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鉱物の顕微鏡写真128 ―亜鉛ヘルヴァイトー

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顕微鏡写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真128

―亜鉛ヘルバイトー

 

産地:Poudrette quarry, Mout Saint-Hilaire, La Vallée-du-Richelieu RCM,

       Montérégie, Québec, Canada. (非売品).

 

 

 

Genthelvite  亜鉛ヘルヴァイト(亜鉛ヘルヴィン)

[組成]        Zn2+4[S|(BeSiO4)3]

[結晶]    立方晶系.自形は正四面体.これらが重なった集合.

[色]      無色・白色・灰色・淡紅色・淡緑色・淡黄色・淡褐色・灰黄色・赤色

        ・桃色・淡青色・青色・桃色・赤桃色など.風化すると褐色味を帯

        びて茶褐色や暗褐色・暗赤色などになるそうだ.

[光沢]    ガラス光沢~樹脂光沢.

[モース硬度] 6~6.5

[比重]     3.44~3.70

[劈開]     {111}に明瞭.

[条痕]    白色.

[蛍光]    青色ないし青白く蛍光するものと,緑色に蛍光するものがある.

[名前]    アメリカの鉱物学者のFredrick Augustus Genth(1823-1893)に因

        み,Helviteと合成した名称.

[原産地]   West Cheyenne Canon mining district, El Paso county, Colorado,

                USA.

ほか,塩酸で分解し硫化水素を放出する.

        

 

 

 ひさびさの顕微鏡写真です.

 

 亜鉛(Zn)とベリリウム(Be)と硫黄(S)を主成分とする,テクト珪酸塩鉱物で,類似のマンガン卓越のヘルヴァイト,鉄卓越のデーナ石があります.本来は無色のはずですが,微量元素の影響によっていろいろな色彩を呈しています.

 上の石は霞石閃長岩質ペグマタイトで有名な現場の標本で,帯桃褐色皮膜状の菱マンガン鉱を伴う,四面体をしています.母岩に緑黒色のエジリン輝石や白色粉状のドーソン石,淡褐色板状のカタプレイ石などを伴っていました.

 

 以下は,ほかの産地の標本です.

 

 

 

産地:El Criollo mine, 8.1km NE of El Mogote mountain, 

       Cello Blanco pegmatite district, Punilla department, Tanti,  Cordoba,

       Argentina.(非売品)

 

 

 20年くらい前に購入した標本です.赤褐色―褐色金属光沢の赤鉄鉱中に,埋もれて鮮やかな青色が印象的な標本で,海外産でしたが衝動買いしました.現場は花崗岩質ペグマタイト中に種々の燐酸塩鉱物を産するそうで,亜鉛ヘルヴァイトは,花崗岩質ペグマタイトを切る赤鉄鉱脈に含まれているそうです.色の起源はコバルト(Co)によるものらしいですが,はっきりしません.元ラベルにも含コバルトの名前が表記されていましたので,抗わずそのままにしています.コバルトの起源を探して,母岩にそういう鉱物,輝コバルト鉱などのコバルト鉱物を探しましたが,入っていませんでした.

 

 

以下,国産品です.

産地:京都府亀岡市畑野町千ケ畑西山.(非売品).

 

 一応,本邦でも確認されていて,以前にも少し触れました.上の標本は購入品です.現場は白亜紀後期に貫入した茨木複合花崗岩体の北部岩体にあたる剣尾山花崗岩中の晶洞型ペグマタイトより産しました.分析用に取ったという破片ですが,淡いデーナ石のようにも見えました.

 

こちらはデーナ石にしていますが,どこかに亜鉛の多い部分がありそうなので,掲載しました.以前に紹介した画像の一つです.(非売品).上の小さな標本が出た採石場跡から西に少しずれたところから産しました.当初は錫石と思っていましたが,のちにマンガンコルンブ石になり,ようやくデーナ石にたどり着きました.

 

 

 


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