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今年初の滝巡り ―龍王の滝―

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 今年はじめての滝巡りに行ってきました.

 以前に夢幻峡方面に来た時に災害で通行止めになっていて,断念した覚えがあります.今回はそこに行ってみました.南山城村大河原から府道をたどり,2つ半分以上コンクリの滝をパスして,高尾の道沿いの滝に寄って,奈良県側まできました.

 県道を東進していると橋のところに道標があって,徒歩2分とのことで寄ってみました.

 

 

 

 

 現地案内板.

 

 

 ここから山道.

 

 

 

 

 ここまでくると滝の轟音が聞こえてきた.

 

 

 どこから轟音がしているのか近づいたら,正体はこの小滝でした.尾根を回り込むように階段を昇ると奥に目的の滝が見えてきました.

 

 

 

 

 

 

 龍王の滝.かなり小ぶりな感じで,いい雰囲気の滝でした. 滝の手前の左岸側が昨年の夏の大水で崩れたのか,尾根の上から滑り落ちていました.河床へと目をやると領家帯の花崗岩類からできているようでした.

 

 

 花崗岩を切るアプライト岩脈.脈の幅約8cm.

 

 

 こちらも河床の花崗岩類を切るアプライト岩脈.

 

 帰り際に辿ってきた道をブラブラ歩きながら,ほかに岩石が落ちていないか,見ながら行きましたが花崗岩ばかりでした.

 

 

 

 ルートマップです. いつも通りペイントを使用しフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 


いくつかの研磨した石116

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 いくつかの研磨した石116

 

 兵庫県篠山市遠方奥山 サカラ谷旧坑のハウスマン鉱を一面研磨してみました.当地は草山温泉の東,三郡峠の南にある層状マンガン鉱床です.丹波篠山近辺の山行記録中に,「何を掘ったのか分からないが,尾根筋に幾つも穴が開いている」というような記述があり,数年前に多紀連山に行った帰りに寄ったときにサンプリングしました.草山温泉の周辺には草山鉱山・遠方鉱山・三申鉱山・高田鉱山の4か所が日本のマンガン鉱床補遺後篇に記述があり,そのうち草山鉱山は他の文献で存在が知られるようになりました.遠方鉱山は二酸化マンガンのみで,サカラ谷旧坑は炭マンも出ているため,ほかの三申鉱山および高田鉱山のどちらかになると思われますが,今のところどちらに当たるか判りませんので,鉱山のある谷の名前を冠して「~旧坑」としました.鉱山は東にある尾根に貯鉱らしき鉱石溜まりがあり,滑車などの残骸がありました.尾根を境界にして東は京都府,西は兵庫県で,鉱石は京都府側から搬出されたようです.大切坑と思われる大きな坑道のある谷は兵庫県側の「サカラ谷」にあり,その谷の左岸も坑道があるか調べに行きましたが,発見できませんでした.研磨する石は初めて訪問した時にサンプリングしたハウスマン鉱からなるマンガン鉱石です.兵庫丹波地域のマンガン鉱床からハウスマン鉱を産する場所はあまり記憶に無く,当地だけかもしれません.ハウスマン鉱を含む石は上の1サンプルしか残していなかったので,裏面の二酸化マンガンに覆われた面を一面研磨してみました.

 

(研磨)ハンマーによる打撃で割れた面を観察するとハウスマン鉱にばら輝石(orパイロクスマンガン石)とテフロ橄欖石がまばらに入っていました.硬いのか軟らかいのか判断できず,とりあえず磨ってみることにしました.表面の二酸化マンガンは随分と風化が進んでいるらしく,磨り始めてからはしばらく,黒色の粉末がでました.ハウスマン鉱から変わった二酸化マンガンの鉱物は横須賀石が多いそうで,この粉末にも含まれているかもしれません.しばらく磨っていると,内部よりばら輝石(orパイロクスマンガン石)が顔を出しました.ばら輝石(orパイロクスマンガン石)の周りに石榴石のようなオレンジ色が入っていることに気づきました.ハウスマン鉱と共存しているように見えましたが,途中でルーペで確認するとハウスマン鉱と石榴石との境界にテフロ橄欖石が介在していました.ある程度まで磨って平滑になったのを確認してから,青砥で仕上げをしました.基本的に金属マンガンの鉱物が多いので比較的早く光沢が出てくれました.

 

(以下 拡大写真)

思ったよりカラフルな石になった.赤―桃色はばら輝石orパイロクスマンガン石で,黒色は二酸化マンガンの染み,灰緑色はテフロ橄欖石,オレンジ色が石榴石です.

 

 レンズ状に挟まれているハウスマン鉱の部分です.「こういうハウスマン鉱にはリューコフェニス石が入っているかも」と指摘してくれた知人がいましたが,分析機器に頼るほかなく,この石は分析していないのでリューコフェニス石の存在は判りません.灰緑色部はテフロ橄欖石.桃色はばら輝石orパイロクスマンガン石.

 

ハウスマン鉱と二酸化マンガンの境界付近の拡大写真です.上の黒い部分が赤褐色のハウスマン鉱の方まで入り込んでいるのが確認でしますので,ハウスマン鉱から変質したものと思われます.

 

テフロ橄欖石とハウスマン鉱との境界付近.

 

 テフロ橄欖石の塊状の部分の拡大写真です.あずき色部はアレガニー石.黒色は二酸化マンガン.

 

 

 

 当地からは,石墨(あるいは非晶質炭素物質)・黄鉄鉱・石英・二酸化マンガンの鉱物・水マンガン鉱(おそらくパイロリュース鉱に変質)・ハウスマン鉱・菱マンガン鉱・テフロ橄欖石・満礬石榴石?・アレガニー石・ばら輝石orパイロクスマンガン石・ネオトス石などを確認しました.

 

 

 

多田鉱山の褐錫鉱

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多田鉱山の褐錫鉱

 

古い標本で久々に角箱を開けてみると真っ黒に汚れていた.見るに堪えないので掃除して見られるようにした.裏面に切断面が残っていて磨ってみました.付いていたラベルは1966年2月5日付で鉱物名も「Hexastannite」になっていた.(Hexastanniteは現在はStannoiditeになっています) 掃除を兼ねて写真に撮ってみました.(非売品)

 

 

 

 

 

年代を感じさせる古いラベルです.

肘葛鉱山の吉村石

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肘葛鉱山の吉村石

 

 数年前の大阪ショーで「ばら輝石」のラベルがついた石をサンプル購入しました.表面が二酸化マンガンで薄く覆われていて,あまりにも汚らしいので,希塩酸と過酸化水素を使用して表面が白色化しない程度まで処理しました.当地はOrthoericcsonite 直方エリクソン石という稀産鉱物を産していて,販売会に売り出されていては当地の石を購入していました.酸で処理した石は上手く二酸化マンガンが取れてくれましたが,ばら輝石の表面に板状の光沢の強い褐色の鉱物がついて居ました.筆者は直方エリクソン石を未だ見たことがありませんので,これかもしれないかな~ っと早合点していました.標本は結構粗粒のばら輝石で色も濃くもう少しサイズがあったら見栄えがするのだが,60㎜×40㎜×20㎜の黒箱より少し小さめでした.

   肘葛鉱山は岩手県の北部にある層状マンガン鉱床の一つです.のちに稼業中に当地に訪問された知人に伺うと「川沿いに選鉱所と貯鉱があり,貯鉱より探させてもらった」こと.「貯鉱にはばら輝石を主とする鉱石しか無かった」ことなどを耳にした.

 筆者のサンプル集のうちマンガン鉱床に関する鉱物標本群は,今のところ一つの標本も散財していない.このサンプル集から似た石をいくつか拾っていると,3件ヒットした.一つは田野畑鉱山の吉村石,もう二つは田口鉱山の吉村石とヘイトマン石.

 吉村石の存在を忘れていたため,4つの標本を見比べていると,どうも肘葛鉱山のばら輝石の表面についている褐色板状は吉村石のようだ.あとは化学分析に頼るしかないので「」(括弧)つけて吉村石とした.ついでにネタになるかわかりませんでしたが,一応写真に撮ってみましたので,下に挙げておきます.(非売品)

 

 やや暗い黄褐色の劈開が見られる部分が「吉村石」.赤い部分はばら輝石.

 

田口鉱山のパイロクスマンガン石

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田口鉱山のパイロクスマンガン石

 

 数年前にAOさんの売り立て会で購入したパイロクスマンガン石の結晶群です.ンン・・・万円しましたが長いことマンガンをやっていると一つは入手しておきたい標本でしたので,高価なのを承知で購入しました.(非売品) 当地のパイロクスマンガン石は堅固な粗粒ばら輝石―パイロクスマンガン石の集合の割れ目を充たすネオトス石の中に入った結晶群で,比較的大きな結晶をすることで有名になっています.購入してからしばらくして,結晶の隙間に埃が溜ってきました.掃除していたらポロッと結晶が取れたら嫌なので,触れませんでした.

 最近になって所有標本の掃除で慣れてきたため,ようやく掃除に取り掛かりました.ネオトス石に少量の二酸化マンガンがついているのかわかりませんでしたが,過酸化水素で気泡がたくさん出てきて,発泡でほとんどの埃は取れてくれました.放っておいたら全体が白色化してしまうので,埃が取れたのを確認して洗浄しました.その後に顕微鏡を遣ってミクロの埃をピンセットで弾いていきました.その際に写真に撮ってみましたので下に挙げておきます.

(非売品)サイズ75㎜×60㎜×20㎜の紙製黒箱にぴったり入る大きさ.

 

 

 

 

 

 

 再び埃がつかないように新しくケースを購入しました.

長垂山の燐灰ウラン鉱

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長垂山の燐灰ウラン鉱(非売品)

 

 この標本は学生のころ(たぶん2003年頃だったと思う)にサンプリングした石です.学生のころはどういうわけかペグマタイトや稀元素鉱物などを主としてやっていました.このころよく通っていたのは,川崎町小峠や浮岳・筑紫権現山・九千部山・背振村の腹巻・柿の原峠・鳥追峠などでした.当地にもよく休講などで発生した空き時間に西鉄と地下鉄-筑肥線を乗り継いで通っていました.2004年ごろから関心が薄れてきてまた金属のほうに戻ってしまいました.

 下の標本はリチウムの出ている場所より西側の大きな凹地の隅に,ガレ場のように当時はなっていたところで,ザクロ石―白雲母―曹長石―石英からなる母岩中に亜鉛スピネルが含まれていた岩がたくさんあったように記憶しています.一部に深い藍色の藍電気石もでていました.しばらく前にもこの現場で亜鉛スピネルの8㎜の結晶を得たばかりで,ほかに目を移そうと思って落ちている石を見ていくとこの石が目に入りました.はじめは「なーんか割れ目に黄色いのがついているな~」って感じで,燐灰ウラン鉱と気づいてのは帰ってからでした.

 当時はサンプリングした石は一通り掃除した後に,短波紫外線灯で蛍光鉱物がついて居ないかチェックするのがたのしみでした.参考程度に短波紫外線灯を当てると,割った面が一面に黄白色に蛍光しました.ソ連製のガイガーカウンターで放射能の有無を測定すると結構な量がでていました.母岩は割ったなりの石で不細工でしたが,燐灰ウラン鉱が一面についているため成形できずに,現在もそのままになっています.

 九州から帰省してしばらく経ってから会館の3Fで「北部九州の鉱物」(たぶんこういう名前だったとおもう)で個人展示をした時に,「これが一番前やろう!」と言って,配置を変えさせた人がいてすぐに変えました.光線の関係上,奥のほうが見えやすいと感じたので,奥にいれていたのですが,それがいいならと配置を変えたのを覚えています.当時はあまり付き合いの無い方でしたが,徐々に増えていき親しくできるきっかけをこの石に貰いました.

 この一つ前の投稿のパイロクスマンガン石と同時に掃除しました.表面には肉眼ではわかりませんでしたが多くのゴミが入っていたようで,過酸化水素での掃除の時間は長くなってしまいました.燐灰ウラン鉱は薄くついているため,束子などで擦ることもできず,過酸化水素か,重曹の発泡でゴミを採るしかありませんでした.その後にパイロクスマンガン石とともに写真に撮りましたので下に挙げておきます.

 

 

 

 

 

 

 

 赤いところは鉄礬石榴石.暗灰色で劈開面の発達する部分は白雲母.灰白色でガラス光沢は石英.白色部はやや風化した長石.燐灰ウラン鉱はやや薄い黄色―濃い黄色の部分です.今回は2つ掃除したのですが,一緒に書くと画像が重たく,入りきらなくなるため2つに分けました.

いくつかの研磨した石117

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いくつかの研磨した石117

 埼玉県秩父郡東秩父村朝日根のオムファス輝石を一面研磨してみました.当標本は10年以上前に関東のコレクターと標本交換の際についてきた石です.「変なものが入っているかもしれないが,気にしないで・・・」と言われました,その変なものがこれだそうです.一応どういうものか伺うと,「切っては見たものの,気に食わない」らしく「いらんかったら捨てて」とのことでした.それから10年以上経って標本を整理していたら出てきました.ヒスイ輝石に関連する鉱物はすべて硬いという先入観があって,ヒスイ輝石が入っているか入っていないかは別として,磨ってみるのを躊躇って,ラベルを付けたまま机の上に置きっぱなしになっていました.

 一面研磨に慣れてきたここ3ヶ月でボチボチ磨っていたらモノになってきたので,仕上げを一気にしました.因みに当方は現場に行ったことがありません.

磨っていない面です.

 

(研磨)硬いことを前提にボチボチすり始めました.切断機の跡を取るのに時間がかかってしまい,なかなか仕上げにまで至りませんでした.仕上げは青砥でしましたが,砥石が負けてきたので途中で硬い粘板岩に替えて磨りました.

 

(以下,顕微鏡写真です)

1枚目の写真の中央の部分の拡大です.角閃石類のようですが随分と変質しているようです.

 

白色脈の近くの拡大写真です.黄色っぽく見えるのは緑簾石です.

 

角閃石類―緑簾石の部分を切る,曹長石の脈の拡大です.

 

白色脈の拡大です.

 

鮮やかな緑色部がオムファス輝石だそうで,白色部が曹長石,濃緑色部が角閃石類.

 

 

 

 

 

 

 

その2

 

 和歌山県田辺市本宮町大津荷 松畑鉱床のホタル石を一面研磨してみました.5年ほど前に提供された標本です.ホタル石自体はあまり好きな鉱物では無いために,置きっぱなしになっていました.共存鉱物に乏しいのが理由でした.ホタル石を主要に採掘していた鉱山では共存鉱物はあっても2種か3種類ほど,当方もいくつかのホタル石山に訪問しましたが,あっても黄鉄鉱か玉髄くらいでした.金属鉱山にも脈石として産するところは山ほどありましたが,ホタル石の出るところは石自体が単調で,シッチャカメッチャカになったようなややこしそうな石にはあまり入ってこない印象でした.また恐ろしく研磨しづらい石でホタル石の硬度が低いため母岩だけ残ってホタル石だけが摩耗して凹地になってしまうことで敬遠していました.今回の石は全体がホタル石で部分的に泥質岩が残っているサンプルでしたので一面研磨してみました.

 

(研磨)ダメ元で一気にすりあげました.ホタル石の脈の部分がやはり早く削れてしまうため,先に泥質岩の方を削りました.平坦にするのがやっとで,そのあと仕上げしました.青砥との相性が悪く,研磨チャートで磨ると傷だらけになり,再度磨り直しになりました.柔らかいことだけが救いで,再び平坦にしたあとやや硬い布地で擦りまくるとなんとかみられる石になりました.

 

 

(以下,顕微鏡写真です)

上部の脈状になった部分の拡大写真です.内部に包有物が入っていましたが,小さすぎて判別できませんでした.

 

こちらは母岩の部分です.母岩は熊野層群の泥質岩で,内部に硫化鉱物の細かい結晶が入っていました.当初は輝安鉱かベルチェ鉱を期待しましたが,光沢が鈍いのと磨ってしばらく置くと,曇ったようになってくるのでこの線は消しました.つぎに似た鉱物を考えると硫砒鉄鉱が浮かんできました.これに似た石は舟原鉱山のアンチモニー鉱床で見たことがありましたが,やはり色と光沢が黄色っぽく,この線も消しました.

 

10枚目の写真の少し下にある硫化物の集合の拡大写真です.写真中央部に六角板状の結晶面(とおもう)が反射しています.針状に見えたぶんもほかの方向から強い光を当てて拡大すると六角板状でした.ここで北海道の豊羽鉱山から出た毛鉱に伴う磁硫鉄鉱結晶を思い出しました.もしかして...磁力テストをしたら結構強く磁石が引き寄せられました.磁硫鉄鉱だったようです.

 

 

 

 

 

 

 

新春交流会にて

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 今回はどういうわけか出しませんでした.久々に買い手のほうに回りました.いつもは車で行くのですが,今回は電車利用で行きました.朝からずっと雨で岡崎についたころもシトシト降っていました.生憎の天気なので観光客も少なく広い歩道をゆったり歩くことができました.

 10時に開いて鉱石探しを始めました.新鉱物や新産鉱物には全く目がいかず目当ての鉱石だけを買い求めました.結局,購入したのは海外産のキレイなばら輝石(ほぼ衝動買い)・竜円鉱山の閃ウラン鉱・Y鉱山の銀鉱(かなりの高品位)・岡山の鉄マンガン重石・広島の輝安鉱・滋賀の水マンガン鉱・荒川の銀鉱・瑠璃渓の煙水晶などでした.

 

 瑠璃渓の煙水晶.(ずいぶん拡大しています)

瑠璃渓の煙水晶.(こちらもかなり拡大しています)

 売り手の方に伺うと通天湖の奥だそうで,盲点だった.当方は探していないところでした.石は小さいですが水晶の照りが良く,長石とのコントラストがいいのでいい買い物だったと思う.二枚目の写真の中央の大きな煙水晶と長石の根元の間に白い粉末状の鉱物が少しついて居ました.ルーペで確認するとそのほかの部分にも同様の産状で入っていました.一部に空隙のようになっているところがあったので顕微鏡で確認すると,カムポーグ石のような質感のモコモコした鉱物でした.長石の上の赤いのは鉄鉱物による被膜でした.

 

Y鉱山の銀鉱です.年月が経っているせいか全体が黒っぽく,素人目には判り難い石でした.持ってみると確かに重く何かしら重鉱物が入っている感じがしました.上の標本の現場へは訪問したことがありますが,山元はおろかズリにも石は無く,おまけに選鉱は近くの円山川でやっていたというから,鉱石は望み薄で買うしかない石でした.上の標本は大きさがあったので上の煙水晶とともに購入しました.会場は昼頃に撤退しました.一度店に帰ってから,上の銀鉱石が汚く思って洗ってみました.

「うわっ!!」 って思わず口に出ました.上の写真の表面にうっすら付いて居る銀白色被膜状は全て自然銀でした.(以下に拡大写真)

 

 

 

 ちょっと黄色味がかかっていますが白っぽい被膜状の部分が自然銀です.このほかの母岩の表面もくまなくルーペで確認すると黒変した輝銀鉱の表面に自然銀が,珪化した凝灰岩質岩には結晶の形がはっきりしている黄鉄鉱がついていました.母岩は以前O社で購入したものよりも若干,蝋石化しているような感じがしました.ほかに濃紅銀鉱もいるはずなのですが,いまのところ確認していません.上の写真の裏面は全体が洗っても黒くて高品位のように思えました,薄い脈状で銀白色の筋があり,確認すると輝安鉱でした.こうなると金も居そうなので,黒っぽい母岩の表面をくまなく探すと,糸状の自然金が微細ながらも確認できました.当地の自然金は初めてみました.

 ほかに購入した鉄マンガン重石に黄銅鉱と輝水鉛鉱・輝蒼鉛鉱が,輝安鉱にはヴァレンティン石(これは元ラベルに記載されていた)・少量の黄鉄鉱と硫砒鉄鉱がそれぞれついて居ました.後者は硫砒鉄鉱が微細ながら確認できたため,露頭部には金が来ているかもしれない.望み薄ではあるが...

 

 

 

 

 

 


厳木鉱山のクロム鉄鉱

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 厳木鉱山のクロム鉄鉱

 

表面.

 

 2003年の12月頃にサンプリングした石です.今月のはじめに厳木鉱山の針ニッケル鉱は書きましたので,今回は同名の鉱山のクロム鉄鉱です.マンガンを稼業した鉱山は多久市との境界付近にありましたが,クロム鉱山のほうは厳木駅の北側にありました.前述のマンガン鉱床に初めて行ったときに駅近くで聴き込みをした.

 (ここから当時の野帳を参考にして書きます)近くに同名でクロムを操業した鉱山があったことを伺いました.そのときは予定になかったので行きませんでしたが,後日に訪問した時に行ってみました.北側の在所で聴き込みを再度すると,「北に見えるアンテナの近くにあって,集落の東端から伸びている林道から近くまで行ける,藪になっていて分かりづらい」と伺いました.伺った通りに行くと林道があり,鶴川という川をさかのぼって西の尾根の方まで続いていました.途中に先ほど仰っていたアンテナがあり,だらだらとした坂道を上っていくと峠になりました.峠の南に径の入り口があり,これを辿ったところに坑道が陥没したような跡があって,その少し谷側にクロム鉱が見られました.

 上の標本はその時にサンプリングした石です.どれくらいの量が現場に残っていたのかは,野帳に書いて居ません.思い出してみると真っ黒に近い蛇紋岩がたくさんあったような覚えがします.どういうわけか当地のサンプリングした標本はこの1つしか残していませんでした.

 黒いところがクロム鉄鉱で,白っぽく見える部分が蛇紋石系の鉱物.紫色は菫泥石.菫泥石はクロムを含み紫色を呈する緑泥石のことです.緑色の部分は元に付けていたラベルには角閃石類と書いて居ましたが,今回改めて確認すると透輝石でした.ほか細かい雲母をクロム鉄鉱の粒の周りに伴っている部分がありました.

緑色部が透輝石.

 

いくつかの研磨した石118

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いくつかの研磨した石118

 鹿児島県いちき串木野市荒川草良谷 荒川鉱山の銀鉱を一面研磨してみました.6年から7年ほど前に大阪ショーで購入した,サンプル程度の大きさの石です(写真の3分の1くらいの大きさです).標本の整理をしていたところポロッと出てきました.標本にするには小さすぎるので,一面研磨にまわしました.有名な串木野鉱山の北西にあった鉱山です.文献には銀黒状の鉱石は出ていないような記述があった.写真の石はどう見ても銀黒状の鉱石にみえる.それを確認するためにもう一面を研磨してみました.

 

(研磨)方解石が随分と混じっているようで荒砥で一気にすりあげました.仕上げは中途半端に風化した粘板岩ホルンフェルスでしました.

 

(以下顕微鏡写真です)

縞状に集合した部分.

にわかに青色味のある黒い筋に銀鉱物が集まっているように見える.

 

黒筋のちょっと外側に粒状に見える銀鉱物があった.それをもう少し拡大した⇩

 

カメラのズームでここまで拡大しましたが,ちょっとぼやけています.輝銀鉱のように見える.

 

こちらは肉眼的に輝銀鉱と判定しました.中央の塊状の左下の自形結晶は何かの銀鉱物と思われるが小さすぎて判別できず.

 

かなり小さいですが黄鉄鉱です.左の灰色は顕微鏡下では劈開がはっきりしていて方鉛鉱のように見えましたが,写真ではその劈開がはっきりと映りませんでした.

 

母岩の空隙に生えている輝銀鉱の結晶です.

 

参考文献

(社)資源・素材学会(1989):日本金山誌 第一編 九州,144総頁.

 

 

いくつかの研磨した石119

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いくつかの研磨した石119

 宮崎県西臼杵郡高千穂町上岩戸 中野内鉱山の鉄電気石を一面研磨してみました.当地へは学生の頃,三田井までバスで行き,日に数本という便が少ない中,黒葛原鉱山に行ったときに寄ったのですが,日没寸前で敗退しました.上の標本は随分後になってから売り立て会で購入しました.表面一面に汚い緑鉛鉱と水酸化鉄鉱物が付いていて,見栄えがしなかったので,一面研磨にかけました.内部は鉄電気石と石英で他の鉱物が入っていないと思っていましたが,磨っていると石英の空隙に見慣れない二次鉱物の結晶が出てきましたので,中途半端なのを承知で,急遽研磨を止めました.

 

(研磨)前述のとおり,研磨中に石英の空隙より見慣れない二次鉱物の結晶が出てきましたので,中途半端で終わっています.鏡面に近づけるため研磨面だけ砥石がけをしました.

 

(以下,拡大写真です)

黒色部が鉄電気石です.

 

2枚目の写真の拡大写真です.白色部は石英.

 

別の部分の拡大写真です.褐色部は水酸化鉄の鉱物.

 

こちらは砥石の当たっていない未研磨の部分の拡大写真です.黒色部が鉄電気石,黄白色部が緑鉛鉱.褐色部は水酸化鉄の鉱物です.

 

こちらが件の二次鉱物です.孔雀石や水亜鉛銅鉱を予想しました.顕微鏡で拡大すると帯緑青色の板状結晶をしているようです.

 

さらに拡大したものです.周りの針状は水亜鉛銅鉱の様ですが,中央の板状になった結晶が判別できませんでした.この写真の原寸はかなり小さいものです.

 

 

 

舞鶴帯の鉄斧石

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舞鶴帯の鉄斧石

 府内からは斧石のような鉱物は出ないと思っていましたが,出ているようです.上の標本は某標本店で購入した標本です.リストには記載がありましたが,現物は初めて見ましたので,購入となりました.(非売品) 標本は由良川の河口に近い採石場からの産出で,すぐ北側に宮津花崗岩が貫入しています.硼素は花崗岩側からの供給のようです.同じ硼素を含む鉱物の電気石は領家帯のホルンフェルスや,鐘打鉱山のホルンフェルスから比較的多くみられ,丹後でも大浦半島の砕石場などでも見ていました.標本は舞鶴帯の緑色岩が変質したもののようで,灰緑色無光沢の母岩を切る緑簾石に伴っています.黄緑色部が緑簾石です.鉄斧石は紫色の部分です.撮影するときにいつもと異なる光源で撮影したため,肉眼で見たときとの差異があります.

 

こちらは裏面です.白色の光って見える部分は方解石の劈開に反射したものです.

 

拡大写真です.

 

 

 

 この標本を見ているとほかにも出そうなので,採石場には入れないと思っていろいろ付近を探索してみましたが,今のところ見つけられていません.緑色岩が分布しているところならと思い,与謝峠の南も調べてみましたが,黄銅鉱を含む石英脈があった程度でした.府内ではほかにマンガン鉱床から産する別の種類の斧石があって,こちらは幾つかの現場で確認しました.由良川の南岸に沿って東西に細長い山地があり,その周辺部にのみ出ているようです.和知の南に苦土電気石―鉄電気石の多産する鐘打鉱山・和知鉱山があり,その筋の東に続く山地にあるマンガン鉱床にチンゼン斧石やマンガン斧石を産しています.どういう訳か鐘打鉱山を中心とする東西の山地にしか出ないようです.

 今回は掃除を兼ねて,写真に撮ってみました.

 

 

いくつかの研磨した石120

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いくつかの研磨した石120

  岐阜県美濃加茂市三和町川浦 一反田鉱山子安坑のカリオピライトを一面研磨してみました.当標本は11年ほど前に当方が訪山してサンプリングしたものの一部です.標本の整理中に当時サンプリングした石が出てきて成形したところ,うまくいかず裂罅に沿ってパラパラと割れてサンプルが小さくなってしまいました.そのため比較的透明度が高い部分を選んで,一面研磨のほうに回しました.先月の新春交流会での交流の一コマに「ここのカリオピライトは研磨にかけると,割れ目に沿って割れてしまいうまくいかない」という話が出ました.それならと,手持ちのサンプルで試みてみました.

 

↑研磨面では無い面.黒色部は二酸化マンガンの酸化被膜.

 

  産地は美濃帯の堆積岩中に胚胎する層状マンガン鉱床で,至近距離にある牛牧鉱山のネオトス石が比較的著名です.(牛牧鉱山のネオトス石は,カリオピライトに変質しているものが多いと伺った) 訪山したのも産状を観たいと思ったからでした.遠出するのに山中を徘徊するのは,けっこう時間の無駄なので,文献(日本のマンガン鉱床補遺後篇)に掲載のある一反田鉱山に行くことに.細かいことは10年以上前なので覚えていませんが,車道の脇に坑口があり,その中からいくつかサンプリングした覚えがあります.その時のサンプリングしたものは,当方の記録によると「菱マンガン鉱」「カリオピライト」「二酸化マンガン鉱」などで,パイロクスマンガン石などの「ばらき」の系統のものは全く無かったと書いていました.

 

(研磨)色彩の美しいところを選って研磨をしました.以前に研磨した赤白チャートより磨り辛い感がしました.ほぼカリオピライトからなっているのに..どうして磨り辛いのかと思いながら磨っていました.割れ目に褐色のネオトス石が入っていて,振動でパシパシと割れて,小さな破片がたくさん出ました.機械研磨の場合,割れていくのは割れ目に入っているネオトス石の所為と判りました.振動にネオトス石が弱いようで,同じような例は,佐賀県唐津市にある厳木鉱山でもありました.こちらは炭マン・珪マン問わず割れ目に生成されているネオトス石から成形時に意としない方向へ割れてしまい,非常に成形の難しい石でした.

 平滑にしたあとは粒度の細かいものに換えて再度研磨しました.比較的緻密で透明度のある部分にライトを当ててみました↓

  手前で光が止まっていますが,塊状のマンガンの石ならこれが限界のようです.仕上げは初めに宮川の青砥で全体を刷り込むような感じでまんべんなく時間をかけて磨りました.ある程度まで光沢が出てきたら,鴨瀬谷山の砥石に換えて再度ゆっくり磨っていきました.

 

 

 

(以下 拡大写真です)

 

 白色部は石英で,石英とカリオピライトの境界を囲むように入っている暗褐色部がネオトス石です.研磨中はこういうところから振動で割れていくのだと思います.

 

 

 

 黄褐色部がカリオピライト,白色で白濁しているように見える部分は,延長の成形面の観察では菱マンガン鉱.脈の中央部の半透明の部分は石英でした.濃褐色部はネオトス石のようでした.

 

 

 こちらは未研磨の面の拡大写真です.褐色部がカリオピライト,白色の脈が石英と菱マンガン鉱のようです.

 

 

 当地からは菱マンガン鉱・石英・カリオピライト・ネオトス石のほかに,石墨・黄鉄鉱・緑マンガン鉱・赤鉄鉱・横須賀石・アフテンスク鉱・テフロ橄欖石などの鉱物が知られています.

 

 

花粉飛散前の滝巡り1 ―山神橋東方の無名滝―

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花粉飛散前の滝巡り1 ―山神橋東方の無名滝―

 

 積雪の有無や山の感じを見るために,但馬方面へ行ってきました.山の上の方に薄っすら積雪がある程度で,標高200m前後の山間まで見に行っていました.山間になってくるとやはり日が当たらない所為かかなりの積雪が残っていました.神子畑の鋳鉄の橋の手前まで行って,引き返しました.その少し手前に植林越しに滝が見えましたので寄ってみました.

 

山神橋東方の無名滝.水量が少なく,上の段だけが滝になっていました.水量が多いと下の露頭も滝になりそうです.

 

 

上の段の滝.背後は植林で,その付近は植林が多くなっていました.隣接する明延や生野周辺の山は植林が多く,花粉の時期などは目も開けていられません.古くから操業していた鉱山の周辺は植林が多い.これは燃料のため背後の山から木を伐りだした訳で,よく背後の山が禿山になったシロクロ写真を観ます.鉱害などの影響と謳わましたが,元坑夫に伺うと「燃料として木を伐りだしたから禿山になっている」とか耳にしました.それで古くから操業された大きな鉱山周辺は植林が多いことに気づきました.

 

 

 アクセスマップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため,縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 

 

 

 

 

 

花粉飛散前の滝巡り2 ―寺坂大滝―

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 花粉飛散前の滝巡り2 ―寺坂大滝―

 

 1の続きです.国道の渋滞から逃れるために新井から建屋に抜けて北上しました.糸井渓谷の方面にとり,雪が無いかを確認しました.朝日の在所付近は,日の当たらないところには積雪がありましたが,道路の表面にはほとんどありませんでした.県道を北上し奥山に抜け,日没の時間を計りながら,出石に抜けました.どこか帰りに寄れるようなところを探したところ,道路地図に書き込んでいた滝に寄って見ました.国道426号(482号)沿いにあり,付近は見通しの良い直線道路のため,ここを通るときには見逃してしまっていました.

入口.しっかりとした標識がありました.ただ,少し小さいため,滝があったと思った時にはすでに通り過ごした後で,何度も通っているのに未だに行けていませんでした.

 しっかりとした標識があるので,管理はかなりしっかりとしている印象でした.

 

参道.奥に目的の滝が見える.右上に見下ろすようにお不動さんが祀ってあった.

 

こちらが滝.落差2~3mくらいだろうか.滝の本体は凝灰岩質のようでした.

 

・・・・.多分これは上の滝では無いかと思う.二段になっていたような気がする.というのも以前に近くを通ったときに2段の滝が道の横にあったような記憶があった.階段になっていたところが滝だったのかもしれない.

 

 

以下,アクセスマップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 


丹波のマンガン鉱床から出た貴蛋白石

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丹波のマンガン鉱床から出た貴蛋白石

 

 丹波地方の層状マンガン鉱床より産した貴蛋白石です.(非売品) 随分前にサンプリングした石で,成形時に出たチップを過酸化水素水で洗浄していたところ,ついうっかり放置してしまい二酸化マンガンに覆われていた部分がすっかり漂白されてしまいました.その表面を風乾させてから表面を観察すると,二酸化マンガンで覆われていたところに見覚えのない青い鉱物が入っているのに気が付きました.顕微鏡で再度確認すると,蛋白石でした.気づいてからは水の中に漬けていたのですが,藻がたくさん生えてきたために掃除を兼ねて撮影してみました.

 

(以下,顕微鏡下での拡大写真です)

正面から撮影しましたが,青いだけで斜めから見た時にちょっとだけ見えるファイアはうまく出てくれませんでした.

 

かなり小さいですが青いところが蛋白石です.

 

淡褐色の部分は菱マンガン鉱. はじめの写真のピンク色の部分はやや結晶質なパイロクスマンガン石です.

 

 

 

 

 

 

 

おしらせ

 

 本日 HP通販用商品を

 

 2点 追加更新しました。

 

 

 

いくつかの研磨した石121

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 いくつかの研磨した石121

  京都府京都市北区鷹峯護法ヶ谷 吉兆鉱山護法谷鉱床のハウスマン鉱からなる高品位鉱石を一面研磨してみました.10数年前に当地で針ニッケル鉱の産出を確認した日に,坑口から少し下った地点でサンプリングしたチョコレート鉱です.重量は約1㎏ありかなりずっしりとしています.護法谷鉱床は京都市街地から近く,過去何度か観察会が開かれたりした現場です.坑口の前に小ぶりな滝があり,最近になって滝巡りを始めている身としては,もう一度訪問する機会があれば..と思っているのですが,近い割にアクセスがやや悪いため実現していません.上の標本はもともとちゃんとした標本にするつもりでサンプリングした石でしたが,三角形に近く恐ろしく座りが悪い石でした.標本を整理を兼ねて探していると,見つけた石です.座りが悪いので裏面の尖っている部分削り落として一面研磨してみました.

 

こちらが表面です.

 

(研磨)軽くベビーサンダーで角を落としてから,工業砥石で削り始めました.あらかじめベビーサンダーでもう少し削り込んだら良かったのですが,あまり落とすと薄っぺらい石になってしまう.幅があるので50㎜の高さを確保してそこから粗削りしました.石英などの硬い鉱物は含まれていませんので,一気に平滑にできました.このあとに青砥で光沢が出るように研磨しましたが,思った以上にうまく出てくれず,鴨瀬谷山の砥石で研磨するとうまく光沢が出てくれました.

 

(以下,顕微鏡写真です.)

黒褐色を呈するヤコブス鉱からなる脈が切る部分の拡大です.白色に見える菱マンガン鉱の細脈を伴っています.

 

こちらもヤコブス鉱の脈です.中央から下の部分が,小断層か何かで切られて横に滑っています.白色の細い筋状に見える脈は菱マンガン鉱,下の方の太い白色脈は方解石のようです.

 

下の方を切っている方解石脈の拡大です.帯黄暗緑色粒状の鉱物が入っています.カリオピライトかテフロ橄欖石のような鉱物かもしれません.小さすぎるので判別できませんでした.

 

チョコレート鉱(ハウスマン鉱を主とする)を拡大したものです.下の方に黄褐色のカリオピライトからなる細い脈が切っています.

 

 当地はほとんど熱変成を受けていない層状マンガン鉱床で,普段見るばら輝石の系統の鉱物やテフロ橄欖石のような鉱物は余り見られませんでした.(以前に研磨石の回でテフロ橄欖石を一面研磨しましたが,過去この手の鉱石を観たのは1回だけでした)

 

 

 

琢美鉱山のピンクの石

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琢美鉱山のピンクの石

 

 2年ほど前の大阪ショーで琢美鉱山から産するピンクの石はデュモルティエ石だと知人より教わりました.当初はコバルト華と思っていた鉱物です.標本を整理していると琢美鉱山のボソボソの石が出てきて,件のピンクの石が付いていました.標本にするために成形しましたので,写真と顕微鏡写真を撮ってみました.

琢美鉱山は花崗岩中の鉱脈鉱床で,母岩の花崗岩はセリサイト化し著しく風化してボロボロになっています.新鮮な母岩も下の沢でサンプリングしたのですが,どういう訳か新鮮な部分にはほとんど入っていませんでした.鉱床は当初は銅鉱山でその後は砒鉱山になったそうです.

 上の石は母岩が安定に欠け,さらにボロボロなので動かす度に屑がたくさんできてしまうため,安定させるために裏面を一面研磨しました.いつも通りに荒砥で削りました.磨っているうちに母岩がボロボロと崩れて行ってしまう.ある程度まで磨って止めました.

 磨った面の空隙をルーペで覗いていると,感じのいいデュモルティエ石がはいっていました.

 

(以下,顕微鏡写真)

かなり小さいです.ピンク色の部分がデュモルティエ石.周囲はセリサイトなのか表面をスコロド石で覆われているのかは判りませんが母岩です.

 

 

 

もっと拡大すると繊維状であることが分かりました.

 

 

 

こちらは空隙に面するもので,写りは悪いですが,結晶の頭が見えていました.

 

 あとから気づいたのですが,サンプリングしたもののうち,やや新鮮な泥質ホルンフェルスのような黒っぽい石に,繊維状で鉄電気石を含んでいました.転石なので当地から出たものなのか,上流から流れてきたものかは判りません.

 

 

 

 

 

お知らせ

 

 本日 店内の棚の一つを石榴石コーナーにしました.

 

こんな感じになっています.

 

 

 

 

 

最近の店内 -2019年2月中旬―

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最近の店内 ―2019年2月中旬―

 

 

 

 

 

(以下,岩石標本の棚です)

 

 

 

 

(以下,ガラスケースの内部です)

 

 

 

 

 

 

(300円商品は現在も増殖中です)

 

 

お知らせ 

 

 ・2月11日(祝)は通常営業しています.

 

 ・本日 HP通販用商品を

  3点 追加更新しました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南山城へ滝巡り1 ―雄滝と雌滝―

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南山城へ滝巡り1  ―雄滝と雌滝―

 

 先月に当地方へ来た時にあまりに中途半端で,載せるにはちょっと..と思い少し触れた程度でしたが,今回はしっかり写してきました.前回は雌滝に行ったあと雄滝に行こうと思って,車を少し走らせたら通り過ぎていたようでした.雌滝の方はしっかりとした標識がありましたが,雄滝は立てるところが無かったようで,橋の欄干のところに「雄滝橋」とあった程度でした.

 

雌滝.事前の情報では半分以上コンクリ滝になっているとのことでした.

雌滝.上部に堰堤が.

 

下の部分.ここを見ると滝に見えるのですが,際はコンクリで固めてありました.

 

 

 

雄滝.こちらは府道より至近距離にありました.

 

雄滝.ここも上部は治山堰堤になっていました.下部だけが滝らしさを残していました.

 

落差がある程度あるので,道路標識や堰堤,電線などが無ければいい感じの滝なんですが,現実はこうでした.付近は風化に弱い花崗岩が多く山が崩れやすいため上部が堰堤になってしまうようでした.

 

 

 雄滝と雌滝のアクセスマップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いていますので,縮尺は無視しています.参考程度に.

 

 

 

2に続く.

 

 

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