滝めぐり
瑠璃渓
京都府南丹市園部町大河内
~上流の上半分~
3
前回のつづきです.(訪問は通天湖から川下に向かって歩いていますが,今回は川下から上流,通天湖にむかって書いています.)
「双龍淵」の滝より300mほど遡ったところに道標があった.
「玉裳灘」.というらしい.わずかに傾斜の付いている浅瀬という感じの場所.上の方は少しナメ滝状になっていた.
瑠璃渓の本流から少し枝沢に入ったところにある.標識のところから滝は見えない.
「水晶簾」と呼ばれる滝.落差は3mくらいか.水量が少なかったので,多いときに来ようと思う.水晶の名前が付けられているが,付近に水晶どころか石英脈も見当たらない.付近は花崗岩と流紋岩質角礫凝灰岩がみられた.瑠璃渓の岩石はいくつかあって,半国山から西に連なる尾根から流れてきた,流紋岩と流紋岩質角礫凝灰岩,貫入岩体の天引花崗岩と剣尾花崗岩,と若干のチャート,珪岩などがありました.流紋岩は2通りあって,一つは半国山系の尾根から流れてきた流紋岩で,全体的に緑色っぽい感じがする.この手の流紋岩はもともと麓にはあまりないようで,半国山の山頂より北東に延びる宮川尾根に多少あっただけでした.山頂も流紋岩ですが,球顆を含む流紋岩で,かつてニセサンゴとよばれた.球顆の中は水晶が入っているもの,粘土で充填されているもの,球顆自体がモルデン沸石になっているものもあった.山体の大部分は角礫凝灰岩で,熱変成を受けてホルンフェルス化している部分もあった(天引付近).
もう一つは全体的に白っぽい流紋岩で,半国山を構成するものとは異なり,遥かに西に行った籠坊温泉付近に貫入している流紋岩に似ている.瑠璃渓の河床に出ている大きなのはこれのようです.河床は花崗岩が多く,流紋岩は少ないです(というより河床が地下水に由来する二酸化マンガンと褐色の水酸化鉄によって汚れていて大部分が判別できない).
滝の上の方.
下の方.
遊歩道に戻る.
「天鼓湍」.というらしい.ナメ滝に?をつけたくなる.落差は1~2m前後で幅はあるが,長さに乏しい.
「浣紗瀬」.というらしい.
「灌錦汀」.というらしい.淵のようになっているように見えるが,少し上にナメ滝があって,これの滝壺?から連続しているよう.
「千幻瀑」.というらしい.ナメ滝状になっている.落差は3mくらいだろうか.断層で川床がずれたように見えた.
これの上は小さな休憩舎があって,通天湖のでかい堰堤に当たる.
通天湖の堰堤.
折り返して府道にでます.(今回はこの地点から下流に向かって歩きました)
4に続く.