研磨石
いくつかの研磨した石255
京都府綾部市於与岐町 於成旧坑の磁硫鉄鉱からなる石を一面研磨しました.上の石は前回に弥仙山からの帰り道で再発見し,サンプリングしたものの一つです.運動不足解消のためのハイキングなので,斫りハンマー等の道具は全く用意しておらず,2~3この転石を拾っていたにすぎません.もっとしっかり探したらいろいろな鉱物が見つかったのかもしれません.
斑糲岩中の鉱脈鉱床のようで,脈石は石英・緑泥石のほかに緑簾石と白色毛状の角閃石類を確認しました.研磨面は水酸化鉄の酸化被膜が一面についた未研磨面の裏側を使用しました.
(研磨) 母岩が変質し緑色岩様の岩石になっているように見えたので,ひとまず一気に磨りました.磁硫鉄鉱や黄銅鉱の多い部分は黄色に染まってはいますが緻密な石英で,石英が荒くなったところは粒間に緑泥石様鉱物が挟まっていて灰緑色を呈していました.硫化物が多いので石英が入っている割には早く磨りあがりました.仕上げの行程は青砥で軽く磨ったあとで,黄白色の砥石で光沢が出るまで磨りました.
(以下,顕微鏡写真です)
金属鉱物のほとんどが磁硫鉄鉱でした.磁硫鉄鉱の中では磁力の強いほうで,磁鉄鉱並に磁石がくっつきました.
Chalcopyrite 黄銅鉱.この集合中の金属鉱物の中で,磁硫鉄鉱の次に多い硫化鉱物でした.当地で黄鉄鉱も出ていますが,多少産状が異なっていて,黄鉄鉱は金属のにおいのしない斑糲岩に単独で入っていて,表面が水酸化鉄で汚れたような石に入っていました.
Sphalerite 閃亜鉛鉱. 粒が小さいため劈開ははっきり見えません.この集合では一番少ない金属鉱物でした.
Pyrrhotite 磁硫鉄鉱.この集合中ではメインの硫化鉱物です.あまりピンク色を帯びておらず,劈開が観察出来て磁力の強い方の磁硫鉄鉱です.
石英の粒の大きいところの拡大です.黄色の緑簾石を伴っているほか,灰緑色の緑泥石類を伴っていました.