滝めぐり
―足原谷の滝―
滋賀県東近江市政所町
先日,川原遊びを兼ねて滝めぐりに行ってきました.先日に降った雪が邪魔するかと思いましたが,林道の横に少し残雪がみられる程度で,目的の現場まで行くことができました.目的のモノは石英脈中の磁硫鉄鉱や灰重石で,ほかマンガンもあると云い,少し谷を詰めましたが,張り出した岩場のところに倒木があってこれ以上先には進めませんでした.ヤマビルの食害も考慮して途中で引き返しました.
目的のモノは見られませんでしたが,転石で菫青石ホルンフェルスと輝石ホルンフェルスがみられました.菫青石ホルンフェルスは不完全な菫青石でしたが,一部に紅柱石を伴っていました.ほかに緑色岩化した玄武岩がありました.円形の空隙に炭酸塩を伴う岩石でした.少しサンプリングして塩酸で処理すると,思った以上に発泡せず,殆ど沸石の様でした.一部に自形結晶がみられる孔があって,方沸石である事を確認しました.ほかの部分に球状の輝石?があって内部は方解石でした.
近くの河原に降りて観察したところ,御池岳の方から流れてきたと思われる石灰岩が大量に見られました.次に多いのが前述のホルンフェルスで,そのあとホルンフェルスにスカルンを噛んだもの,層状チャート,それからどこから流れてきたのか流紋岩質岩,前出の玄武岩,黒雲母花崗岩などがみられました.また数は殆どありませんが,蛇谷の銀山?から流れてきたと思われるカラミを1つ拾いました.
鉱滓(カラミ).茶屋川流域.
川あそびから帰りに往路でチェックしていた滝に寄りました.国道421号蓼畑の道の駅から愛知川沿いに少し下ったところに,少しだけ旧道が残ったところに一つ滝がありました.
半分以上ヤブになった旧道の橋.
足原谷の滝.段瀑で20m位だろうか.下の方がいい感じに苔むしていました.
上の方.
その下.
中段.
その下.
下の方.
地質図で見るとこのあたりは南東から花崗岩類が貫入している接触部のようで,転石に何か落ちていないか探しました.谷の上流に試掘坑があったとかいう話も以前から耳にしていました.下の滝を上がったところでホルンフェルスがありましたのでサンプリングしました.
褐色の脈が幾つも貫いていて,その部分に変成鉱物が多少見られました.以下はその顕微鏡写真です.
透輝石.本来はサーラ輝石とすべき鉱物(劈開の部分).灰緑色でやや境界のはっきりしない粒状は,一面研磨して石榴石類と判断しました.
黒色繊維状部が緑閃石です.灰緑色部は石榴石類でした.
このあと,次の滝に向かいました.
以下は滝のアクセスマップです.いつも通りペイントを使用してフリーハンドで描いているため縮尺は無視しています.参考程度に.