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いくつかの研磨した石191

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いくつかの研磨した石191

 

 京都府南丹市美山町大黒鉱山北鉱床の層状菱マンガン鉱を一面研磨しました.川の横に開坑しているため鉱石が残っておらず,サンプリングするのに難儀な鉱山の一つです.年末に訪問した際に一つだけ得ることが出来ました.裏面が一面に二酸化マンガンの酸化被膜に覆われているため,この面を一面研磨しました.

標本の正面です.

 

(研磨)菱マンガン鉱を主とする層状鉱石なので,簡単に磨れると踏んで磨り始めました.予想通り軟らかく磨りやすい石でしたが,石英脈が走っているらしく,水酸化鉄で褐色に染まっていました.水酸化鉄のシミが消えるくらいまで磨って,仕上げました.仕上げは青砥でしました.

 

(以下,顕微鏡下での観察です)

黒いシミは二酸化マンガンと思っていましたが,検討したところ閃マンガン鉱でした.

 

割れ目にそって水酸化鉄と思われる黄色いシミが出来ています.淡紅―白色部が菱マンガン鉱,灰桃褐色部はアレガニー石のようです.

 

 

レンズ状に菱マンガン鉱が集まったように見える部分の拡大です.上の方の黒い筋は石英脈です.

 

こちらも上の方に石英脈(灰白色―暗灰色)が入っています.

 

 石英脈が2本確認できました.黄色いシミの正体は色的に水酸化鉄ではないように感じた.さらに石英脈の部分を拡大してみました.

 

石英脈の一部の拡大です.白色部は石英.黒色の粒が入っていました.劈開があり,にわかに赤っぽいので閃亜鉛鉱のようです.

 

こちらも石英脈を拡大したものです.中央の真鍮色は黄鉄鉱でした.どこでもできる鉱物の一つです.

 

三角形の結晶が見えています.硫砒鉄鉱のようです.磨っているときに変な臭いがしたのはこれの所為かもしれません.

 

 思ったより硫黄の多い石でした.硫黄が多いために出鉱されず現場に残っていたのかもしれません.

 

 

 


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