やまのぼり
磯砂山
京都府京丹後市峰山町・大宮町
3
—下山,磯砂女池—
前回の続きです.
日が傾いてきたので,早々に下山することにしました.山頂から常吉峠までは休むことなく一気に下りました.まだ膝が笑っていないため,女池を往復することにしました.
常吉峠.直進が女池.
現地案内板.
ちょっと拡大.
目前に階段があるが,こちらは大したことなく,尾根上のコブを越えた.
尾根道.いままで階段ばかりだったので,ちょっと新鮮.
小さなコブを越えたところに山の主がいた.
山の主.ヤマカガシ.近くにあった長い枝でヤマカガシ近くに落として,山道から逃げていくのを確認して通過した.
一度,鞍部に下り次の平坦なコブを過ぎると,道はその先で,左手にある凹地の方に下って行った.足元に蛇がいないかを確認しながら下って行きました.
階段が,ここで終わっていた.これが女池なんだろう.
お世辞にもキレイな池とは言いづらい.
池を取り巻く尾根は凹地を形成していて,凹地に下る手前の平坦なコブにもちょっとした凹地になっているような地形があった.地形図を見ると磯砂山と南側の府県尾根の間に断層があって,東西一直線に山地が切れ込んでいる.磯砂山本体は等高線の込んだ鋭い山を形成していて,南側の府県境尾根も等高線が込んでいた.常吉峠が断層の影響で緩やかな尾根になっているとはいえ,周囲の山とはずいぶん異なった趣の尾根になっていました.尾根の一部にこういう凹地になっているところは今まで何度か見ていて,たいてい砥石の掘り跡か,マンガンの露頭部を掘下った凹地か,尾根近くの坑口が陥没したのか,いずれかだった.尾根の一部に珪岩かがあって,そこを露天掘りしたかのように思えた.それに,仮に天女が降臨したとして,そういう場所ならこうやって一般人が入れるようなところでは無く,禁足地で入口に立派な鳥居くらいありそうなものだが,そういった類のものは一切ない.寺社仏閣の礎石や石垣くらいありそうだが,人の手によるものは鬱蒼とした植林くらいでした.地名ももう少しそれに由来するような不思議な地名がありそうなものなんだが,周囲にあるのは結構普通の地名だ.小字まで調べればあるかもしれない.磯砂山の西に当たる久美浜町の尉ケ畑周辺には金属地名がいくつか見られる.
布袋野の在所から駒返峠を越えると昭和の初めごろまで盛大に金銀鉱を精錬していた神美鉱山があって,布袋野を流れる川上谷川の両岸に「畑」や「金谷」・「青地岳」などの金属に纏わりそうな地名が見えた.比地山トンネルを越えて峰山町側にくるとそういう地名が急に無くなった.磯砂山は基本的に花崗岩の山なので,鉱脈系の鉱床はありませんが,鉄穴流しはあったようです.鉄穴流しは主に磁鉄鉱(砂鉄)ですが,赤目(赤鉄鉱)もあったと思う.前々回に少し触れました,磯砂鉱山は珪石や長石をおもに稼業していたところですが,黒雲母に伴われて結構な量の赤鉄鉱を含んでいました.赤鉄鉱は磨ると弁柄色の粉がでるので,古くは「赤目」と呼ばれていたようです.磯砂山の山頂付近に日蓮さんのお題目を彫った石柱があって,もしかしたら旧幕時代には「妙見さん」と呼ばれていたのかもしれない.(能勢妙見は660m,磯砂山も同じ標高かすこし高いくらい.能勢妙見のまわりには行場を含めていくつかの滝がある.当地にも近くに幾つか滝が知られている.それから能勢妙見を取り巻く山にたくさんの鉱床があり,妙見山に近くなると磁鉄鉱が多くなってくる傾向にあった.磯砂山にも砂鉄であれば大量にあるかもしれない.などいくつかの共通点があった)
話をもとに戻して,もう少し掃除してあったらそれなりの池に見えるんだが.ちょっと前にヤマカガシを見てから,池の周りを一周する気にはなれなかった.あしもとに注意して常吉峠まで戻った.あとはひたすら登山口まで階段を下りました.
以下は行程のマップです.滝巡りの白滝不動明王の滝を紹介した項で作成したマップに加筆しました.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで加筆しているため縮尺は無視しています.参考程度に.
行程
往路
ミソン谷登山口→6分→常吉峠→4分→最初の展望地→14分→二つ目の展望地→5分→磯砂山山頂.
復路
山頂→13分→常吉峠→7分→女池→4分→常吉峠→4分→ミソン谷登山口.
(歩くのが遅い上に,写真を撮りながら登りました.時間は若干多めにかかっています.参考程度に.)