露頭めぐり
太鼓山の沸石露頭
笠山を辞したあと,峰道を通って岩滝に抜けようと思いました.丹後半島の周回コースに出るためにまた,6㎞くらい戻らなければならず,このまま林道を伝って上世屋方面に出ようと南下しました.途中でどこかで通行止めになってなければいいのですが.
スイス村のスキー場を左に見て太鼓山を南から巻いて,風車の分岐を右に採りました.この先数キロメートルに,10年くらいまえに大きな沸石の晶洞のでたところがあって,今どうなっていなのか通りすがりに見てきました.
国定公園の拡張で予算がついたらしく,露頭は消滅していました.その露頭の数百メートル太鼓山寄りの法面に沸石の露頭を見つけました.
沸石の露頭.バーの間隔は約20㎝.
バーから約30cm離れたところに熱水の通り道が,細いですが2本確認できました.
変質した火山岩(たぶん安山岩)および同質凝灰岩の割れ目を充填し,脈状に上へと延びていました.緑色のセラドン石?様鉱物と方解石,輝沸石を目視で確認しました.写真は露頭直撮影です.バーの間隔は約20㎝.
灰緑色のセラドン石?様鉱物を含む部分の拡大です.陶器質の蛋白石様鉱物を伴っています.露頭直撮影.
方解石を含む脈の拡大です.中央に方解石,隣接する空隙中に沸石類を目視で確認しました.
ほかの鉱物にアラレ石と束沸石がありましたが,こちらは露頭の下にある側溝に落ちていた石に入っていました.ここより南は前述の大きな沸石の産した露頭(消滅)があるくらいで,汐霧山方面までいくと花崗岩になるらしく,こういった露頭は見つけられませんでした.
続く.