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鉱物の顕微鏡写真107 ―ニオカライト―

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顕微鏡写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉱物の顕微鏡写真107

―ニオカライト―

産地:Oka conmplex, Oka, Deux-Montagnas RCM, Laurentidas,

        Québec,Canada.

 

 

Niocalite  ニオカライト

[組成] Ca14Nb2[F2|O6|(Si2O7)4]

[結晶] 単斜晶系.単斜柱状.針状など.

[色] 無色・灰色・灰黄色・暗灰黄色・レモン黄色・

    黄褐色.

[光沢] ガラス光沢.肉眼で観察する限り,これよりもっ

    と光沢が強い印象.

[モース硬度] 6

[比重] 3.29~3.32

[劈開] 無し.

[条痕] 白色.

 

 

 今回はニオカライト(Niocalite)にしました.もともと岩石標本として「カーボナタイト」の標本を探していた時に見つけた石で,ラベルの端に小さく,後付けで「カーボナタイト中」を書き込みがありました.

 

 グーグルアースで産地の周辺を検索していると,産地の周辺は100m~150mくらいの低い丘陵地帯で した.

 同じ地域にSt. Lawrence Columbium mine.という鉱山があって,上の標本の現場と同じカーボナタイト複合岩体に含まれるニオブが採鉱されていたそうです.

 鉱山以外にも露頭や試掘跡があるようで,上の標本はこの地域のどのあたりから産したのかは,旧ラベルからはそこまで追求できませんでした.

 

 標本は白色―灰白色の粗粒な岩石で,一番目につくのは黒色―褐黒色短柱状の金雲母でした.それに伴って黄褐色―帯赤褐色でやや光沢の強い八面体の鉱物があって,ジルコンかと思っていたら,手持ちの文献でパイロクロアであることが判りました.カルシウム(Ca)とニオブ(Nb)の酸化鉱物です.

 黒色粒状の鉱物もあり,こちらは磁力で磁鉄鉱(Magnetite)と判りました.ほかに灰白色で鈍い光沢の霞石(Nepheline)や玻璃光沢のサニディンなどが含まれていました.

 

 白色の母岩の割れ目や黒雲母などに伴って,なかなか光沢の強い黄色―淡黄色の針状ないし柱状の鉱物が,母岩のいたるところにへばりついているのに気付きました.Webで検索をかけているとニオカライト(Niocalite)がヒットしました.

 カルシウム(Ca)とニオブ(Nb)の珪酸塩鉱物で,黄色系の色と強い光沢が特徴のようです.以下は母岩のいたるところについていたニオカライトの顕微鏡下での拡大写真です.

 

白色―黄白色・黄褐色柱状ないし針状結晶がニオカライトです.黒色粒状は磁鉄鉱.右下の三角形の面の出ている鉱物はパイロクロアです.

 

白色―黄褐色部がニオカライトです.白濁した六角形に近い部分は霞石です.

 

針状の部分がニオカライトです.赤褐色―褐色系の塊状の鉱物がはっきりせず,この色彩の鉱物はあまり無いようで,カンクリン石かその系統の鉱物のようです.もしくは鉄分による染みかもしれません.

 

はっきりとした外形が無く,色彩と光沢の強さでニオカライトと思っているのですが,どうでしょう.

 

こちらは,はっきりとしたニオカライトの柱状結晶です.柱面に並行に条線のような線が観察できました.その周りの黄色の鉱物は若干光沢が鈍く,準長石類かもしれません.黒色部は磁鉄鉱.この産地の黒色粒状の鉱物はいくつかありますが,この標本に含まれていた黒色粒状の鉱物はすべて磁鉄鉱でした.

 

 


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