantcast
Channel: 天然鉱石専門店 ミネラルショップ たんくらのブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

屏風島の輝銅鉱と赤銅鉱とアタカマ石

$
0
0

石のはなし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屏風島の輝銅鉱と赤銅鉱とアタカマ石

 

 十数年前に東京のショーに行ったときに購入した石です.最近になって標本整理を兼ねてデータベースを作るために打ち込んでいっています.その際に出てきた石です.旧ラベルは岩石標本で「角閃石片岩」とあって余白に,アタカマ石と輝銅鉱が入っているようなことがありました.

 産地は千葉県鴨川市貝渚 屏風島で,今の地形図やグーグルマップには島の記載が無く,地質図の説明書に島の位置が記載されていました.これを基に改めてグーグルアースで確認したところ,鴨川漁港の南側の堤防の一部になっていました.ストリートビューでその一部が確認できました.

 前出の図幅説明書に圧砕された時代未詳の結晶片岩類とあって玄武岩質岩と出てくるとか.

 標本は角閃石片岩と石英片岩の境界で,一部に鱗片状の赤鉄鉱を伴った赤褐色の泥質部があり,圧砕されて丸い礫状になった部分もありました.その角閃片岩と石英片岩の境界付近に細い石英脈が併入しているところがありました.

 角閃片岩に含まれる角閃石は,帯青緑色―暗緑色のやや光沢の鈍い角閃石で,その中に黄緑色の緑簾石を含んでいます.

 黄緑色の緑簾石は石英片岩との境界にある石英脈付近に濃集しているようで,旧ラベルにあった「アタカマ石」と紛らわしい色をしていました.アタカマ石の付いている部分は石英片岩側で,黒色の粒の周りにうっすら出来ていました.

 

アタカマ石の付いている部分の拡大.上の方のアタカマ石に近い暗い赤銅色部が赤銅鉱(小さいので光沢の感じが出ませんでした).

 

 輝銅鉱はどこにいるのか,くまなく探しましたが,アタカマ石の付いている中央の黒色部がそれなのかははっきりしませんでした.黒色粒状の鉱物が集合しているところに,高倍率のルーペで確認したところ,赤銅鉱が付いていました.光沢が強いので微量でも判別できました.

 弱酸で表面を少し洗ったところ,この部分に帯青鋼灰色金属光沢の粒を確認しました.いずれにしろ小さいものなのでうまく写りませんでした.

 

 

 

 所有標本のリスト化は,一番多いと思われるマンガン系の鉱物標本からして行っています.一点一点登録して今,620点まで行きました.これが終わり次第,銅鉱物標本,亜鉛鉱物標本,鉛鉱物標本,タングステン,金銀鉱物,硼素鉱物標本と,続けていく予定です.

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1632

Trending Articles