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いくつかの研磨した石239

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研磨石

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いくつかの研磨した石239

 兵庫県川西市赤松 赤松鉱山の閃亜鉛鉱―黄銅鉱質鉱石を一面研磨しました.赤松鉱山は多田銀山の南方にある岩根山にありました.坑口はいくつかあってその一つは,,清和台東3丁目の交差点から西に見ると奥の2等辺三角形の岩根山の東に一本だけ中腹に鉄塔があってその背後に2つと,お寺の北側の尾根を越えたところにフェンスに囲まれた竪坑が残っていました.明治頃の地形図を見ると,この竪坑の東の支尾根に煙突のマークが入っていて,兵庫県遺跡地図に精錬所跡の記載があって,位置がだいたい一致します.鉱床はスカルン中の銅―亜鉛鉱床で,超丹波帯の緑色岩と付近に貫入した閃緑岩との接触変成のようです.鉱石鉱物は黄鉄鉱・黄銅鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱・磁硫鉄鉱・白鉄鉱?などで,脈石に石英・緑泥石・方解石・灰鉄輝石・緑閃石などがありました.二次鉱物は現場にあまりなく,わずかに褐鉄鉱と石膏と鉄明礬石のような黄色の粉末鉱物がありました.

 上の石は数年前に鉄塔の裏にある坑口のズリでサンプリングした石で,90㎜×75㎜×20㎜の箱にぴったり入るサイズで標本にしていました.最近,再度見ると,上に硫酸鉄の分解物が吹いていて,母岩が若干脆くなっていました.再度成形し,75㎜×60㎜×20㎜の箱に入るサイズにしました.削り取った部分を分解しかかったところを中心に一面研磨にしました.

 

 

 

 

(研磨)鉱石鉱物が主体なので,一気に磨り上げたところ,石英が混入していたらしく邑が出来てしまいました.石英の部分を先に磨って高さを調整しました.

仕上げは青砥でしました.

 

 

 

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

 

 

 

磨り上げて,磨る前には予想していなかった磁硫鉄鉱が含まれていました.

 

 

黄銅鉱の多い部分の拡大です.黄銅色金属光沢が黄銅鉱.鉄黒色金属光沢部は閃亜鉛鉱,周辺の黄緑色粒状は灰鉄輝石.黄銅鉱の多い部分は以下のようになりました.

 

 

研磨中は気づきませんでしたが,わずかに方鉛鉱を含んでいました.

 

 

閃亜鉛鉱の多い部分の拡大です.鉄分の含有量によって色が異なってきますので,同じ石で色彩の異なる閃亜鉛鉱が共存しています.

 

灰鉄輝石の多い部分の拡大です.

 

 

こちらは黄鉄鉱です.帯紅真鍮色金属光沢の磁硫鉄鉱,黄銅色金属光沢の黄銅鉱,鉄黒色金属光沢は閃亜鉛鉱.

 

磁硫鉄鉱の多い部分の拡大です.細かい閃亜鉛鉱や黄銅鉱・黄鉄鉱を含んでいました.

 

 

 

 


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