顕微鏡写真
鉱物の顕微鏡写真106
―ゴーデフロイアイト―
産地:N'chiwaning mine, Kurman, Kalahari Manganese field, South Africa.
(非売品)
Gaudefroyite ゴーデフロイアイト
[組成] Ca4Mn2~3[(O,OH)3|CO3|(BO3)3]
[結晶] 六方晶系.六方柱状,針状・毛状など.
[色] 黄褐色・褐色・褐黒色・黒色.
[光沢] 亜金剛光沢~ガラス光沢.
[モース硬度] 6
[比重] 3.35~3.5
[劈開] 無し.無しという文献がいくつか散見されるが,どうも柱面に並行な方向に弱い裂開のようなものが見える.
[条痕] 黒褐色.
次はゴーデフロイ石にしました.カルシウムとマンガンの多含イオン(炭酸基)硼酸塩鉱物です.ちょっと前に入荷して,めぼしいものはすべて出てしまいました.現場は南アフリカの鮮やかな赤紫色の杉石や立派なハウスマン鉱の結晶を多産したN'Chiwaning mineです.原産地はモロッコ中央部あたりのマロカイトなどのマンガン鉱物を産する現場です.
標本は赤褐色から鮮やかな赤色の石榴石(灰鉄ザクロ石といわれる)の上に,非常に光沢の強い電気石に似た柱状結晶がいくつか生えていました.石榴石の盤際は黒色金属光沢のハウスマン鉱で,塊状のところと,不完全な結晶面だけ確認できるものとがありました.光沢が強いので,透明度が低いのかと思って,拡大したうえで光源を変えてみたところ,濃い茶褐色のような色をしていました.劈開は無しという文献がいくつかありましたが,上にも触れたとおり柱面に並行に弱い裂開のようなものが見えました.断口はいわゆる貝殻状の断口で,この部分も非常に強い光沢をしていました.
結晶を横から見た拡大写真.真っ黒な水晶のようにも似ている.
2枚目の写真の結晶を上から見た拡大写真です.電気石のような頭をしています.
ほかの部分についていたゴーデフロイアイトです.柱面に並行な条線が入っているようです.
こちらも別の部分についていた結晶です.
石榴石の空隙に濃集したゴーデフロイ石です.石榴石の表面に時折,おしろいのような粉がついています.それとは別に白色の角の無い直方体の重晶石を伴っていました.
これも別の部分の拡大です.結晶の下の方が若干,茶褐色をしていましたので,撮影しました.また多少,光が通る感じがあります.
以下は,ゴーデフロイアイトが着床している石榴石のギャラリーです.
ゴーデフロイアイトの着床している石榴石は前にふれたとおり,灰鉄石榴石だそうです.色は黄色に近いものから橙色・黄橙色・赤橙色・暗赤橙色くらいまであるようです.