研磨石
いくつかの研磨した石257
愛媛県四国中央市土居町関川のニッケル珪質岩を一面研磨しました.5~6年前に有志で集まって四国巡検をしたときにサンプリングした石です.主に緑色の部分と褐色―淡褐色の苦灰石からなっていて,うまく苦灰石を処理すれば鮮やかな緑色の部分が出てくると思い研磨しました.
(研磨)石英質の部分と炭酸塩との集合なので,チャートよりは削りやすいと思って磨り始めました.炭酸塩の部分は比較的軟らかく,緑色の石英質に近くなるにつれて磨り辛くなりました.あまり磨ると石が薄く脆くなってくるので,上の写真の状態で粗削りを止めました.仕上げは1000番手の砥石で軽く磨った後に青砥で研磨したところ光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での撮影です)
緑色~青色部がニッケルを含むだろうと思われる石英質の部分です.黄色から黄褐色の部分は苦灰石です.
黄鉄鉱.本当にどこにでもできる鉱物です.輪郭がはっきりと出やすいので判別は楽です.暗黒色―黒色の粒が黄鉄鉱と同じく鉄の鉱物かもしれませんので,ネオジム磁石で反応を見たところ,全く引き寄せられませんでした.
スクテルド鉱?かな.ニッケルの鉱物だとは思いますが,小さい粒なのでなんとも言えません.光の反射具合で劈開はあるようですが,一部に八面体の晶癖が出ている粒もあって,未研磨面を観察したところゲルスドルフ鉱に似た粒も観察できました.
上の方に針状の針ニッケル鉱を確認しました.肉眼では針ニッケル鉱に判定できましたが,カメラを通すとやはりうまく写ってくれませんでした.塊状の部分は10枚目と同じニッケルの鉱物と思いますが,10枚目の粒よりはるかに小さいので,同定できませんでした.