さきほどの続きです。
海老坂の旧峠からしばらく林道は稜線の北側を通っていたが、標高600m近くになって稜線を跨ぐと南側になり、長谷の源頭を巻きその先で長谷から登ってきている林道との出合になった。
長谷へ下る林道は入り口に立派なゲートがあり、道も荒れていそうなので先に進んだ。尾根を2つほど巻いて、左手に大岩山が見えてくる。ツリオ谷の源頭を巻くあたりの支尾根を林道が切っている場所があり、頁岩の酸化帯のようだった。少し休憩ながら付近に落ちている石をみていた。
林道のカット面。色の変わっているところが頁岩の部分。接触する部分は断層のようで地下水が染みだしていた。そのあたりがよく剥離され林道に転石として頁岩が転がっている。チャートに接した部分に燐酸塩を期待してしばらく観察したが、そういう鉱物は見られなかった。崖の上から下までは目測約20m。
丹波帯の堆積岩には燐酸塩の報告がほとんどない。保津峡の露頭は小規模なものだったが、含水アルミニウム燐酸塩であるVashegyite ヴァシェギー石や最近になってKoninkite コニンク石が産している.やや分解した頁岩中に黄銅鉱や閃亜鉛鉱、石墨、自然銅などの微粒が含まれていた。
ここの頁岩層も感じがよく似ていたが、2㎝くらいの黄鉄鉱の結晶が埋まっていたほかは何もなく、割れ目に黄褐色粉状の鉄明礬石系鉱物が吹いているくらいだった。稀にやや硬い頁岩の割れ目に薄い柱状結晶の石膏があった。
露頭で少し休憩して、大岩山を目指す。ツリオ谷の源頭を巻いて尾根をまた跨ぐ。正面奥にこの付近の最高峰である「長老ヶ岳」が見えてきた。
林道から北方にそびえる「長老ヶ岳」(標高916.9m)。山の南側は由良川で急激に切れ落ちているため麓から姿を拝めることは少ない山の一つ。
主稜線から北へ派生する尾根を乗り越すと鉄塔巡視道の入り口だった。山頂の西の肩にある鉄塔が見えている。登りは急だが距離は無いとみてややゆっくり取りついた。
登りだしてすぐ痩せ尾根になり、白色のチャートの大岩の影を巻いたりしながら高度を増すと、尾根のてっぺんが山頂だった。
大岩山(標高758.3m)。展望は写真の通りほとんど無い。痩せ尾根の山頂で広さもない。
山頂は暗くて狭いので、西の肩にある鉄塔まで行った。ここで少し休憩していたが、ハエや小虫が五月蠅く休憩どころではなかった。
山頂の西の肩にある鉄塔。正面の大岩に登れば展望も・・と行きたいが足場が悪くお勧めできない。
鉄塔から一気に下り、岩尾根になっていてシャクナゲが見られるという西峰に向かった。鞍部に下りところどころに露出する岩を巻きながらいくと、正面に巻けそうにない大岩にぶち当たった。
北側はスラブ状になっていてすぐ下は崖、南側も雑木が茂っているがすぐ下が崖のようで、行くべきか戻るべきか試案したが、結局北側から巻いてみることにした。雑木の根っこにあしを引っかけて滑らないように登る。岩の上のほうに消えかけたペンキの色が見えて踏み跡が上部に続いていた。大岩の上を行くと視界が開けてこれからたどる岩尾根が見えていた。足場は悪いが掴まる木々がたくさんあったので、一番西の大岩まで何とか辿れた。
大岩山三角点から続く岩尾根。西峰付近から三角点峰方面を望む。
足元の悪い岩峰を過ぎると普通の雑木の中の尾根になり安堵した。尾根は西向きから南向きにかわり、木々の間から並走する林道が眼下に見えてきた。
もうすぐ林道だ・・・ってところに大岩があり滑りやすい斜面に固定ロープが設けてあった。
林道下りる手前に固定ロープの設けてある岩場があった。これを伝って下りると林道だった。
林道に降り立ち、肘谷坂の下山口を探した。
神楽坂から肘谷坂へ4 に続く。
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5月25日(日)は筆者はいませんが、店は予定通りあけています。
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