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舞鶴・若狭方面にて

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 残雪の状況が掴めないまま、若狭方面に行ってきました。最近は、鉱物採取よりも岩石の方に傾きつつあり、今日も超塩基性岩を目的に奥方面に向かいました。

 いつもなら、氷所から神吉に抜けて小浜街道を採るのだが、今日は新しくできたトンネルを抜け、胡麻郷から9号線、27号線に抜けて舞鶴に抜けた。

 途中丹後峠を通って抜けた。綾部の霊峰「弥仙山」の麓を抜けて丹後峠に差し掛かったときに採石跡を見つけた。

 カット面の上部は丹波帯のチャート層が、下部の部分が舞鶴帯の緑色岩になっていた。緑簾石と方解石からなる脈がたくさん貫いていて、空隙には結晶も見える。

 新鮮なものは非常に堅く、きれいな形に成形出来ない。入口はヤブになっていて、夏季は入れそうにない。

 峠の北側は断崖になっていてヘアピンカーブの連続で、道幅もせまい。

 弥仙山の北側に斑レイ岩体があり、白滝川に転石が幾つかある。この日はこの場所には寄らずに東舞鶴に抜けた。

 伝統野菜の産地を通り過ぎて、大きな火力発電が見えてくる。トンネルを抜けたすぐの林道に入る。橄欖岩の露頭がありそこに向う。

 多禰寺山の北西尾根を巻いた先で地滑りにより通行止めになっていた。露頭はもっと奥だが、通行止めなら仕方ないので、以前霰石を見つけた林道に向う。

 久々に訪問した露頭は健在だったが、周りの露頭が各所で崩壊していた。表面は黄褐色に変色しているが、内部は比較的新鮮で非常に堅い。

 橄欖岩中に白色~灰白色の部分があり、この部分に斑銅鉱・黄銅鉱の小粒が含まれている。白色部の裂罅に、放射状のぶどう石。橄欖岩を切る脈として曹達沸石様の沸石を見つけた。

 ほかに、灰桃色の塊状で桃簾石や橄欖岩に接する単斜輝石岩中に、微小なスピネル、チタン鉄鉱などが見られた。

 

 瀬崎からは、塩汲峠を経て難波江に向った。

 西三松の砕石跡で昼食になった。海岸に面しているので海風が強いが、症状が無く快適んひ過ごせた。

 ベンチカットの一番上は展望台になっていて遠く大島半島が望める。ベンチカットの中腹に割り跡がたくさん残っていた。難波江層群の化石掘りの跡で、細かい貝化石が見られた。

 登り口付近の露頭に炭酸塩鉱物の脈がたくさん入っていて、化石よりこちらの方が気になった。

 太い脈は方解石からなるようだが、細い脈は繊維状の炭酸塩で、霰石のようだ。炭酸塩の脈は黄銅鉱や黄鉄鉱などが含まれていて、これらが風化して粘板岩の表面に鉄明礬石様鉱物を吹いていた。

 その後、遠敷川の石灰岩体の露頭によって帰った。


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石榴石2

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 若狭では特に症状が出なかったのに、丹波帰ってくると再発した。


 瀬崎の露頭の石を整理していると、曹灰長石の脈の風化部に細かい空隙が。倍率の高いルーペで覗くと無色の灰礬石榴石が空隙を覆っていた。風化部の断面に、赤色のスピネル(径約2㎜)と単斜輝石岩に濃集するクロム鉄鉱が入っているものがあった。

 サイズは小さいが透明度の高い結晶に満足した。


 丹後地方には、超塩基性岩がよく見られるが、クロム及び鉄イオン発色による緑色の石榴石をまだ見ていない。

 東の延長部と思われる若狭大島半島の透輝石は、単斜輝石岩中の粗いもので、クロムイオンによる緑色のものがあった。

 鉄イオンのものはくすんだ緑色で黄色っぽいものが多いが、クロムイオン発色のものは鮮やかな緑色のものがあるので、今まで収集の対象になっていた。

 今日はその中から幾つか紹介したい。


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全て、購入標本で灰鉄石榴石になるそうだ。上から高知県越知町上里,高知県本山町上関,高知県鏡村梅の木中の谷。

 クロムを含有するともともと付いていたラベルには記載があったが、色だけではよく分からない。

 通常の灰鉄石榴石は灰赤色・黄色~黄緑色・灰緑色などの色彩になり、緑色の鮮やかなものは少ないように思う。


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上は甲武信鉱山の灰鉄石榴石。産状によって色彩が異なって来ることは分かるが、余りにも違いすぎる。

 透明度はあまりないが、ガラス光沢が強い結晶群でお気に入りの標本だ。

 

 クロムが鉄を置換すると灰クロム石榴石になる。灰クロム石榴石と呼ばれている各地の石榴石は、多くが含クロム灰礬石榴石あるいは含クロム灰鉄石榴石なのだと云う。

 「石榴石1」で関東地方の灰クロム石榴石を掲載したが、本物の灰クロム石榴石だったのかは分からない。見た目の色で鑑定したようだが、ロジン岩様の母岩に着いたものなので、灰礬石榴石の可能性が高い。



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こちらは北海道の八田クロム鉱山の灰クロム石榴石。八田鉱山のものは本物と云われている。黒色のクロム鉄鉱中に赤紫色の菫泥石を伴っている美しい標本だ。


 昔、四国の東赤石山の赤石鉱山に行ったときに黒色のクロム鉄鉱に鮮やかな菫泥石とクロム透輝石の入った鉱石を採集したことをよく覚えている。石榴石は細かいものがあっただけと記憶していて、標本も残っていないから現場で選別から外れたようだ。

 黒色のくすんだクロム鉄鉱もあって雲母を伴っているものもあったと、野帳には書いていた。このクロム鉄鉱中から愛媛閃石が見つかった。

 この鉱物もエメラルドグリーンの美しい鉱物で、共存する透輝石とは見分けがつきにくい。

 帰りに南の瀬場谷に下った際川原の転石に、エクロジャイトが多く見られた。変成度の高い岩石で、赤色の苦礬石榴石―鉄礬石榴石系鉱物とオムファス輝石-透輝石に少量の橄欖石を含んでいる。「ここでクロムを選別した」と書いていて、クロムからエクロジャイト採集に気が移ったようだ。

 このときのエクロジャイトは標本がしっかり残っている。懐かしい標本だ。


 最近は余り石榴石を探していないが、学生の頃はペグマタイトやスカルン鉱床によく行っていて、多くの産地で石榴石を見ていた。

 結晶しているとかしていないとか余り関係なく探していたので、鑑賞に堪えるものは少ないが、もう少し続けていきたい。



 

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口丹周辺にて

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 最近本当に暖かくなってきました。持病の花粉症も峠を越えたようで少し安堵しています。それでも風の強い日に外へ出るととんでもないことになる。

 桜の開花は一瞬だが、スギとヒノキは長く毎年この時期が近づくにつれて憂鬱になってきます。


 どこかスギ花粉の少ないところはないかと思い、向かったのが丹波Ⅱ帯の山。京都府下は杉山が多いが、兵庫県側は少ないはず。勝手に決め付けて現地に向った。

 ついでに、地元のK鉱山に寄り道した。筆者が初めて鉱物を採集した思いで深い産地で、台風による大水で鉱石が流出してからは、殆ど行かなくなった。

 坑口の写真も撮影したかったし、現状を観るためにも寄ってみた。大正池の畔に駐車し、林道を登っていく。

 杉林の中に突入したが、全て枝打ちされていて目視で確認できるような花は見られず、症状も軽かった。

 川原に下りて鉱石を探す。昔はちょっと探すとパイロクスマンガン石やテフロ橄欖石などが簡単に見つかったが、今は様子が異なっていた。転がっている黒い石は殆どが頁岩で、表面に二酸化マンガンの薄い被膜が出来ていて、持ってみるまで判別が難しい。

 表面が黒色の岩石はほかにもあり、比較的重く非常に堅いが中まで同じ色のホルンフェルスや人工物の瓦の破片などがよく目立った。

 水の無い堰堤を登り、次の堰堤との間に少し鉱石が見つかった。アズキ色炭マンを貫くヤコブス鉱、灰緑色のテフロ橄欖石、「ガラス」のを染める程度のパイロクスマンガン石などが見られた。

 川から上がり、大切坑を確認しに行った。大切坑は対岸にあり、丹波では比較的大きなズリが残っている。ズリは頁岩中に石英脈が入ってものが多く、かつて下のズリで長さ約40mmの無色透明の水晶を拾ったことがあった。

 マンガン鉱石は大切坑に向って右側に少し盛ってあった。表土が分厚く堆積しているが、この中から層状炭マンと重晶石の入った炭マンを見つけた。

 ズリと大切坑をカメラに収めて、奥の6号坑を見に行った。落ち葉の堆積する溝状になった道は滑りやすく歩き難い。6号坑は以前より上部が崩れて殆ど見えなくなっていた。道は沢の上部を経て尾根にあがり、尾根筋の二酸化マンガンの旧坑群に延びている。


 途中で引き返して篠山方面に赴く。

 何を思ったか能勢方面からハラガタワ峠を経ていった。盆地に入り三岳の尖峰が見えてきた。昨年の夏に運動不足の解消の足しにしようと、山頂まで歩いた。

 南側に珪石鉱山があり、見た目に美しい赤白珪石を産している。これを見に行くことにした。赤白珪石は耐火煉瓦の原料だが鉱山は閉山して久しく、元の山に戻りつつある。今回は春先なので下草が無く行き易かった。

 橋の横に駐車し、ズリのある対岸を川に沿って下っていく。ものの数分で現地に着いた。下草が無いせいか以前より探しやすかった。

 普通に赤いチャートより白色部が混在し朱赤色が混じったものが見た目的に美しい。(写真下)


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 赤白珪石を割っていると、割れ目に濃緑色の緑泥石が一面に付いていた。よく見ると鱗片状をしていることが分かる。なぜか白色珪石部を伴っているところに産するものだけが鱗片状の結晶群が見られた。

 以前に上の写真の石より、暗色がかって泥質層の挟みを含んでいるものの割れ目に繊維状の轟石-ランシー鉱様鉱物を見つけているが、今回は見られなかった。

 一通り遊んで、山を下りた。


 帰ってから、水洗いをした。



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暗かったのでフラッシュを焚いてみたら、鮮やかな朱色がきれいに写ってくれた。「ひうち石」にすると火花が恐ろしいくらいに出るそうだ。

 この鉱山のほかにも幾つか珪石鉱山があり、何度か探しに行ったが、上のような美しいものは無かった。



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美山にて2

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 先月積雪のため行くことを断念した、K鉱山に行くことにした。

 平日にもかかわらずたくさんの観光客が来ていた「かやぶきの里」を経て、

 由良川源流域に向かう。道沿いに見られる無名滝を見ながら奥へ進むと

 谷の入口に着いた。

  長靴に履き替えて、谷に入る。著しく蛇行した淵になっていて、足場は僅かに15cm程度の杣道を辿る。


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入口に位置する淵。上に斜瀑があり、沢登りには面白そうだが、目的が違うので今回は落ちないよう再三の注意を払って無事通過。写真は通過後滝の上から撮影。


 谷に入って一つ目の沢の入口で小さな鉱石一つを拾う。一部にぶどう状の集合が見られる二酸化マンガンだった。二つ目の沢に木馬道の跡がありそうなので、淵を巻こうと試したが細い杣道は淵のところで途切れていた。

 仕方なく、一つ目の沢から詰めていく。しばらくは真っ白に近い層状チャート礫が目立つ。斜面に幾つかマンガン鉱石があり、今回はそれを拾うだけにした。相応の装備が必要と思い鉱山がありそうということだけ確認できたので、

今回はここで中止した。


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斜面で拾った鉱石。割った当初はもう少し淡色でピンク色に近かったが、家に帰るとこのような褐色に近い色に変色していた。パイロクロアイトだったようだ。これに含まれる緑色部は重晶石。


 下流の川原に転がっていると思い、何度か下りられるところを探して下りてみたが、鉱石らしいものはなかった。

 また、前回見た頁岩中の黄鉄鉱ノジュールも上流にあたる探した川原にはみられなかった。


 この日は午後から出てきていたので、時間に余裕が無く帰りもって産地に寄ることにした。佐々里峠経由で黒田に抜ける。峠の陰地にはまだ積雪が残っていた。周山から佐々江方面に採って、久しぶりのJ鉱山に行った。

 道路横付けというのがうれしい鉱山で、約40mにわたってズリが道路沿いにある。林道奥の少し広くなったところで転回し、退避場所に停めた。

 ズリへはいつの間にか杣道が出来ていて、今回はこれを利用。かつては軌道があったズリだが、夏季にはヤブ化する。


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軌道のレール。宙に浮いているが、かつてはこの先までズリがあった。大半のズリは崩れて向いの杉林の中などに鉱石が点々としている。ここの犬釘を幾つか持っているが、全て表面が錆びている。幾つか刺さったままのものが見られるが、とても抜けそうにない。上の坑口のところでも索道に使用した滑車の残骸が残っていて、収集しようかと何度か試みたが、見た目以上に重くズリが急なので止めておいた。おそらくまだ有ると思われる。


 北から坑口が幾つかありその中で一番大きな坑口を覗いてみた。掘り下った坑口のようだが、半分以上崩れていて中の様子がよく分からない。下から抜いているが下の坑口はコンクリで塞がれている。

 この坑口自体の鉱石は坑の周りにたくさん落ちているが、いずれも二酸化マンガンばかりで、採集意欲がそそらないものばかりだった。北の坑口から開いている坑口までは何故か二酸化マンガンしか落ちていない。


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林道沿いの一番大きな坑口。フラッシュを焚いて撮ってみたが奥までよく分からない。この上にも小さな狸掘りの坑口があり、こちらも掘り下りのようだった。写真手前の崩土の中に幾つか品位の悪そうな二酸化マンガンが多く含まれている。



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下の坑口。コンクリで塞がれている。すぐ隣りに小さい沢の堰堤があり、一見するとそれの延長のように見えてしまう。すぐ上に上の写真の坑口が開いている。坑口の間にこの坑から出たと思われる二酸化マンガンがたくさん見られるが、母岩の割れ目を満たしたり薄くへばりついたものが多く、採集する程のものは殆どない。


 ズリに戻って、鉱石探した。殆どが灰色から赤褐色のチャートおよび炭マンを少し含む「かつぎ盤」。二酸化マンガンに覆われてはいるが、手に持ってみると軽いのが殆ど。赤色チャートの重い石で二酸マンガンがたくさん付いている石を探すが見つからない。ブラウン鉱目的からきれいな石目的に変更して探した。

 以前にここのズリでチンゼン斧石(Tinzenite)とばら輝石あるいはパイロクスマンガン石の結晶を採集したことがある。玉岩鉱山のような石英脈を伴ったような鉱石ではなかった。

 今回はヤコブス鉱の筋のしっかり入ったものが見つかった。


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J鉱山のヤコブス鉱。アズキ色部の中に入っている黒い筋がそう。アズキ色部はおそらくリッベ石ないしケリー石が含まれているかもしれない。赤褐色の部分の下の層は黄褐色がカリオピライト、灰緑色がテフロ橄欖石、ピンク色部が菱マンガン鉱と一番下のピンク色がパイロクスマンガン石。


 日暮れが近づいて暗くなってきたが、もう2箇所寄った。J鉱山の手前にある

I鉱山だ。この鉱山はスムギタン(標高758m)から東に派生する尾根の鼻にあり、二酸化マンガンを掘っていたようだ。傍目からみるとただの地滑りのように見える。林道から沢の畔をしばらく辿るとズリの下に着いた。鉱山が二酸化マンガン目的なので、二酸化マンガンしか落ちていないのは当然だが、二酸化マンガンの塊も少なかった。

 坑口はズリの上と、ズリの下に大切坑と思われる坑口が一つあったが、崩れていて原型を留めていない。硬質そうなものを一つ拾い次に向った。


 I鉱山の更に手前の三差路に面する鉱山だ。鉱山名は不明で道と道の出合にあるから「出合旧坑」と呼んでいる。休耕田に近い畑の横から上に登る道が付いていて、車道から僅か高さ3mほどのところに土嚢袋で塞がれた坑口がある。ズリは無いが坑口の前に少しマンガン鉱が溜まっている。風雨でこの溜まりのところから久々に通ると鉱石が上から落ちてきている。

 今回、比較的大きな鉱石を見つけた。この鉱床のマンガン鉱石は準石墨(非晶質の炭素物質)の脈が鉱石を切っていて、この脈中に還元された自然銅を含んでいる。以前に知人を玉岩鉱山に案内し、帰りにここに寄った時に炭マン中に緑マンガン鉱様の鉱物を含んでいることに気付いた。よく見ると珪孔雀石で、

準石墨を含む部分に自然銅が付いているのが見つかった。珍しいものと当時は思っていたが、今回も入っているものを見つけた。

 鉱石は菱マンガン鉱と灰緑色のテフロ橄欖石からなり、赤褐色のカリオピライトを伴っていた。準石墨の脈が鉱石を切っていて、新品の十円玉のような濃集部を伴っていた。菱マンガン鉱中にはこれのほか、当地では初めて見るヤコブス鉱があった。


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出合旧坑のヤコブス鉱。中上部に赤褐色の脈がありこれにヤコブス鉱が含まれている。帰ってから磁力の強い磁石で試してみると磁石をよくひきつけた。他に黒色の脈があるが、準石墨の脈で写真の標本にも自然銅の細かい粒をたくさん伴っている。母岩は上部が菱マンガン鉱のノジュールを含む「かつぎ盤」でそれに接して菱マンガン鉱と灰緑色のテフロ橄欖石に赤褐色のカリオピライトを伴っている。部分的に無色の重晶石を伴っているが、無色透明のため写真ではよく分からない。



 当地でやっと鉱石鉱物らしいものが見つかったので満足して帰った。帰り道に以前在所の方に聴いた「K鉱山」の場所をみたが良く分からななった。終戦後、昭和28年頃まで稼働していたという話を聴いていたが、一面良く管理されたスギ林で坑口らしきところも分からなかった。

 K鉱山の先に位置する展望台も工事中に砥石型粘土岩の裂罅からマンガンノジュールを見つけた場所があったが、工事が終わると被覆されて見られなくなってしまった。ノジュール中の空隙に水マンガン鉱の結晶が唯一採集できたのだが、露頭が被覆されてしまったので、今新しい露頭を探している。

 





 

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中丹にて穴探し

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 大阪ショーも間近なのに、今週も穴探しに行っています。大阪ショーは明日搬入して、翌日の27日から3日間です。

 場所は会館コーナーの前あたりで、昨年と同じようなところに出しています。

(商品の例としては、だいたい全て一品もので、針ニッケル鉱・黄銅鉱・インジウム銅鉱・シャボウルネ鉱・ゲチェル鉱・輝安鉱・硫砒鉄鉱・河辺石・ポリクレース・ゲイジ石・島崎石・岡山石・園石・木下雲母・自然金・ナウマン鉱・マラヤ石・皓礬・ミラビル石・灰重石・鉄重石・自然蒼鉛・杉石・ハウスマン鉱・ヤコブス鉱・輝コバルト鉱・紅砒ニッケル鉱・ニッケルスクテルド鉱・辰砂・斑銅鉱・逸見石・針銀鉱・濃紅銀鉱など、箱に入れたのは多くてあまり覚えていません。殆ど一品物なので、早い者勝ちにちかいです。)


 福知山から奥に少し行ったところにある銅の試掘坑は、随分谷を詰めてみましたが、坑口には至らず。鉱石は舞鶴帯緑色岩に鉱染したような磁硫鉄鉱や

黄鉄鉱、少量の閃亜鉛鉱などが見られたのみだった。



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上の写真は、試掘坑の後に行った廃坑で見つけた陥没穴。坑道の天盤が崩れたもののようで、底には水が溜まっていた。


 鉱石は多孔質の黄鉄鉱(写真下)、黒鉱の様な外観の閃亜鉛鉱、割ってしばらくですぐ錆びてきた磁硫鉄鉱などが見られた。



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腐っている部分は取れるだけ取ってみたが、いつ再び腐ってくるか分からない黄鉄鉱。孔には府内では比較的珍しい結晶が見える。


あと、綾部市内の炭鉱によって帰った。





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今年の大阪ショー

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 大阪ショーが終わって4日経ちました。売上はなんとか昨年より「増」となりました。ご来場下さった方々ありがとうございました。

 毎年初日が忙しく、今年もそうでした。二日目以降は比較的時間が空き、見てまわることができました。仕入れも幾つか出来て、三日目くらいから個人標本に加える標本を観てまわれました。

 今年は、邦産鉱物が少ないような傾向があり、入手出来た鉱物は偏りがあった。N社で、石川県の倉谷鉱山の菱マンガン鉱・黄銅鉱鉱石標本と、地元京都の質志の石灰華を購入。

 その他、マンガン鉱物のサンプル標本として下記の標本を入手できた。


 ●東京都小笠原海台 マンガンノジュール

 ●岐阜県本巣市文殊鉱山 菱マンガン鉱

 ●滋賀県彦根市滋賀大成鉱山 横須賀石

 ●京都府京都市左京区大原鉱山清水山 菱マンガン鉱

 ●鳥取県船岡町第二糸白見鉱山 パイロクスマンガン石

 ●岡山県作東町白水鉱山 パイロクスマンガン石

 ●奈良県川上村日の出鉱山 菱マンガン鉱

 ●徳島県阿南市星越鉱山 ハウスマン鉱

 

 マンガン鉱物以外は、幌加内町雨竜川の砂鉱の辰砂、京都府宇治田原町吉浦鉱山のマンガン鉱床に産する針鉄鉱,下北半島安部城鉱山の硫砒銅鉱などが入手できた。


 (5月の連休について)

 明日から土日は営業して、最終日の月曜日は休みます。いつも通りのカレンダーになっています。




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北陸の旧坑にて

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 尾小屋に連れて戴いた。

 以前より筆者が調べていた場所の確認のみですが、

 現地に行ってきました。


 よく市場に出回っている緑鉛鉱や重晶石の産地を中心にして、その周辺にある旧坑をみてまわりました。

 アプローチで大幅に遅れがでて(京都市内抜けるのに小一時間かかってしまった)ついたのは昼前でした。高速はよく工事渋滞をしていて下道より迂回路が無い分始末に悪い。


 まず、T鉱山跡から。鉱山が着けたと思われる細い林道を北上すると谷の出合に大きな工場があった。資料では向かって左側の林道の奥にあるみたいで

左にとる。入口から舗装道ですぐダートにかわる。

 小さな溜め池を左に見て、その奥にズリを見つけた。


 見つかるのは腐った流紋岩や凝灰岩に細かく鉱染する黄鉄鉱。石英脈をかんだものには鼈甲亜鉛と黄銅鉱が少量見られた。

 林道の奥は倒木で進行できず引き返すことになった。


 次にS鉱山を目指す。前出の鉱山とは山が一つ異なる。県道から別れて細い谷に沿った林道を少し行くとズリだった。ズリの上は整地されてグラウンドになっていた。焼けた石が少しあり、少量の鼈甲亜鉛が見られた程度だった。

 昼食は、尾小屋の蒸気機関車の前でした。奥のスキー場に至る道から少し入ったところに竪坑があったが、すでにヤブの中になっていた。

 岩底谷のズリはカラミばかりでめぼしいものはない。


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S鉱山の方鉛鉱・閃亜鉛鉱質鉱石。



帰りに、メノウ産地によった。土地勘が無いうえに助手席に座っていた所為か

途中の道をよく覚えていない。

 沢の転石を探すと出てくるようで、ハンマーを使わなくても川砂利に少し混じっている。水中のほうが透明度があると思い少し拾ってみたが、乾くと普段見るがさついた光沢になった。

 

 帰路、小浜方面から帰ることになった。北陸道が米原方面が工事渋滞をしているとの情報で、小浜方面にまわって裏道を駆使して帰ることになった。

 

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明神滝

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 先週、マンガン山の探索の帰りに丹波帯の滝をみてきました。

 滝の奥に赤白珪石を試掘した跡があり、チャートの酸化帯が発達していました。割れ目に鉄明礬石様鉱物と半分以上腐った黄鉄鉱を伴っていました。

 滝は美山町鶴ヶ岡の最奥に位置し、豊郷を流れる西川と掛橋谷の吐合部に有りました。古い山岳ガイドブックに記載されていた滝で「明神滝」と云うそうです。

 落下口の岩盤は白色のチャートからなり、部分的に頁岩を伴うか、削られて凹状になっている。滝壺は淵と合体したようになっていて、正面から写真が撮れなかった。直瀑まで行かない急勾配の滑滝だった。



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「明神滝」と云うらしい。 落差は目測で5~8m程度。



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滝壺はこんな感じ。流路が湾曲していて正面から滝が見られなかった。



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北摂の銅旧坑にて

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 最近行くところが、マンガンばかりになってしまい、少々飽きてきたので銅の旧坑にいった。北摂は実家から近く原付を乗り回していた時に相当行っていた。猪名川周辺は3年ほど前に飽きて今は能勢方面に絞っている。


 地質的には、北部「天王」付近に「丹波帯地層群」、「山辺」「宿野」「栗栖」から京都府亀岡市畑野町の広範囲に「剣尾山花崗岩体」、三草山周辺に複合火成岩体とその西方に「長谷裏山」の流紋岩質凝灰岩(有馬層群)が分布。

 「田尻」から東方と南方はいわゆる「超丹波帯」の緑色岩が分布しており、この付近に一庫ダムから続く「奇妙山親鉉」の北端部になっているため、銅鉱床が多い。

 岩脈や小岩体として小和田山山頂付近に「琉璃渓層」の流紋岩が、またその南方の沢の出合付近に花崗岩体が、「吉野」の変電所近くに「玢岩」の貫入が、妙見奥の院から能勢妙見にかけて茨木複合火成岩体の能勢岩体が南北に細長く分布しているため、前出の緑色岩が熱変成を受けている。


 前置きが長くなったが、そういうところだ。ずいぶん前にこの地域に地質図を購入してから行動範囲が広くなり、今寺鉱山から始まった探索は「七星鉱山」、

「点名 振野の銅旧坑」「能勢銅山」「立鉉鉱山「柏原鉱山」「竜王山旧坑」、

「名月鉱山」「逢坂峠旧坑」「小和田鉱山」「豊能鉱山」と続き、2年ほど前に県境に近いところにある「石堂鉱山」を見つけることが出来た。

 鉱山以外では「宿野のスカルン」「上宿野のペグマタイト」「豆栢のペグマタイト」「水晶山のスカルン」「高岳のスカルン」「中堂寺橋のスカルン」「野間山の気成脈」「長谷裏山尾根の正長石と高温石英」「奥山のペグマタイト」などが見つかった。


 今回は、竜王山付近にあるM鉱山に行ってきた。峠の墓地の手前に駐車し、手前右側から斜面に取り付いた。奥にほとんど水が流れていない沢があり、これに沿って登っていく。先日の雨で沢が荒れていて探しやすかった。

 当所はほとんど鉱石のない鉱山で、ズリ中に少量の二次鉱物が見られる程度だ。沢の入り口にコンクリで塞がれた坑口一つとその東方に入り口の崩れた坑口一つ、沢の奥にやや大きな坑口があるがこちらも入口が崩れている。

 ここで見つかる鉱物はほとんどが「珪孔雀石」だ。大阪の鉱物同好の方ではそう言っているが、含銅アロフェンが相当量あるように思う。

 仏頭状に集合したものが見られ、その表面にブロシャン銅鉱や孔雀石が見られる。「珪孔雀石」は風化の度合いの進んだ蛇紋岩によく似た石に入っている。表面がすべすべしてる扁平の石が多い。まれにこの中に黄銅鉱や閃亜鉛鉱、四面銅鉱、輝銅鉱類が含まれている。一応明るいところで見てみると、黄銅鉱の小粒は確認したが閃亜鉛鉱や輝銅鉱類は見られなかった。


 この日は暑くすぐ汗が出てきた。汗まみれになったせいかそこらじゅうが痒い。ダニやヒルを警戒して足早に山を下りたが、一匹も付いてなかった。そろそろマムシも出てきそうな陽気だが、今回は見なかった。

 


鍋塚にて

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  昨日に引き続き書いています。鍋塚に行ってきました。


 写真撮影のため、大俣鉱山と志高炭鉱と河守鉱山に行ったあと、鍋塚をピストンしてきました。運動不足解消のためなんですが、駐車場から片道1.1kmくらいなら大したことが無いと思ってました。山登り目的に装備してきたわけではないので、いつも街中でのスタイルでした。(長袖長ズボンにスニーカー、手提げ鞄一つ。熱中症の予防のためにお茶だけは持ってあがりました)

 

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 ここから北へ尾根を伝い山頂を目指す。



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一つ目のピーク。山頂はこれの向こうで、まだ見えない。


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一つ目のピークを越えて鞍部に降りると目の前に鍋を伏せたような山頂が見えてきた。標識は山頂まであと300mの表示。大半はクマザサで黒っぽく見えるのはツゲの仲間。ほかは雑木。


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山頂直下の急登。運動不足が祟って小休止しながら高度を稼ぐ。山頂まで大江山超塩基性岩体の蛇紋岩なので、よく滑る。



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鍋塚山頂。宮津・福知山・与謝野の境界に位置する。空気が澄んでいない所為か展望は今一つだった。10分ほど休憩していたら少しガスって来たから天気の急変を恐れて下山した。



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午前中に探索したO鉱山。砥石岳(地元では砥石ヶ岳)の西方に位置する銅を目的とした。近くのクロム鉱山の鉱石をこちらまで持って来ていたのか、前の車道脇にクロム鉄鉱が少し見られた。坑内水が染みだしていてこれを辿ると坑口があったが、坑内水の所為で湿地のようになっているうえ、ヤブが酷く近寄れなかった。鉱石は、ホルンフェルスのような岩石中の石英脈に磁硫鉄鉱や黄銅鉱を少し見つけただけだった。

 志高炭鉱も小さなボタ山がある程度で、近くの神社に坑道による陥没で傾いた鳥居も見に行った。また、寄り道して八戸地西方にも炭鉱があると聴いて見に行ったがよく分からなかった。



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半国山にて

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 14年ぶりに半国山に行ってきました。日ごろの運動不足と中年を実感した。

 初めて登ったのは中学の頃、自転車で宮川から尾根に取り付きました。山頂は展望もなく単に登っただけでした。当時は石の方も本格的にはやっておらず

山登りの副産物でした。

 高校3年間で4回登り、それっきりでした。今回台風が接近しているため天候が読みづらかったのですが、強行して行ってきました。

 

 半国山(標高774.2m)は北摂山地に近接する流紋岩と凝灰岩からなる台地状の山で、周囲が400m前後の山しかないなか、抜き出て高い山になっている。山頂付近は有馬層群の流紋岩および球顆流紋岩、凝灰角礫岩などからなって、南西に剣尾山花崗岩体、東に丹波帯堆積岩を挟んで行者山花崗岩体が近接している。

 京都丹波では余り見られない流紋岩が出ているため、露頭の観察を兼ねていくことにしました。


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半国山(774.2m)。宮前町神前上三作付近から望む。


半国山にて2 に続く。


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半国山にて2

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 続きです。


 亀岡から宮前町宮川の林道奥まで車で送ってもらった。宮川のバス停から歩いてもよかったが、家を出た時間が遅く観察の時間もほしかった。

 林道は宮川神社の脇から奥に延びて溜め池の先で、二つに分かれる。右へ行くとお寺を経て山頂に至り、左へ行くと小さな峠を経て平松の方に至る。

 右を取るのだが、案内板が出ていたのでここで下してもらった。


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ここから林道歩きになった。


手前に下ろしてもらったのは訳があって、この辺りに新鮮な凝灰角礫岩が分布していて、その露頭を観察したいとの思惑があった。

 半分コンクリの林道を僅かに登るとお目当ての凝灰岩の転石の大きなものがあった。

 
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凝灰角礫岩の大岩。少し欠いてあるが、初めっからこの状態であって横に破片がたくさん転がっていた。

 角礫は角が取れたものが入っているのもあれば、角ばっているものもみられた。適当にサンプルを拾って先へ進む。


 幾つかカーブを越え、下から小さく見えていた禿地を目指して小さな沢から取りついた。沢に杣道が残るがそれもやがて消え、半分放置された植林のなかを

先人が残した黄色テープに沿って登っていく。

 尾根らしくなってくると、左手から沢が近づいて源頭になった。緩やかだった尾根も源頭を過ぎると斜面になり、先導してくれていた黄色テープも無くなった。こうなれば適当に登れそうなところを探して登っていくしかない。

 羊歯によるヤブと格闘してしばらくで、下から小さく見えていた禿地に着いた。


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下から見えていた禿地。


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流紋岩の露頭。


 休憩も兼ねて散策した。小さな尾根が上から下まで50mくらいが禿げ地になっていて、流紋岩の脈がみられた。(写真下)

 上の写真の中間くらいのところの露頭から外した石は、粘土が詰まり酸化鉄で焼けた脈が走っていてので、欠いてみると黄鉄鉱と磁硫鉄鉱からなっていた。周囲の粘土は熱水変質を受けたもののようで、硫化の脈が網目場になったものもみられた。

 途中でたくさん採取すると山頂までが大変なので、一つだけサンプルとして採取した。母岩の一部が緑泥石化した黄鉄鉱を伴うものだった。

 そこから、上を詰めていく。尾根は尾根らしく無くなっていき、斜面に張り付くような感じで登っていく。やや強いヤブを越えるとお寺方面から踏み跡が登って来ていてこれと合流した。

 ここで先導してくれた黄色テープと出合い、そこから主尾根を目指す。

 余り使われていない道のようで、倒木が邪魔したりはっきりした道から不明瞭な踏み跡に変わったりした。主尾根に辿りつかないのにすでにバテテしまった。

 やがて頭上が明るくなって尾根が近づくと踏み跡は消え、ここから適当にヤブを漕いだ。

 昼近くにサイレンが鳴るころ、主尾根に登り着いた。尾根と云うより小さなピークだ。尾根を道標通りに進むと中野に下る道とお寺に至る道との分岐になった。


半国山にて3 に続く。



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半国山にて3

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 登山道の分岐点を過ぎるとすがすがしい尾根道になった。緩やかな登りが続き、本峰に近づくと流紋岩の岩尾根になった。


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尾根の西肩を巻くようになる。


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この辺りまで緩いアップダウンを繰り返す。



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しばらく進むとこのような岩尾根になってくる。


 主尾根まででバテテしまっているので、この尾根の僅かな登りがきつい。

休憩を兼ねて流紋岩の観察をした。

 層によって流紋を示す部分と球顆の部分が互層している。球顆の部分は珪酸分が多いらしく、メノウになっている部分を見つけた。


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尾根の流紋岩露頭。



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球顆部分に少しだけ「メノウ」になった部分を見つけた。中央のすりガラス様の部分がメノウ。



 そこから先は平坦な尾根になり、植林帯が近づいてきた。小さな鞍部を越えると大きな伐採地に着いた。


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伐採地にある道標。


 近くに道標があり、山頂まで僅かだと知る。伐採地表面には白っぽい岩石が目立ち、今回の目当ての球顆流紋岩も見つけた。

 登山道の脇に少しあっただけで、他は普通の流紋岩だった。



半国山にて4 に続く。





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半国山にて4

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 大きな伐採地を過ぎると、真っ暗な植林地帯に入った。初めて来たときにみた山頂直下の湿原?のようなものは無くなっていた。下草の無いやや管理された植林だ。小さなコブを西から巻いて鞍部まで来ると、本梅町井手からの道と合流した。真直ぐ行くのだが、左を取ると二つほど小さなコブを越えて「三ツ石」とか呼ばれる711mのピークに至り、北東尾根を通って数珠山の城跡と先に

瀧ヶ嶺の城山をみて井手に下る。

 分岐は直進し、山頂直下の分岐に着いた。


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分岐の案内板。向かい来た時は無かった。最近のものらしい。左に少し見えている看板は昔からあった。


 山頂で昼食を摂るため分岐を右に取る。山頂直下の登りに「自転車・バイク通行禁止」の札がある。これも昔無かったが、初めて来たとき登山道をマウンテンバイクで降りてきた一行があった。二輪車は車道を走ろう。

 

 山頂直下の急登は僅かな距離だが、笑う足元には響く。おまけに履いているスニーカーは丸坊主で大した所ではないのに良く滑る。

 背の低い樹林帯を抜けると山頂部分も伐採されていた。


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山頂部の伐採地。白く見えているのは流紋岩の露頭。


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山頂。南東方面を望む。


 先に山頂を踏んで昼食を摂った。時間は正午半を過ぎていた。

いつも山に来た時はコンビニの握り飯3つほどで済ましている。荷物にならないようにトレイに入ったものは極力控えるようにしている。

 昔と違って展望が良いので一通り展望写真を撮った。肉眼では遠くの山は分からなかったが、東方に愛宕山から地蔵山の稜線、前座の山、遠く大文字山と

比叡山は判別できた。


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字が少し小さいので読みにくいかもしれないが、愛宕山方面の写真で、ペイントで記入したもの。


 台風が近づいているせいかかなり風が強い。当日は曇り空ではなく良く晴れていたので丁度良かった。

 しばし休憩して球顆流紋岩の露頭を探した。山頂の北側に少し露出していて球顆の大きいものが幾つか見られた。


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山頂直下の球顆を含む流紋岩。球顆の直径は約30mmで内部は空洞になっていて細かい水晶が空洞の壁に生えていた。母岩はやや風化していて、少し欠いてみると球顆がたやすく外れてしまう。写真はうまく標本サイズに割れてくれたもの。メノウになったものや、豊岡累層のメノウ産地のように沸石化したものは見られなかった。



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山頂北東の斜面にあった流紋岩。宮川の尾根や山頂のほかの斜面に転がっているものとは違い、こちらはやや新鮮なもの。風化したものは表面が白っぽくなっているが、これはそこまで行っていない。表面に付着しているものは、割れ目に充填した二酸化マンガンの染みで、やや風化した流紋岩の割れ目にはしっかりとした「しのぶ石」と呼べるような樹枝状のものがたくさん見られた。



 下りは、色々考えたが赤熊方面に下りることにした。半国山はたくさんのコースがあり、今回使用した宮川から金輪寺を経て尾根を伝うコース、本梅町井手から正面の谷を詰めて「三ツ石」を経て山頂に至るコース、本梅から畑野に抜ける峠から沢を詰めて山頂に至るコース、東本梅町赤熊から音羽渓谷を経て北尾根を辿るコース、音羽渓谷の一つ北の大平山の城跡を経て北尾根を辿るコース、西本梅から山頂北西の大きな谷を詰めるコース、大河内の別荘地から西尾根に取りつき738m峰を経て山頂に至るコースなどがある。

 赤熊に下るとなると山頂の北尾根を辿ることになるが、出だしから間違ってもときた道を戻ってしまった。流紋岩露頭の尾根を経て、最初の分岐を左に採った。少し下るとまた分岐になり、道標は高い方の道に付いていた。尾根の西側を通ってお寺方面に抜ける道の様だったので、道幅の広い下の道を採ることにした。

 尾根の山腹をだらだら下り、対岸の大平山が見えてくる。方向は間違っていないので安堵していた。赤熊の奥にある大きな池が見えるところで小休止した。このコースで唯一展望が得られる場所のようだ。

 この日、着替えなど一切持っていなかったので、背中から腰にかけて汗疹が出来ていて酷く痒い。ダニに喰われるよりはましなので、その場しのぎでひっかいて、更に下る。

 道は赤熊方向の反対方向に巻き始めたので、赤熊には下りないと確信した。

 展望地からさきの鼻を巻いた沢付近は、珍しく丹波のチャートが転がっていた。沢の周辺だけのようで、その先はすぐに流紋岩質岩に変わった。流紋岩に取り込まれたのか、あるいは挟まっているだけかもしれない。

 更に下ると林道の終点に着いた。やや新しい(というより殆ど利用されていない)林道で轍もあまりない。

 そこから約一時間ほどでしたの集落に出そうだったので、宮川付近まで迎えに来て、との連絡をした。道は宮川と赤熊との中間に位置する中野の集落に降りるようだった。

 林道は先で二つに分かれ、右を採ると神社に、左は林道入口に行きそうだった。神社なら前の道を高校時代通学路になっていたのでよく知っている。右を採った。すぐに神社の裏に出て鳥獣用の金網を越え、篠山街道に出た。

 

 迎えと連絡を取りながら、荷成山の鞍部を通過。鞍部に昔マンガン鉱山があって、二酸化マンガンや炭マンなどを採掘した跡が車道の脇に今でも残っている。この日は草蒸してヤブになっていたのでよく分からなかったが、下草の無い時期に来ると稲荷神社の南の竹藪の中に一つと、道の北側に2つ。中野の集落側の斜面に1つ。(ここはゴミが詰められて良く分からない)

 山の北側の周回道路沿いに2つ坑口が残っている。稼業年は良く分からないが、稼業中に荷成山の鞍部に近い理髪店の駐車場を借りて選鉱していたとか。鉱石は殆ど見られない。

 

 鞍部の先で迎えの車とうまく出合えることができた。強風ではあったが晴天の中充実した山行を終えることができた。






 



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朝日山にて

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 先週に引き続き単なる山登りです。

 今回は朝日山でした。マンガン鉱床の高村鉱山の背後の山で、昔マンガン鉱石搬出の鉱山道がありました。行きに鉱山道を辿ってみました。

 湯ノ花鉱泉の入口から宮の谷の林道に入りお寺の前まで車で入り、林道入り口で下してもらいました。

 林道を奥まで行き堰堤を3つ越えるとコンクリ製の橋があり、向かいが高村鉱山大切坑とそのズリだ。

 これの横から谷に入った。谷に沿って登っていくとつづら折れの道になった。谷から離れてつづら折れの道に二酸化マンガンの小石が良く見られる。

 頭上が少し明るくなってきて尾根の林道に出た。


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尾根の分岐。ここからしばらく林道歩きとなった。


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右手は犬飼川方面。


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 林道を歩いていると坑口があった。酸化坑の一部と思われる。

 坑口の先の尾根を回り込むと分岐になり、尾根を進んだ。尾根のコブをいくつか越えると静かな山頂に着いた。


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ちょっと休んで三角点へ向かう。


朝日山2に続く。




朝日山にて2

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 山頂を後にして三角点に向かう。


 山頂からわずかで鞍部に降り立つと、マンガン鉱石がいくつか転がっていた。中身は硫化で染まった炭マンと、他にテフロ橄欖石とばら輝石(orパイロクスマンガン石)だった。


 コブを一つ越えると奥が三角点だった。

 
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三角点。



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三角点の手前にあった。マンガンの貯鉱。


山頂に戻り眺望を楽しみ、後にした。


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三田の三国ヶ岳にて

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 今週初めに大阪府能勢町天王の流紋岩岩脈を探しに行った。三田方面に迷い込み、永沢寺という高原を通り山の近くを通ったので、次いでにピストンしてきた。峠から道標に沿って茶畑の中を登っていく。山頂が近くなって雑木林の中を直登すると山頂だった。僅か37分ほどでピストンできた。

 
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美濃坂峠の登山口。


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茶畑の中、小さい乗越しにある分岐。左へ取りヘアピンカーブで写真の道標の上を通過し茶畑の脇を登っていく。


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二つ目の分岐。山頂へは右をとる。この先から雑木林に突入。左へ行くと茶畑へ至る。


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雑木林の中のやや急斜面を登り切ると山頂だった。峠からの比高は僅かだったのにすぐ息が上がった。


 下りはもとの道を戻った。



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ペグマタイトの鉱物

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 今日、昼過ぎに来たお客さんとペグマタイトやスカルンの話で盛り上がった。そのうち畑賀のペグマタイトの話も出た。学生時代に帰省に鈍行を使っていたことは前にも書いた。始発に乗ると岡山兵庫県境で一時間近く連絡待ちの時間が出来てしまうため、その手前で採集に一時間ほど寄ることが出来た。一時間と云ってもそんなに遠くへは行けないので、比較的近くで面白いものが出るのは畑賀周辺しか当時は知らなかった。おもに京都に帰るときに寄れた。

 初めて人に聞いて行った時はタクシー利用で行った。後部席に乗っていた所為か道をほとんど覚えていなかった。2回目は、風景を目に焼き付けるため駅から歩いて行った。片道45分ほどかかってしまったが、京都に到着する時間が多少遅れてでも行ったかいがあった。

 大水で長石塊は下流に流されていたようで現場にはほとんどなかった。写真だけとって、近くに給水塔のペグマタイトに寄った。店内の話でも筆者が行った場所と同じだったので安心した。

 ペグマタイトには有名な河辺石や褐簾石、ガドリン石、変種ジルコン、鉄橄欖石、分解物としてトロゴム石などが見られた。褐簾石がそのまま分解して乳白色のバストネス石様鉱物に変質しているものもあった。

 何度か水谷川を中心にして尾根道などを歩いて探した。駅の裏側にある丘陵で登山道で煙水晶や変種ジルコンなどが転がっていたことや、南へ少し行ったところにある蝋石鉱山で色の淡いコランダムなどを拾えた。




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畑賀水谷のガドリン石。初めは緑泥石だと思っていた。黄色いのはトロゴム石か。母岩はカリ長石。



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褐簾石。結晶の幅約3mm、長さ約12mm。



 話は布賀の高温スカルンに移り、道路際露頭で鮮やかな紫色のスパー石が当時はたくさんあった話がでた。硼酸塩がたくさん出た鉱山の方の話は以前に出たが、今回は出なかった。

 ペグマタイト鉱物に関して前に中途半端に書いていた。これから少しずつ書いていこうと思っている。



朝日山3

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 朝日山2のあとで、2週にわたって周辺をまわりました。尾根筋の酸化坑の周辺の谷にも幾つか坑口がありました。


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上の写真二つは、大城山の林道から朝日山に向って北上し、標高427m地点の南方に位置しています。上の写真が坑口で、脇に石組が見られた。

 下の写真は、上の写真のすぐ横にある陥没跡。二酸化マンガンが少量残っていた。標高427mの小峰から朝日山の南方の450m等高線あたりに酸化鉱床がありました。お寺の方から登ってくる登山道との分岐で、大城山から真谷に鉱石運搬用の索道の中間点があったようです。分岐の脇に高品位の炭マンのバラスが少し残っていました。遺構としては索道が滑車が残っていただけでほかは見られなかった。

 お寺の方の登山道を少し下ったところに仏像が鎮座した展望の良い地点があり、ここから谷に向って激下りした。斜度40度を超すような急斜面だったが、目的の谷に降り着いた。谷は奥で二又に別れ、向かって左側に層状チャートの壁、右は小さな淵になっていて流路が山腹に消えていた。二又の出合には殆ど鉱石は無く、少し戻って炭マンを幾つか見つけた。色の乏しい炭マンで魚卵状をなしていた。

 二又へ谷を詰めていると北側の斜面が急に緩やかになってたのが気になった。尾根に登って大城山方面に下る予定だったので、登路を探す。特に無く先ほど緩やかになっていた地点を目指し少し登ると押しの坑口があった。東向きの坑口だった。もう一段下にも坑口があったが、こちらは崩れていて中は見えない。

 坑口までは人が通ったような感じがあったが、これより先は気配が全く戻るのも癪だったので、斜面を直登した。谷に降り立つ時と同じくらいの急斜面で木の根っこに掴まりながら何とかへばりついて登って行った。

 いつまでたっても登山道に出合わず、尾根の頂点あたりで明るくなると、過去2度来た山頂だった。すぐさまダニが付いていないか確認した。脛に2匹いたが這っていただけで喰いついてはいなかった。

 

 2本持っていたペットボトルのお茶も余りの暑さに底をつき、大城山方面に下った。林道を西へ下る。近くの鉱山跡に少し寄り道をして、炭マンをつついてみたが、特になかった。以前この産地で結晶質のパイロクスマンガン石と、青と紫のファイアの入った貴蛋白石を見つけた。前者は知人によりXRDで調べてもらっていた。後者はこのパイロクスマンガン石の表面を覆っていた二酸化マンガンを過酸化水素で掃除している最中に見つけた。大きさは金魚の目玉くらいの小さなもの。

 30分ほど休憩して林道を下る。平坦な谷で案内板を過ぎると車止になる。平坦なのはここまでで、ここから急坂になる。

 急坂なのは車止のすぐ横に2段30mほどの直瀑があるからで、名称はあると思うが調べられていない。滝の下は堰堤が2つあってそれより下は、渓流瀑の小さなものが続いている。

 車止から約20分で犬飼川の分岐に着いた。ここから3kmで国道423号沿いのバス停に至る。ケータイを忘れていっていたので、行くときに午後5時頃に犬飼の林道まで迎えにという風に伝えていた。

 出合ったのは、犬飼の盲導犬センターの前あたりだった。


 今後もこの付近を探索するつもりですが、今の季節は暑いしもう少し涼しくなってくると今度はこの周辺一帯が「松茸山」になってしまう。次の探索は冬になりそうだ。


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