案外,無い鉱物1
和知鉱山の輝水鉛鉱
産地:京都府船井郡京丹波町安栖里 和知鉱山(非売品)
上の標本はずいぶん前に訪問した際にサンプリングした輝水鉛鉱です.和知鉱山は鐘打鉱山の主要鉱脈の北東に隣接する鉄マンガン重石を採鉱した鉱山です.輝水鉛鉱はタングステンをやっている山では比較的よくみられる鉱物ですが,鐘打鉱山とともにほとんど見られませんでした.
当山域ではほかにほとんど見られない鉱物にホタル石と方鉛鉱があって,前者は記載はあるものの,両山通じてみたのは1回で,鉄マンガン重石に多量の磁硫鉄鉱・硫砒鉄鉱・黄銅鉱を伴う硫化鉱の集合中に,無色透明で不定形塊状のものがありました.
後者は大正坑の近くで,これも1回だけみました.黄銅鉱に磁硫鉄鉱・黄鉄鉱を伴った石英中に,ほかの硫化物をほとんど伴わない単独粒で産しました.
(定期的に掃除をしないと,標本がくすんでしまうため,掃除をしています.その時に写真を撮っているのですが,それが溜まってきました.死蔵するくらいなら写真だけでも公開することにしました.「案外,無い鉱物」と称してちょっとずつ書いていこうと思っています.)