研磨石
いくつかの研磨した石261
滋賀県高島市朽木栃生および村井 源田谷鉱山のハウスマン鉱からなる塊状鉱石を一面研磨しました.現場は栃生の水力発電所の安曇川を挟んだ西側の谷にあった鉱山で,以前は入口に何もなかったが,あとからキャンプ場ができた.15年くらい前に一度訪問していて,その時にサンプリングした石です.
(研磨)いわゆるチョコレート鉱と呼ばれる塊状のハウスマン鉱なので,やわらかいと踏んで一気に磨り上げました.仕上げは青砥で充分光沢が出ました.
(以下,顕微鏡下での観察です)
茶褐色部がハウスマン鉱.白色は菱マンガン鉱.
粒状のハウスマン鉱です.菱マンガン鉱中に黒色の粒が見えていて,拡大すると粒状のハウスマン鉱でした.黒色金属光沢を呈し,半自形をしている部分もありました.似た鉱物にヤコブス鉱がありましたがネオジム磁石に全く反応がありませんでした.ヤコブス鉱は未研磨面の別のところに脈状になって入っていて,こちらはネオジム磁石が強く引き寄せられました.
こちらは脈状の菱マンガン鉱です.赤褐色はチョコレート鉱を構成するハウスマン鉱,黒色部は粒状のハウスマン鉱の集合です.
こちらは,チョコレート鉱を切る脈のうち,緑色の重晶石の脈です.写真では顕著な劈開はうまく写りませんでしたが,肉眼でははっきりとした劈開が観察出来ました.