けんまいし
いくつかの研磨した石228
京都府綾部市五泉町市志 どんど橋西詰めの斑糲岩露頭付近に挟まっていた,ロジン岩様岩石を一面研磨しました.研磨石シリーズ223で曹長石脈を研磨しましたが,その標本の近くに挟まっていたロジン岩様岩石です.見た目に曹長岩とは異なる印象があって,たぶんぶどう石だろうと思っていました.サンプリングした石を成形した時に,空隙があってかなり小さいですがぶどう石の晶洞があって,結晶を確認しました.その周辺もにたような光沢と色で白色部はぶどう石からなっているんだろうと思っていました.
(研磨)入っている鉱物種が少ないので,硬い割には磨り易いだろうと思って磨り始めました.ある程度までは風化しているのか,割と簡単に削れてくれました.新鮮な部分が予想以上に硬くて難儀しました.白色の母岩を切るピンク色の脈は桃簾石でした.ぶどう石と同じカルシウムとアルミニウムの珪酸塩です.硬度が高いので,青砥で仕上げすると光沢が出てくれました.
(以下,顕微鏡下での観察です.)
淡い灰桃色をした繊維状部が桃簾石です.この石にはぶどう石と桃簾石のほか,桃簾石の脈以外に細く白い脈が入っていて,検討したところ曹長石脈でした.4枚目の写真の下の方に写っている,灰緑色の鉱物は透輝石でした.